クアラルンプールの日本人数は激減
日本の外務省は1月20日に毎年恒例の「海外在留邦人数調査統計」を発表しました。マレーシアに限っていうと、日本人数はどんどん減っているのです。
マレーシアは2020年に3万973人となり、過去最多の日本人在住者数に達しました。ところが、それ以降は激減しています。
新型コロナのパンデミックによって国境が封鎖されたことやあまり外国人を受け入れなかった時期が3年ほどあったとはいえ、その激減数は少し多い気がします。マレーシア全体の日本人数の過去5年の推移は下記のとおりです。
2020年 30,973(+16.0%)
2021年 27,256(ー12.0)
2022年 24,545(-9.9%)
2023年 20,657(ー15.8%)
2024年 20,025(-3.1%)
*括弧内は前年比
もともとマレーシアの日本人数は長年1万人台でした。それがMM2Hが知られるようになったこともあったのと、日本からそれほど距離がなく、英語も比較的通じることからビジネスを展開する人とも近年増えた。そのため、人数が増えて2万人台にまで達したのでした。
この調査では都市別のも発表していますが、2024年のクアラルンプールの日本人数はわずかに8823人で、前年比10.8%の減少です。これまでクアラルンプールは首都でもあったことからマレーシア全体の中でも1万人以上いたのですが、今回は1万人を切ってしまった。2020年のクアラルンプールの日本人数は1万6404人(前年比21.5 %増)だったのをみると、5年で半減したということになります。
日系企業数を見ると、2020年は1237社、2024年は1617社が登録されており、これは増えたということになります。各社1~2人は日本人がいるとしてもクアラルンプールの半減数はこれでは説明ができません。
この調査は在留届を出した人を中心に調査しています。基本的に日本人留学生は在留届は出さないと思うので、昨今増えている日本人留学生はここにはほとんど入っていないとみられます。ということは、この激減してしまった数字というのは要件が厳しくなったMM2Hの人や各企業での日本人駐在員の減少、そして母子留学の激減というのも含まれているのでしょう。
マレーシアという国は日本から片道6時間で来れるので、企業では出張ベースに切り替えているところも多いのかもしれません。以前、出張された人の話を聴いたら、日本を夜に出てこちらに朝到着。その日はミーティングなどをしてその日の夜に日本に帰るということをやってらっしゃった人がいた。今はたぶん法律上これは難しくなりましたが、おそらく1日だけ滞在して帰るというパターンがもしかすると増えているのではないか。オンラインミーティングも充実して駐在する必要性も減ってきているのかもしれません。
海外全体(一部紛争地域を除く)の2024年の日本人在留総数は129万3097人で、前年(129万3565人)とほぼ同数。「長期滞在者」は71万2713人(前年比-6125人(-0.9%))で全体の55.1%を占め、「永住者」は58万384人(前年比+5657人(+1.0%))とのことでした。今年はまたどうなるかわかりませんが、もしかすると全体数も減っていき、マレーシアの数字もまた減るかもしれません。