
臨床検査技師関連の学会に行ってみた - AIとの付き合い方-
ごきげんいかがですか、ふたこ研です。
今回は備忘録も含めてピリ辛意見多めのnoteです。
10年後になくなる仕事ランキング47位
臨床検査は現在AI開発が行われており、コスト削減、患者経験の改善、医療業界全体の効率向上の3つのメリットが期待されています。
確かにそうだと思います。普段企業でAIの使用した試験をしていて思います。今のままのやり方では臨床検査技師はなくなるでしょう。
とはいえ時代とともに医療の変遷はめまぐるしく、昔は当たり前の検査法も今ではやっていないということもあるので、変化・進化していく限りはなくならないかと。
では、変化・進化するために現場の臨床検査技師は何をしているのか…
久しぶりのローカルな学会へ
最近参加する学会はもっぱらOncology領域や臨床試験に関する学会ばかりだったので、初心に戻ってみようと思い。
臨床の検査技師たちはどういう議論をしているのか、なにがトレンドなのか、という勉強がてらにある学会の東京支部会に参加しました。
なぜこの会に参加したかというと、テーマに惹かれたから。
人工知能(AI)と遺伝学的検査の高度化で変わる臨床検査 - 近未来の東京で働く臨床検査技師のゆくえ-
ついに、臨床検査技師もこういうテーマで議論ができるようになったか❕(上からですみません)
結果は… ”ゆくえ”じゃなくて路頭に迷っているようにみえました。
もちろん今の時点で行方の先は見えていないとしても、方向性を示す内容・議論になってればいいなとワクワクしていたんです。
AIってなんだろう?
臨床検査技師はなくなる?
AIに賛成?反対?
これって何年前の議論なんだろうと思いましたし、臨床検査技師を目指す学生さんが多いところでこれをやってしまうと夢なくなるなあ…
そしてその参加者の中心には臨床現場で教えている方々、養成学校の教員の方々。。
気になった演題たち
いくつか聴講した演題の中から心に刺さった演題を紹介します。
ある教育講演の先生(医師)の演題
〇進化する医療検査技術と臨床検査技師の未来像
参考に参考になった度 3/10段階
すご------く期待して参加しました。
AIってなんだ、種類にはどんなものがあるのか、医用画像はどんな風に使われてるよ、以上。
あれ、未来像はどこへ?
ある企業のランチョンセミナー
〇AI & ロボットが検査を変える
参考になった度 7/10段階
このセミナーが最も臨床検査技師の将来を考えていました。ランチョンセミナーでお弁当食べる手を止めてメモったのは久しぶり。
AI/ロボティクスが進む将来の臨床検査技師に必要なことは、大きく2点。ほんとその通りだと思います。
ノーコードツールのAIが出てきている中で必要なのはコードを書けることではなく、扱うときの確かな知識ドメインをもっていること
賢くなるAIを専門的な観点で監督すること
ある学生企画
〇学びから見えた臨床検査技師像~私たちが見据える将来~
参考になった度 8/10段階
メインテーマではなかったですが、ここでもAIの使い方や賛否が発表されていました。
賛成 or 反対
新しい技術ってこんなのがあるよ
・・・・・
将来について必要なことを議論、提案ができる段階になさそうということがよくわかりました。
データサイエンスの授業が技師養成学校でも一部実施されています。データサイエンスとAIは密な関係ですがどのくらい臨床検査技師とデータサイエンスとその先についてを語れる教員がいるのだろう、か。
学生の心配を煽るだけのセッションのような気がして、私ならこういうセッションに出るような将来に向けてやる気のある学生たちに教えられるのに…と悔しくなりました。
臨床検査技師とAI/ロボティクスの付き合い方
聴講した演題の中では、AIに読ませるデータの精度管理の話は出てきませんでした。
どんなによいアルゴリズムやモデルでも読ませるデータが汚かったら結果精度はあがらないので意味がない、という問題点は数年前から出ていて、重要性が議論されています。実際に臨床で運用されているAIは画像の条件が細かく決まっていたり、使用サンプルの条件を合わせるような取り組みも進んでいます。例えば、高度検体管理体制の下でマルチオミックス解析データ取得を行うという研究もされています(TITANIA study)。
この検体管理体制や精度の高いデータの創出に検査技師は必須だと思うのでそのような観点で議論が発展する演題が増えるといいなと思います。
まとめ
とはいえ学会でも将来AI活用をするための活動をどうしていくか、という議論はしているようですので、見守りながら私ができる範囲の活動をしていきたいと思います。
ではまた、ごきげんよう。