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【ジャパンカップ2022】走法から見る!ジャパンカップ 出走馬有力馬診断

この記事では2022年ジャパンカップにあたって、
2022年ジャパンカップ出走予定馬の診断
を行っております。

この記事を読んでいただくことによって、
“出走有力馬の特徴(特に走法面)
が理解していただけるように、
心がけて作成致しました。

またYouTubeでも情報発信しております故、
そちらも是非ご覧ください!

過去傾向からの狙い目

・過去10年勝ち馬の前走は、天皇賞・秋、京都大賞典、秋華賞のいずれか
・好位を取れる馬が有利、追い込みは△
・上がりは良馬場でも34~35秒台、本質的な2400m適性が求められる
・好走馬にはストライドが大きい馬が多い、長く末脚を使える馬が有利か?


ウインマリリン (鞍上未定)

評価:A

前走はエリザベス女王杯に出走して2着でした。
この馬以外の掲示板組は皆後方待機組でしたし、
ラップを見ても、重馬場ながら5ハロン目以降の
7ハロン連続で12秒台前半以下でしたから、
特に先行馬にかなりタフな展開といって間違いなさそうです。
その展開であの2着は、1番強い競馬をしたと言ってあげていいと思いますし、
この馬の地力、そして本当に仕上がりが良かったのだなと感じました。

この馬の走りを見るとまず、スタートが抜群に速いながら
しっかり折り合って好位で競馬を組み立てられますから、
実績から見て取れるスタミナと合わせて、2400mには何の不安もなさそうです。
またどちらかというと脚の回転の速さが目に付く走りですが、
ストライドもそこそこ大きく、”好位につけて長く脚を使う"という
JCで求められる能力をしっかり持ち合わせている馬だと思います。

ただ前脚を搔き込む捌き方で、パワータイプだと思います。
もちろんオークス2着がありますし、跳びは素軽い馬なため、
府中がまったく向かない馬ではないのですが、
前脚捌きを見ると、ベストは中山、阪神といった急坂コースかなと思い、
この点で少し評価を下げました。
あと関係ないかもしれませんが、
重馬場は向かないと思います。

あとは無難なところですが、
仮に出走してきた場合、エリ女の疲れが気になってしまいます。
特にエリ女は抜群の仕上がりだったと思うため、
少なくともそこからの上積みは見込めないと考えています。
(前走は馬体重を絞ってきてくれたのですが、
それでもまた絞れそうなため、ひょっとすると上積みがあるかもしれませんが…)

ただ私の個人的な思いなのですが、
陣営の仰る通りGⅠを取れる馬だと思いますし、
取ってほしいです…


カラテ (菅原明良騎手)

評価:A

前走は天皇賞・秋に出走して6着でした。
しっかり折り合っていましたから
やはり2000mでもやれそうだなと感じたのと、
2番手以降はスローで流れた中で、
最後はやや切れ負けした印象でした。
同厩舎のキセキの20年と似た負け方で、
そう考えると今回、2400mに距離が伸びるのは
むしろ歓迎なのでは、とすら思いました。

走りを見ても、非常に大きなフットワークで
かつゆったりと走る馬ですから、
2400mは合いそうだなと感じます。

またピッチの上がりはスムーズでない分、
長く脚を使える走りであるため、
長い直線コースでの持続力勝負というのも
この馬に合っていると考えています。

ただ硬い脚捌きをする馬ですから、
末脚の切れ味勝負だと分が悪そうで、
今回は前目の位置を取って
しぶとさを活かしてほしいところです。

ただそういった先行競馬はほとんど経験したことがなく、
ここでいきなり先行させられるかが怪しいのは気になります。

あとはもう解消されていそうですが、
元々は爪に不安のあった馬なため、
良馬場の方が良いかなと思います。


シャドウディーヴァ (北村友一騎手)

評価:C

前走は府中牝馬Sに出走して7着でした。
後方から上がり2位の末脚を使いましたが、
道中最後方からではあそこまでが精一杯
といった内容でした。悪くない前哨戦だったと思います。

この馬は首の位置が高く、ストライドも小さいため、
末脚の持続力を使うタイプではなく、
脚の回転の速さと素軽さを活かした、
末脚のスピードと瞬発力が武器の馬だと思います。

昨年もJCに出走しており、この時は先行して
勝ち馬とは0.9秒差の7着であり、
先行競馬では結果を伴うことができておらず、
また今年のVM前に斎藤誠調教師が
「府中牝馬Sを勝った時のように、末脚を活かす形がいい」
と仰っていたのを見ても、
今回は後方から運んで末脚を活かす競馬をすると見ています。

