繋ぐ手紙と未来
二十二歳の私へ 花丸 咲那(卒業文集より)
咲那さんお元気ですか。私はあと2月で小学校を卒業します。私は、お菓子と本が大好きで、しなければならないことを後まわし後まわしにしています。そのくせは直りましたか?そして弁護士になる夢は、どうなりましたか。弁護士になるには、とても大変な試験を受けなければ、ならないそうですね。
今の私は、どうしても弁護士になって、みんなを笑顔にしたくて、沢山勉強をしているつもりです。もし、その試験で今の私がしたことが力になっていればこう栄です。
もし、咲那さんが、苦しくて見たとしても、また、たまたま見たとしても、これから大変なことが沢山あると思います。でも、大丈夫。どんなに、苦しくても、咲那さんが、努力できることは、自分がよく、知っていることでしょう
だから、あきらめず、仲間や家族を大切にしてください。でも、一番に、自分の体に気をつけて。
今の咲那も応えんしています。「大丈夫。咲那ならなんとかできる。なんとかなるよ」ってずっと応えんしています。だから、どんなに苦しくても悲しくても、あなたは一人はありません、いつでもちゃんと十二才の咲那がいます。
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12歳の私へ
こんにちは。卒業文集のお手紙読みました。
お元気そうでなによりです。今の貴方の夢は、弁護士なのですね。貴方は、パティシエールや作詞家、作家など、やってみたいことがたくさんあるそんな子でしたね。
でも、ごめんね。その夢たち23歳までには叶いません。
高校の終わり頃から大学にかけて福祉の道を目指していました。しかし、徐々に精神状態が悪くなり、資格は取れず、何とか就職した職場を休職して入院しています。
きっと、貴方に見せるにはとてつもなく恥ずかしい私になってしまいます。
それでも、自分の歩んできた道が間違いだって確信したことは1度もありません。(思い悩んだことはありますが)
貴方がしてきたその努力、夢見た「好きなことで生きていきたい」「何者かになりたい」その強い心意気、叶えてあげたいと大人になった私は思います。
あなたに手紙を書いてみて、気づいたのですが、
私、貴方のために頑張ればいいんですよね。
情けないことに、私は私のために頑張るのが随分と苦手で、将来も何もかも分からないけれど、
貴方のその応援に恥じない人間になれればいいなと心の底から思います。
有難う。頑張ります。
23歳の私より
未来の私へ
こんにちは。お元気でしょうか。
今私は病院のベットから書き込んでいます。
私は今、新卒で入った会社を休職し、その後どうするかで迷っています。困りました。とても困っています。
貴方はどう決断したのでしょう。到底今の私には分かりかねます。そして、どうしてそう決断したかも分かりません。だから、この手紙では私の、23歳の願いを押し付けようと思っています。
まず、自分に恥じない自分でいてください。
私は先程、小学生だった私に手紙を書きました。
彼女は、キラキラした目でこちらを見ています。残念ながらその思いに、私は答えることができません。だからこそ、未来の貴方が「全部丸くおさまった」と言えるように動いてくれていることを願っています。
次に、健康でいてください。何をするにも体が資本です。幼い頃より、生活リズムが良い方では無いので難しいかもしれませんが、「3食食べて寝て朝日を浴びる」これくらいはできてて欲しいなぁと思います。
最後に、今の私の夢と願い。
何者かじゃなく私であれたらいいね
ということ。
私は未だに何者かになりたい欲が捨てきれないです。誰かを見てはいいなと言って、自分を見て惨めになる。それが体に染み付いているんです。
誰かの人生を歩みたがって、自分の人生は見れないんです。どうか、そんな私を「馬鹿だったなぁ」と笑い飛ばして欲しい。そうなっていたい。と思います。
あんなにキラキラした眼差しで、自分の将来を語った過去の自分に申し訳がなくなってしまうから。
それに、誰かの人生を羨んでいる間は何も残らなくて寂しくなるから。
だから、ここに誓いを立てます。
将来の貴方の役目は、こんな私を笑い飛ばすこと。
私の役目は、私の人生を全うすること。
今すぐには難しい問題だと思います。だから、いつかまた貴方が読み返したくなったその日までに少しでも、私は私の人生を歩んでいますと堂々と胸を張って言えるように、未来に1歩踏み込んでみようと思います。応援しててね。
23歳の私より
私の叶えたい夢は、自分の人生を全うできる人間になることだ。