KLIAで銃撃事件 到着ロビーで
なんとも信じられない事件です。マレーシアの玄関口のクアラルンプール国際空港(KLIA)第1ターミナルの到着ロビーで銃撃事件が4月14日未明に発生しました。経緯は下記のとおりです。
国家警察によると、旅行代理店を経営するハフィズル・ハラウィ容疑者(38)が妻のファラ・モハマド・イサさんを標的にして銃撃したというもの。当時、この妻がサウジアラビアからのウムラ巡礼団体客の出迎えのために到着ロビーにいたところ、容疑者が花火を投げつけ、その後に妻に近づいて拳銃で2発を発射。1発は妻を警護していたボディーガード2人のうち1人の腹部に命中したとのことです。この男性は重傷で現在も昏睡状態に。容疑者が花火を投げつけたときに通行人2人もけがをしたといいます。妻はけがはしなかったもようです。
警察は容疑者の動機について「個人的な恨みによるもの」としてテロ行為を否定しています。容疑者と妻は離婚手続き中。容疑者は昨年から妻に対して脅迫しており、妻は警察に被害届を2回出していたそうです。
容疑者は前科3犯で、これまでに脅迫や窃盗、警察官へのなりすましで逮捕されていたことがわかっています。警察は容疑者を全国に指名手配して顔写真を公開。国境でも警備を強化し、容疑者の行方を追っていますが、まだ国内にいるとみえ、捕まるのは時間の問題でしょう。
さて、KLIAでの銃撃事件はこれで2度目のようです。初めて発生した事件は2008年で、両替商が襲われる事件が発生しています。午後7時半ごろに両替商がかばんに150万シンガポールドル分の札束を運んでいたところ、拳銃をもって武装した6人組が襲いました。両替商2人や警備員らは足を撃たれ、6人組はかばんをもって逃走しました。警察の調べでは現場には40個の薬莢が落ちていたといいます。当時、この事件は国民を震え上がらせました。
これが最初のKLIAでの銃関連の事件でしたが、空港では凶悪犯罪は何件も発生しています。最も記録に新しいのは、2017年に発生した、第2ターミナルのチャックインカウンターで北朝鮮の金正男氏が毒殺された事件。インドネシア人の女2人がこの後に逮捕されました。北朝鮮政府の関与が明確ではありませんが、国交のあったマレーシア政府は北朝鮮を非難。このあと北朝鮮大使とサラワク州などにいた労働者は一斉に退去しています。
このほかにも2007年ごろに第1ターミナルで宝石店が襲われる事件や2016年にスリランカ大使が襲われる事件などがありました。
空港は基本的に警備が厳重です。防犯カメラはあちこちに設置されており、事件があってもすぐに容疑者を特定できますが、それでもこういった事件は発生してしまいます。
今回はマレーシア日本大使館はよほど危機を感じたのか、注意喚起を同日に発しています。空港ではあまりこういった事件に巻き込まれることは少ないかと思いますが、常に用心しておくことは大切です。
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