そうなるとこの馬は末脚の切れ味ならここでも通用するかなと感じていますし、
またこの馬にとって左回りというのはプラスですから、
全くノーチャンスではないと見ています。

ただJCはどちらかというと好位につけて、長く脚を使える馬が好走する印象ですし、
2400mはこの馬にとって長いとも考えているため、
執筆時点ではそこまで注目していません。
めちゃくちゃ状態が良い、となった際には見直したいですが…

シャフリヤール (C・デムーロ騎手)

評価:A

前走は天皇賞・秋に出走して5着でした。
過去には福永祐一騎手が
2400mが合っている
といった趣旨のコメントをされており、
2000mでしかも位置を取りに行ったのが
敗因かなとも思いましたが、
2番手以降はスローで流れたレースでしたから、
個人的には距離よりも状態面に
敗因はあったと考えています。

走法としては脚の回転が速いですが、
身体の伸縮幅が非常に大きく、
瞬発力が際立った長所かなとは思いますが、
本当に柔らかい捌きでとにかく脚が速い馬だと思います。

ですからスピード勝負の秋天は合っていると考えていましたし、
スタミナを含めた持久力勝負になるJCは
やや適性がずれると考えています。
折り合いも怪しいですしね…

勿論ここがメイチなのは間違いなく、
またメイチレースに向けての仕上げが
本当に上手い藤原厩舎ですから、
今回前走以上の状態で向かってくる
のは推せる材料だと思います。

2週前追い切り後に藤原先生が
「もうちょっと工夫せなアカンな」
と仰っていましたが、
「前走は海外から帰ってきて素材を見たかったから(変わったことは)何もしていなかった。」
「素(の能力)が見えたな。でも、それが見えたらこっちのもんや。見られたのは大きいな」
とも仰っていましたから、
やはりここに向けてしっかり仕上げてきそうだなとは思います。

ダノンベルーガ (川田将雅騎手)

評価:A

前走は天皇賞・秋に出走して3着でした。
流石の切れ味でした。
イクイノックスの後ろにつけていたため、
着順はその位置取りの差かなと思いますが、
あの位置だからこそ脚が使えたとも言え、
ダービーでポジションを取りに行って4着だったことを踏まえても、
現状は後方から末脚を伸ばす競馬が合っているのではないかと思います。

走法についてですが、
脚の回転が速いため加速がスムーズですし、
加速しきった後はストライドが非常に大きく伸びるため
末脚の持続力もあります。
ダービーで本命を打った時から変わらず、
素晴らしい走法だと考えています。

ただ首の位置が高い分か、
末脚の持続力という点はまだ成長してきそうで、
現状は瞬発力が武器の馬だと思います。
前走は2番手以降はスローで流れたレースで、
この馬向きの流れではあったと思います。
その点今回は、距離が伸びるのもそうですし、
33秒台前半の上がりが求められることは少ないレースですから、
適性という面では前走から落ちると見ています。

あとは前走は状態が春よりもよかったことも
好走の要因かと思いますから、
間隔が詰まる中で状態を保てているかも気になるところです。
皐月賞を使うか迷われていたのを見ると、
この馬は反動が出やすいのかなと思うため、
この馬に関しては特にこの間隔での出走なのは気になってしまいます。

ただ今年の3歳牡馬の、特に皐月賞掲示板組は強いですからね…
地力だけならシャフリヤールとこの馬の2強だと思いますし、
個人的に末脚の持続力という点では、
シャフリヤールよりもこちらに分があると考えているため、
人気どころでは1番評価している馬です。


テーオーロイヤル (菱田裕二騎手)

評価:S

前走はアルゼンチン共和国杯に出走して6着でした。
トップハンデ57.5kgを背負っていたこと、
直線で不利を被ってしまったこと、
そして後でも触れますが、
この馬としては珍しくレース前のテンションが高かったこと、
こういったことが影響したかなと考えていて、
最初の2つに関しては、今回心配いらないと思います。

この馬の走りの特徴は何と言っても、
ストライドがかなり大きく伸びることと、
素軽い跳びをするところだと思います。
ただこの馬で特筆すべきなのは、
脚の回転も遅くない、むしろ速い部類であることです。
首を綺麗に大きく使えることもあって、
スピードの絶対値とその持続力に長けた馬であると考えています。

そして私は今回、好位が取れて、
そこから末脚の持続力を活かせる馬
を狙いたいのですが、
この馬はそのキャラクターにピッタリハマるため、
S評価としました。(目標にされそうですが…)

ストライドの大きさを考えると、
ステイヤーで間違いないとは思いますが、
脚の回転も中距離馬でよく見かける速さで、
2400mという距離にも不安はないと考えています。

