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MIOびわこ、クラブ名変わったってよ

 「MIOびわこ滋賀」名前が変わっちゃいました。「レイラック滋賀FC」。カラーも変更。緑から水色(と紫)に、琵琶湖は健在のエンブレムにしかしナマズはおらず、馬と王冠。

 「MIOびわこ滋賀」になる前は「MIOびわこ草津」だったし、できた当時は「Mi-Oびわこkusatsu」だった。2006年にクラブを知った時には、何とも変わった名前だなと思ったし読みにくいよなとも。読み方自体も「みお」なのか「みーお」なのか分からない、長い、覚えにくい等々言われたものだ。私としてもアルファベット大文字(時に小文字と-記号)平仮名、漢字が混じり合い、まあまあ書きづらかった。今思うと、どうせなら片仮名も入ってたらオールスターだったなと。

 それでもずっと馴染んでいた。「びわこ」はともかく、滋賀だろうが草津だろうが結局は「みーお」と呼称すれば「MIO」以外の何者でもなく、改名後もついつい「今年のMIOは」などと口走ってしまう。元々「近江」をの読みをひっくり返し、イタリア語かなんかで「みんなの」という意味を持つらしい「MIO」。滋賀県「みんなの」になれたかというと、決してそうではないだろう。むしろ苦難、苦闘、挫折の積み重ねだったかもしれない。観客もそこまで増えるでなし、順位も一桁は3、4回くらいのはず。最高順位は7位の「みんなのびわこ滋賀」だった。

 改名は、記者会見配信を見る限り、筆頭スポンサー交代に伴う運営体制変更によるそうだ。Jを目指して抜本的に体制を変えるにあたり、クラブ名、カラーなどなど一新して巻き返し、の意気込みという。1月中旬にクラブHPで改名が予告されて、2月1日の会見までの間、期待、高揚感と不安が入り交じった日々。会見配信が終わってタブレットの電源を切り、真っ黒なモニターを見つめると、なんだが力が抜けた。「あ、もう『MIO』じゃないんだ、緑じゃないんだ」。クラブがなくなるわけではないのに急に「MIOがなくなちゃった」という喪失感みたいなものがわき出てきた。

 ああ、とこれまで観てきたMIOの試合を思い返しながら、会見映像も脳裏に浮かび上がらせた。いや、前代表はいるし、内林さんもいる。司会は聞き慣れたDJさんの声だ。選手はもちろん名前が変わっても入れ替わりは多いが、それでもこのクラブで続けてくれる選手も少なくない。「MIO」は生きているし、「レイラック」の中に確かに脈打っている。
 
 「みんなの」がどこまで広がったか自信はないけど、2008年からすっとJFL張ってきた。昨季は完全なラッキー残留だったけれども、レギュレーションはレギュレーションや。あの横浜マリノスとも延長に持ち込んだし、今J2でブイブイいわせてるクラブに勝ったこともある(通算は度外視)。W杯決勝Tでプレーした日本代表の元主軸選手を、劇的ゴールで布引の芝に横たわらせたことだってある。J2、J3の選手を生んでもいる。苦難と苦闘と挫折なりに積み重なってきたものは確かにあるのだ。

 新しい代表の方は、前職を退いて就任したという。このクラブをよくしたい、もっとよくしたいという思いなのだろうと察する。「MIO」じゃないけども、MIOが脈打つクラブである。これから積み重ねていく水色と紫は、深い緑のカンバスでこそ映える。「レイラック滋賀」となり湖に君臨する王としてJFLを席巻したい。

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