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クランタン州の洪水と壁

 クランタン州とトレンガヌ州などでは現在、連日の大雨で河川の水かさが増して、各地で洪水が発生しています。2014年にクランタン州コタバル市内のほとんどが沈んだ洪水以上になると予想されています。

 雨は11月23日ごろから毎日降り始め、25日以降に降水量が増え始め、クランタン河が溢れ出し始めました。同河沿いの街はあらかた冠水しており、移動も難しくなっています。また、タイ国境のランタウ・パンジャンでは出入国管理局施設が沈み、付近の住宅もほとんどが水に浸かっており、陸路で国境越えはできていません。そのため、国境となっているゴロ川を違法にわたる学生も増えているとのことです。

 コタバル市内の中心部は進水してきており、ここ数日が山場でしょう。28日にはアフマド・ザヒド副首相が「2014年の洪水時より深刻な状況が予想される」と、12月初旬にはクランタン州沖合で高潮現象が発生する可能性が高く、これに伴い、市内の洪水が深刻化するだろうとも語りました。

コタバル中心にあるクランタン河沿いの観光地(昨日)

 洪水は川沿いや海岸沿いで発生していますが、ここの問題なのは排水設備がしっかりしていないところ。川や海がないところでも洪水というか冠水が発生していて、とにかく大雨が降ると水がどこにも流れず滞留してしまうのです。2026年までには「何とかする」と州政府は言いますが、この問題は十数年前から問題になっていて、いままで何をしてきたのですかと言いたい。

 もう一つ疑問なのは毎年浸水するエリアは決まっています。なのになぜ彼らは引っ越さないのか。いちいち水に浸かるので毎年洗濯機や冷蔵庫を買ってる人もいるとか。引っ越したほうが安上がりなのでは?

 現在各地で冠水していることから、交通網も寸断されています。食料品はほそぼそとクアラルンプールやペナンから来るのですが、市内ではすぐに売り切れてしまう始末。こんな状況は来週まで続きそうですが、これはたぶんまだ序盤戦でしょう。

 というのも、東海岸で洪水が発生するのはだいたいクリスマス前後が恒例。12月後半にたいがい発生するのですが、今回は1か月も早い。降水量にも波があるようで、このあと2回ほど大雨に見舞われる可能性が高いとみられます。あと1か月は辛抱しないといけませんが、やはり怖いのが冠水です。

 車は水に浸かると使い物にならなくなるので、さて、どこに駐車するか。今住んでいるところの駐車場は地下なので、ここには停められない。今は路上に駐車していますが、路上でさえもヒヤヒヤしているので、もっと高いところに停めないといけないのですが、どこに停めたら。。。車を失うと通勤もできなくなるので、真剣に場所を探さないといけません。

2014年のコタバルの洪水。スタジアムもやられた。

 さて、クランタン州では毎年洪水が発生していますが、州政府はほとんど無策。先にタイとの国境で密輸や不法の出入国が増えていることから壁を作りたいと州政府は発表しました。洪水対策用でもあって国境沿いに約100キロほどに壁を作りたいのだとしています。

 確かに密輸や不法移民はここから入ってきます。先日も高速バスに乗っていたら、途中で警察の検問があり、バスに乗っていた人が旅券を所持しておらず、違法入国した容疑で連行されていましたが、こういう輩が多いのです。こんなマレーシアの果のコタバルのバスターミナルにミャンマー人やバングラデシュ人をよく見かけますが、彼らは不法にタイから陸路でやってきている。バスターミナルで取り締まればいいと思いますが、それはなぜか警察はしないのです。

 話が逸れましたが、壁が本当に密輸や洪水の対策になるのかはまだわかりません。作ることを本格化させても、すぐにはできないでしょう。100キロもあるので、数年はかかる。ここは川のように時間がゆっくりと流れているので、もしかすると10年後かもしれない。そもそも密輸などが横行するのは川が浅いためで、膝ぐらいまでの深さしかありません。そのため、生きた牛を歩かせて密輸する人もいます。深さを深くすることも水量が増すようになるので必要なのではと思いますが、それはできないのでしょうか。

 いずれにしても、今年の12月のクランタン州はちょっと大変なことになりそうです。

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