元祖!貧乏神
父方の祖父の話である。
うちの父方の祖父は中学で長崎から大阪・千葉・東京を転々とし、大手の製本メーカーで働いていた。名前を聞けばわかる会社ではあった。
小さい時は、すごいお爺ちゃんだと思っていた。
金持ちだと思っていた。
祖父は去年の暮れに亡くなった。
祖父は自分の生命保険を解約し、ギャンブルに明け暮れる貧乏人だった。
そのため、祖母も私の父も苦労したそうだ。
お陰で、祖父の墓はない。
今もタンスの上だ。
死んでも金がかかる。
金のない人が死ぬと、残された遺族に全て債務が降りかかる。
幸い、借金はなかったが。
もし、借金があったら…
それも立派な相続なのか。
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