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コージーパウエルトリビュートライブについて


Cozy Powell Tribute Special Band

僕が最初にコージー・パウエルという人の存在を認識したのはホワイトスネイク1983年モンスターズ・オブ・ロックを収録したビデオテープを近所のロック好きなお兄さんに見せてもらったことがはじまりです。はるか昔の10歳くらいの時だと記憶しています。

身振り手振りが大きく、ツーバスでスピード感あふれるドラマーがブラウン管に現れて、かっこいいのなんの、びっくりしました。

そして、1984年夏、灼熱のスーパーロック84インジャパンの名古屋公演に連れていってもらうことができ、その時トリで出演したのがホワイトスネイクで、もちろんドラマーはコージー・パウエル。席は上の後ろのほうだったけど、そこから見下ろした彼は圧倒的な存在でした。聴いたことのあったホワイトスネイクの曲はもちろん、ドラムソロ(マーズ)に心を奪われ、そしてソロラストに打ち上げられた花火の熱い燃えカスが手元に落ちてきたのを鮮明に覚えています。手に持っていたコンサートパンフレットは手汗でぐちゃぐちゃ、子供の頃のいい想い出です。

これが僕もドラマーとしてやっていこうと決意した一大出来事です。

そして、1990年、僕は高校2年生、三重県の「合歓の郷」で行われたYAMAHAドラマーズキャンプにコージー・パウエルが講師で来る情報を知り両親に頼んで参加させてもらうことになりました。もうその頃はジャズにも興味があったので、ドラマー ピーター・アースキンも講師でいて、細いスティックで、その滑らかで軽やかなドラム裁きにびっくりしたもんです。

で、そんな中、ついにコージー登場!

目の前で叩かれた瞬間、ドラム音の太さとデカさ、パイステシンバルのキラキラして耳に突き刺さるような、うるささに度肝を抜かれました。これも鮮明に覚えています。

Cozy Powell in 1990

その合宿の2日目だったかな、例のコージーへの質疑応答、あのレインボー/スターゲイザーのドラムイントロのリクエストのやつです。知ってる人は知ってますが、その映像も残っていて、見たことあるかもしれませんね。

コージーと質問者の実演のやりとりを目の前で見ていて、司会者(ドラマー・マーティンウェバーさん)が他にやりたい人!?というので、思わず手を上げたら、自分しかいなかった、みたいな後には引けない状況になってしまい、そのままステージに上げられ、コージーにはGOOD LUCK!!と言われ、既にドラムイントロをコピーしてた自分が(コージーの手順とは違ったけど)、本人の目の前で彼のセットで叩いたという話です。でもその後、彼からは、そのキャンプ会場で、気さくに肩を叩いてくれたり、一緒に写真を取ってくれたりとスターゲイザー小僧として僕を認識してくれたみたいです。

1990年三重県『合歓の郷』にて


その後、東京に上京するわけですが、どんどんジャズにのめり込むようになり、無我夢中でジャズに向かっていた頃は正直コージーをまったく聴いてなかった時期もありました。彼が不慮の事故で亡くなった1998年4月も僕は当時渡辺貞夫さんのグループに在籍していた時期なので、その死にはショックはあったものの、あまり記憶に残ってないんです。

現代みたいにネットの情報もないし、そんな状況でした。
コージーフリークからしたら、なんだお前ダメダメやんって怒られそうですね。

で、その後、2000年くらいのYAMAHAのジャズイベントで、ある人から、あの江藤さんですよね?ドラマーズキャンプのコージーの、って声をかけていただいて、あの時の映像残ってますよ!ってビデオテープのコピーを頂きました。

VHSビデオテープ

それを見て嬉しいやら恥ずかしいやら、でも記憶を思い出して目頭が熱くなりました。

そんなこんなで20年以上、時代は変わり、昨年西川口で行われたコージーパウエルイベントに誘っていただきました。コージー大好き人間が集まった夜、とても嬉しかったです。

2024年は自分でコージーパウエルトリビュートをやってみます。

コージーパウエルを完全コピーする話とは違います。それをやるドラマーは世界中いくらでもいると思いますし、そうではありません。

おそらくジャズドラマーだと認識されている僕が今までドラマーとして培ってきた音楽性とコージーのロックスピリットをミックスして、コージーパウエルのソロアルバムの楽曲に取り組みたいと思います。

メンバーは唯一無二のロックギタリスト鬼怒無月、マルコシアスバンプのベーシスト佐藤研二、この二人は僕をロックセッションに担ぎ上げてくれた恩人です。そしてキーボードはキリング・タイム、ヒカシューの才人・清水一登さんにお願いしました。

この強力なミュージシャンと“Cozy Powell Tribute Special Band”やります。

どうぞ聴きにいらしてください。

江藤良人

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