ただ冒頭で書いた、前走テンションが高かった点は心配です。
某TV番組で細江純子さんが話されていましたが、
この馬はオールカマーが春天と同じ馬体重で、
前走はマイナス体重でありましたから、
そういったところで気持ちが追い込まれていたのかなと考えています。
今回は平常心で出走できるか、には要注目だと思います。


デアリングタクト (鞍上未定)

評価:B

前走はエリザベス女王杯に出走して6着でした。
道悪は桜花賞で実績がありますし、
走法から見ても相対的にそこまで苦にするタイプとは思えず、
道悪が敗因ではないと考えています。
そうなると位置取りも中段からで悪くはなかったため、
苦手な馬群に包まれる競馬となったことかなと考えています。
ただあれほどの馬ですからね…

この馬は脚の回転が速く、ストライドは小さい走りで、
末脚の瞬発力が武器の馬だと思います。
あと冒頭と被りますが、首の位置が高めで
重心が高めの走りに映るため、
道悪は上手いと思います。

ただこの秋2戦はこの馬らしくないですよね…
陣営の仰るところによると、
気持ちが大人しくなっているということで、
裏を返せば気持ちが入れば一変して復活する可能性があるのだと捉えています。
正直前走から間隔が空いておらず、
肉体的な立て直しを図るのには時間が足りず
そういった精神面にしか変わり身は期待できないと考えました。

ハーツイストワール (鞍上未定)

評価:B

前走はアルゼンチン共和国杯に出走して2着でした。
直線不利を食らいながらよく差し込んできたのは強かったですし、
今回も引き続きその末脚に期待したいです。

ーーー天皇賞・春の記事よりーーー
かなりの瞬発力がある末脚が魅力の馬だと思います。

走り方としてはピッチが細かく、
また首の位置が低く、大きく使ってくる走法で、
一瞬の切れ味とその持続力をバランスよく兼ね備えており、
特に追い出された時の瞬発力はかなりレベルが高いと感じました。

仮に今回の長距離レースでも手応え良く直線を向いてこれば、
一番良い末脚を使うのはこの馬ではないかと見ています。

また前々走ウェルカムSは勝ち馬がジャックドールでしたし、
その次走であった前走早春Sでは早めに先頭に立ちながら
最後は流す余裕もありながらの完勝でしたから、
重賞でも十分通用してよい能力の持ち主でもあると見ています。

ただこの馬は小回りであった3走前の阿武隈S(3勝C、函館芝2000m)では
コーナーで手応えが鈍っていたり、
やや左手前の力感が右手前の時よりも劣っていたところがあって、
広いコースの左回りがベストかなと感じたため、
阪神の小回りコースをこなせるかは不安です。

あとはピッチ走法だけにステイヤーとは思えないところもありますが、
距離に関しては鞍上が名手ルメール騎手ですから、
ここは持たせてくると考えています。

ということでこの馬のポイントは、
小回りをこなせるか、だと考えています。
(個人的には目黒記念とかジャパンカップで見てみたいです。)

ボッケリーニ (浜中俊騎手)

評価:A

前走は京都大賞典に出走して2着でした。
好位のインを取って、直線スムーズに捌けた
完璧なレース運びだったのですが、
勝ち馬の決め手に屈した印象です。
ただそういった競馬の上手さは、
非常に強力な武器だと思います。

この馬の走りとしては、
素軽さも感じるのですが、
前脚を搔き込む脚捌きであるところ、
また首をそこまで大きく使わないところをみると、
持ち味はパワーなのかなと思います。
ただ先ほど書いた競馬の上手さを含め、
どんな条件でも堅実に走れる馬だと思います。

そしてその堅実さという部分で加えると、
昨年まではあまり位置が取れない馬でしたが、
距離を伸ばしたのが良かったのか、
最近は好位を取れているのも
この馬を推せる材料だと思います。

そして今回ですが、
何回も書いているようにJCは
好位で上手く立ち回れる馬が好走するレースですから、
前回先着されたヴェラアズールを逆転する可能性は十分ありそうですし、
このメンバーでも適性は見劣らないと考えています。

あとは地力がどこまで通用するかですね。

ユーバーレーベン (M・デムーロ騎手)

評価:A

前走は天皇賞・秋に出走して8着でした。
明らかに太かった札幌記念から約20kg
馬体を絞ってきたのが良かったと思います。

走法としては、脚の回転の速さが際立ちますが、
ストライドも綺麗にかつそこそこ大きく伸びますし、
また首を非常にダイナミックに使える走りですから、
個人的には末脚の持続力が持ち味の馬で、
切れるタイプではないと考えています。

