マレーシアでの運転はスリルです

 マレーシアは車がないとなかなか難しい社会です。クアラルンプール近郊では交通公共機関が発達はしていますが、まだまだ。運行を停止したりすることも多く、結局は車で動いたほうが便利なのです。しかし、マレーシアで運転するのは、なかなかスリルを伴います。

 僕は運転免許をマレーシアで取りました。もう10年以上も前に取ったのですが、100人以上はいた教習所での講習開始時にまずはびっくりしました。

インストラクター:この中ですでに運転している人はいますか?

 その質問自体に「は?」と思ったのですが、何と参加者の3分の1は手を上げました。

インストラクター:お前は何年運転しているんだ?
参加者A:3年ぐらい
インストラクター:お前は?
参加者B:8年ぐらいですかね。

 教習所でもうこの会話の意味がよくわかりませんでしたが、つまりは無免許で運転する輩が多いということなのです。

 教習所ではもちろん交通ルールは習うのですが、運転する人の多くはあまり守りません。

 特にマレーシアで最も多い交通違反は赤信号の無視とスピード違反。ほとんどの二輪車は赤信号でも車が来なければスイスイと行ってしまいます。

 また、直線の道路では猛スピードで走る車は多く、彼らはスピード狂なのでは? 

 首都圏の高速道路では白昼からレースをしている人もいます。たいがい安い車(昔三菱が共同で作った不完全車プロトンの車が多い)2台で猛スピードでレースをしています。非常に危険なので、こういった車が来ると近寄らないようにしています。他の車もいるのにレースなんてと思いますが、彼らの頭の中には「危険」という言葉はありません。運転手たちは麻薬をやっている場合もあり、酩酊して暴走するのでしょう。

 二輪車も同様で、若いマレー人は夜中に高速道路で暴走行為をしますが、警察はこれには頭を痛めています。

 何人も死者は出ているのですが、彼らはそんなことはお構いなし。騒音もすごく、高速道路付近の住民は困っているようですが、まあ、違反行為で死んでしまうのは自業自得でしょう。

 走っていて怖いのがウィンカー。出さないで突然曲がるのは当たり前で、左にウィンカーを出しながら右に曲がるという輩も結構います。特に二輪車が多いのですが、リスクは考えていないようです。

 高速バスの事故も見逃せません。特に夜間から早朝にかけては車も少ないため、運転手は暴走したがります。そのため、事故につながることも多く、死者も毎年多い。道路交通局がターミナルで無作為に検査したりしますが、無免許運転手が発見されたりするのです。これでは事故が起こるはずです。

 全般的に東南アジアでの運転マナーは悪いですが、特にマレーシアは輪をかけたようにひどい気がします。

 マレーシアでの交通事故死亡者数は人口10万人あたり22.76人(2020年世界保健機構調べ)。これは世界ランキングで60位ですが、アジア地域では3位です。国内の死因では毎年三大要因として上がるほど。特に二輪車による死亡者が多いのです。

 自分で安全に運転しても相手側からぶつかって来る場合もあり、なかなか防止は難しいのですが、一番いいのが車や二輪車に乗らないこと。と言ってもなかなか難しいのですが、究極の防止はこれしかなさそうです。

 

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