時間を守れない
先日、クアラルンプールからクランタン州コタバルまでバスに乗りました。久しぶりに長時間の長距離バスに乗ったのですが、いやはや時間をまったく守れないのには閉口しました。今回はこれについて考えます。
僕が乗った高速バスは午後1時出発の午後9時27分着予定のバス。所要時間は8時間27分ということなのですが、これがまったく話にならなかった。
日本人の性なのか、いつも定刻時間の随分前に到着するようにしているのですが、まずは案の定、午後1時にターミナルにバスは来ませんでした。
このバスはマラッカから人を乗せて来るので、前回乗ったときも遅れた。今回のバスがKLのターミナルに到着して出発したのは午後1時半。30分遅れで出発したのですが、まあ、これはまだ許せる範囲か。
コタバル行きのバスはたいがい出発してから4時間ほど経ったクランタン州南部のグアムサンの休憩所で休憩します。今回の休憩時間は1時間。ところが、この休憩時間は1時間を20分ぐらい越えてしまい、出発したのは午後6時20分頃。このグアムサンからコタバルまではどこにもよらずに行くと3時間で到着するのですが、この時点でもう到着の遅延が確定したと思いました。
グアムサンから途中のクアラ・クライという町までは山の中の一本道。対向車線と2車線しかなく、あまりスピードも出せない。さらに、ちんたら走る車も多く、通常なら1時間半ぐらいでクアラ・クライに到着するのが2時間かかりました。
珍しくクアラ・クライで降りる人はおらず、そこからマチャン、タナ・メラ、パシール・マスと3か所も止まって人を降ろしたので、結局コタバルに着いたのは午後10時半すぎ。遅延1時間での到着でした。トータルで9時間半もバスに乗っていたことになります。これだったらKLから東京の実家までゆうに着ける時間です。
無事に事故もなく着いたのは結構なのですが、それにしても時間がルーズ過ぎ。。。運転手もそのあたりを理解しているのか途中急ぎ足で走っていたのはわかるのですが。。。
さて、前回乗った時も出発は30分ぐらい遅れました。だったら、もう午後1時半出発にすればいいものをそれはなぜできないのでしょうか。午後1時半にしたら、今度は午後2時になってしまうのでしょうか。
この便はKLから出発するバスではないので、「マラッカから来るバスの時間が読めない」と言い訳をしそうなのですが、AIデータを使って平均何時間で到着するのかを計算してそれを予約アプリに表示させておけば、別に客をさんざん待たせることはないはずなのです。
そして、いつも不思議に思うのですが、「午後8時27分に到着」の27分とは一体なんなのか。午後8時半だったらまだわかるのですが、これとてももはや意味のない到着時間なので、一層、午後10時にしてしまってはどうなのでしょう。
いつだって時間通りに到着することはないわけで、27分など意味のない数字を出すのではなく、「午後10時ごろ」の記載だったら誰も文句は言わないと思います。ここもAIデータを使って分析すれば、どこで時間を食って何時間かかるというのが割り出せるとは思えるのですが。
他のバス会社だってほとんど時間通りに着いたことがないです。だとすると他会社を意識してこういう表示にしてしまうんだったら、もっと正確に記載して別のところで良さを強調すればいいのではないでしょうか。
飛行機も同様。出発時間はもはや一応の目安であって、本当の出発時間はその時にならないとまったくわからない。エアアジアは定刻に離陸するのは珍しく、下手すると半日も狂ったりする。こういった守れない時刻表というのは一体どういう意味をもつのかマレーシアの不思議なところ。
さて、クアラルンプール市内を走るワンマンバスには時刻表がありません。もともと「時間を守れない」という大前提を知っているから、時刻表を作らないというのは、客の立場からしてもある意味で正解なのかしれません。
ただ、高速バスも飛行機も確かに目安(?)の出発時刻がないと客も困る。一方で、その時間通りには出発しないのだから、出したところで意味がない。さて、これはどうしたもんなのでしょうか。
マレーシアの人たちは時刻表の定義というのをもうちょっと厳密に考えたほうがいいかとも思いますが、時間がゴムの伸びであるとするともはや不可能なのでしょうか。
マレーシア航空はここ数か月、遅延、欠航、引き返しが立て続けに起こり、政府が先に査察を行いました。これらの原因は退職して人手不足だったためとのことでしたが、政府が介入したことで対策を練り始めましたが、トップダウン方式にしないと時間も守れないのかもしれません。
マレーシアではソーシャルメディアが入ってきてから時間に対する守る感覚も少しずつではありますが、変わってきています。特にソーシャルメディア上で苦情が出ると炎上することもしばしば。公共交通機関に対しては人々は時間のルーズには厳しい目で見ており、さらに良くなっていくといいのですが。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?