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マレーシアの西天宮をご存知ですか

 ひょんなきっかけで昨日西天宮に行きました。この寺は日本人の間ではあまり知られていないと思います。

 この寺はかつて錫の街として栄えたヌグリ・スンビラン州のクアラ・ピラにあります。この街から少し離れた一本道の山中に突然とあります。あまり歴史も知られていないようなのですが、2015年にできたようです。

 中国古代の伝説上の人物9人を祀っています。かつてこの9人は王であったため、九皇大帝と呼ばれています。九皇大帝を祀っているのは、マレーシアでこの寺だけだそうです。寺の敷地は約5ヘクタールもあります。つまり、東京ドーム1個分の広さ。

 さて、この寺でイベントがあって行ったのですが、いくまでが大変だった。クアラルンプールから同州のニライまでは大体通常は車で1時間ぐらいで行けます。ところが、春節もあってなのか、途中が大渋滞。クアラ・ピラまではニライからさらに30分ぐらい行ったところですが、この日は途中で渋滞にあちこちではまり、寺についたのは出発してから3時間後。夕方に行ったので、日も暮れてしまい、とにかく途中の山道には閉口しました。マレー人の村々の間をくぐり抜けたのですが、電気がないところが多かった。

 寺はイベントのためにジョホール州からも華人が駆けつけ、とにかくすごい人。あんな山の中に人が駆けつけるのもなかなかありません。信仰心が厚いのか、単に暇だったので来たのかわかりませんが、一般車は山の一本道の端に停めざるを得ず、寺の1キロ先から路肩は駐車場となっていました。寺の駐車場は全部、イベント用に使われてしまいましたが、そもそも車でしか行けないのに訪問者の駐車場がないって、どういう神経なんだろう。

 寺につくと、入口は大きな門が迎えます。台北にある「大中至正門」に似た門で、入口は春節用に飾り付けもされていました。門をくぐってまっすぐに行くと階段があって、そこの隣に9つの龍を描いた彫刻がありました。コンクリートの彫刻でしたが、なかなかの出来栄え。かなりお金をかけたことがわかります。昔、タイの山奥の寺に行ったときも龍の素晴らしい彫刻がありましたが、そのときと同じような感動を味わいました。

9つの龍の彫刻

 この階段を上り、正殿前の広場はさまざまな屋台が立ち並び、多くのテーブルも置かれ、舞台も設置。屋台は夜市のような感じでしたが、ほとんどが食べ物でした。香港や台湾の食べ物もあって面白かった。舞台では何人もの歌手が交替で歌い続けましたが、あれは5時間ぐらい歌っていたのではないか。

舞台を見ながら食事
正殿入口
正殿
舞台隣では爆竹が何度も破裂

 正殿入口付近は多くの赤い提灯で飾り付け。入口には大きな香炉があって、長い線香がいくつも立てられ、煙がゆらゆらと漂っていました。この正殿はクアラルンプールの天后宮のような感じでしたが、正殿自体は天后宮よりも大きい。この建物は木造なのか、建物の中の梁はさまざまな木造彫刻が施されていました。真ん中はお祈り場所でみかんなどのお供え物があったり、参拝客がお祈りをしていました。

正殿の中

 正殿の隣はトイレがあるのですが、そこの前の空間は桜の造花が大量に飾られていました。夜になっていたため、ライトアップもされ、人は思い思いに写真を撮り続けていました。裏は少し丘になっていて、噴水がある。この丘には何だか、よくわからない飾り付け。中国のアニメの人形のライトアップ? 何かあまり寺とは関連付けがないような気もしたいのですが。

桜の飾り付け

 そんなんで数時間ほどここで過ごしたのですが、久しぶりにここまで田舎に来て面白かった。イベントがないときにゆっくりと周るのもいいと思いますが、この寺周辺は何もないので、クアラ・ピラ散策のついでに行くといいでしょう。ちなみに、車がないと行けない場所です。あまりに辺鄙なところなので、Grabも行ってくれないと思います。

 写真はこちらが美しいので、こちらもご参考までに。

 

 

 

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伊藤充臣
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