光熱費で推測量を請求
マレーシアにはもう20年ほど住んでいますが、いまだによく理解できないこともあります。
そのうちの一つが光熱費を推測量で請求してくること。
10月の話ですが、9月分の水道代が請求されてきました。しかし、読めば読むほどよくわからない数字なのです。
僕はあまり水を使わないので、最低使用量の数字でいつも請求されます。その金額は6.80リンギ(230円)。前は約半額の4.30リンギでしたが、最低請求金額があがったので、この数字なのですが、それでもまだ安い。
それはいいのですが、9月分に請求された数字はなんと20.40リンギ。驚くほどの数字ではないのですが、いつも請求されている数字のちょうど3倍です。
前回請求書が来たのは7月で、これは6月分の請求だったのですが、それから請求書が来なかった。請求書をみてもそのことは書いておらず、代わりにAnggaranとあります。これはマレー語で「推測」を意味しますが、7月、8月、9月の3か月分がこの「推測」で請求されたのです。
「推測」ということは、つまり検査員はメーターを確認せず、推測量で請求してきたという意味です。なんでこの推測で請求をしてくるのかよくわからなかったので、水道会社の事務所を尋ねに行きました。
その回答は
「メーターを測るシステムが壊れたため」
だそうです。メーターで測れなくなったので、過去数か月分の水道使用量から推測して3か月分を請求してきたのだとか。
それっていいんだか悪いんだか。そもそもメーターを3か月も測れないってどういうことなんでしょうか。それもうちだけでなく、市全体らしい。
かつて、新型コロナのパンデミックのとき、電気会社も各世帯に検針に行けなくなったため、過去数か月の使用料から推測して請求していた時期があります。確か半年ぐらいは検針員が外出できなくなったので、仕方なくそういう方法を取ったのですが、検針員がしっかりとメーターを測り始めてから追加分で請求された世帯があって問題になりました。
今回の水道の件もそういう方法なようなのですが、そもそもなぜメーターで測れなくなってしまったのか。そういうこともなにも説明なく、請求書に数字だけ記載して請求するのがマレーシアらしい。
こういうことをしていると利益にも大きく関わってくると思うのですが、マレー人は利益というものをどんぶり勘定で数えることが多いので、こうなってしまうのでしょう。こんなことをしていて赤字だ黒字だと言われても説得力がない。
マレー人は総じて数字に弱いです。高校を卒業しても足し算と引き算程度しかできない人もいます。もちろん理系の大学を出た人はそこそこ強いと思うのですが、以前の会社でこんな事がありました。
経理で入ってきたマレー人の男性。何でも会計学を学んだとかで入社しました。ある年度末に収支報告をまとめさせたところ、
今年度は大黒字です!
とホクホク顔で伝えます。僕の日本人の上司はあまり英語ができないのですが、それでも長年収支報告書は見てきただけあって詳細を調べました。すると、
大赤字じゃないか。
と怒り始めたのです。収支報告は基本的に足し算引き算が主だと思いますが、どうもそれができなかったらしい。基本的な会計のこともよくわかっていなかったらしく、上司は呆れ返ってました。
そんなことが昔あったので、今回の請求書の件も少額ではあるものの、どういう計算をしたのか明確にするために行ったのですが、まあ、それは納得しました。前回の電気代のときはなかなか理解不能でしたが、こちらで独自に計算すると何だか得したような状況でした。
いずれにしても、請求書を見て、いつもと違うと思ったら念入りに確認しましょう。何かが不思議なことが発生してると思いますよ。