実際オークスで4角から動いて勝ち切ったこともあり、
そういったことからも長く脚を使える馬で、
やはり東京コースがベストの舞台だと思います。

そして前走後M・デムーロ騎手が
「ゲートは出して行ったが周りが速すぎた。」
「4角の手応えは良かったが最後はジリジリとしか伸びなかった。」
と仰っているのを見ると、
前走は追走で一杯だったのだと感じましたから、
今回距離が2400mに伸びるのも歓迎だと思います。

そして1週前追い切り後に手塚先生が
「調教はあれで十分。(札幌記念、天皇賞・秋と)2回使って型通りに良くなっている」
と仰っていますから、状態にも不安はなさそうです。

ということで、この馬は前走から全ての要素が好転していると感じます。
あとはその脚質故、差しが届く展開になるかです。

ユニコーンライオン (国分優作騎手)

評価:B

前走は福島記念に出走して見事1着でした。
矢作先生が「本当にうれしい」
とコメントされていたのが印象的な、
胸を打たれた素晴らしい逃げだったと思います。
ただもちろん今回は福島記念よりも強力なメンバーが集まっていますし、
また出走してこれば中1週というタイトな臨戦過程ですから、
地力と状態面が問われる局面だと思います。

この馬の走りですが、前走を見ていて少し驚いたところがありました。
首が高めでストライドは中間くらいなのは相変わらずでしたが、
福島記念では脚の回転がそれまでよりゆったりになっていました。
元々は脚の回転はどちらかというと速い部類でしたが、
福島記念ではキタサンブラックと同じくらいの脚の回転の遅さでした。
(目を疑って何回も計測し直したので、間違いではないと思うのですが…)

そこで福島記念とそれ以前とで変化点がないか調べたところ、
福島記念では久々にブリンカーを着用していました。
ブリンカーと脚の回転が関係あるかは正直分からないのですが、
そういった変化が影響したかなと想像しています。

ただ今回も前走の走りを見せてくれると仮定した場合、
キタサンブラックと並ぶくらいゆったり走れること、
ストライドも小さくはないこと、
そして首が高くどちらかというとパワータイプですが、
パワーに寄り切っているわけではない
バランスの良い走りであること、
こういったことを考えると、
ここにも適性はあるのではないかと思います。
もちろん脚質を活かしやすいのもあって、
小回りコースの方が向いていると思います。

適性があると考えられるなら、
元々は宝塚記念2着の地力がある馬ですし、
面白い存在です。

ヴェラアズール (R・ムーア騎手)

評価:B

前走は京都大賞典に出走して見事1着でした。
前目で運んだ馬達が掲示板に載ったレースで、
後方から追い込んで勝ち切ったという内容で、
強烈な決め手があるなと感じました。

この馬は元々ダートを使われていた馬で、
確かに前脚を搔き込む感じはあるため、
ダートでもやれそうな感じはありますが、
近2走の走りは芝向きの、しかも
軽い跳びでストライドが非常に大きく伸びる、
芝で切れる末脚を使えそうな走法だと感じました。

しかも脚の回転も遅くはなく、
かなり質の高い走りであると思います。
ただやや首が高いところがあるため、
どちらかというと溜めて瞬発力を
使う戦法が合うのかなと考えています。

またこの馬は折り合いを気にしながら乗らないといけない馬でもあるため、
そういったことからも今回は後方からの競馬になると思いますから、
そこから届くかどうかがポイントになると見ています。

ヴェルトライゼンデ (D・レーン騎手)

評価:C

前走はオールカマーに出走して7着でした。
直線半ばまで右手前だった影響かもしれませんが、
坂を上がってから脚がやや止まり気味に見えました。
休み明けで息ができていなかった可能性はありますが、
ひょっとすると距離が長かったかも、と感じました。

そしてこの馬の走法についてですが、
首が高い姿勢で、
脚の回転が速くストライドは小さめの走りです。
またとにかく硬い走法で、
33秒台の末脚が求められると厳しい印象で、
そういったことからもこの馬は
中山のような小回り向きの馬だと思います。

ということで、まず府中に替わるのは
マイナスであると考えています。
また先に書いた距離ですが、
菊花賞を7着に敗れた際に池添騎手が
「いいポジションを取れたし、前でルメール騎手(アリストテレス)がコントレイルを内に入れてガードしていた。ただ、こちらの方が3コーナーで手応えがなくなってしまって…。そこが痛かった」
と仰っていたのもあり、
2400mという距離にも不安を感じます。

よって今回は評価しなかったのですが、
前走直線半ばまで逆手前であったこと、
また左回りは1-1-1-0ですから、
サウスポーの可能性があるのは気になります。



いかがでしょうか?

皆様の馬券的中に向けて、
少しでも参考になっていれば幸いですし、
また次の記事もお楽しみにしていただければなと思います!

以上、ぶにぶにでした!

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