ふきみそ。ささのこ。
北海道の早春旅。
春が来た。今年もエドではなくエゾにて春探し。無性に苦味のあるものが食べたい。これはきっと、冬眠中のクマの記憶が飛び火したのだろう。冬のあいだに溜まった何かの毒だしだ。
タランボの芽、ウド、フキノトウ。天ぷらがいいなあ。そしてお楽しみは蕗味噌。素敵な友人が手作りしてプレゼントしてくれるのが楽しみでならない。董が立ったフキノトウは天ぷらに向かないが、蕗味噌ならばモウマンタイ。
ごはんに乗っけるのは王道。こないだいただいた玄米の焼きおにぎりにつけてほんのり焦がしたのは宝味だった。舌の記憶に残る宝の味。ドレッシングに混ぜたり、パスタソースに加えたり。苦味ばんざい。ほんとうに、オトナになってよかったーと東を向いて大笑い。
もう少ししたらタケノコの季節。とはいえエゾのタケノコは孟宗竹のソレとは違い、ササタケ、ヒメタケ、ササノコと呼ばれる小ぶりサイズ。そのまま煮付けたり天ぷらにしたり。
好物なのは皮付きで焼いて、ふーふー言いながらむいて食べる。これを女性の服を脱がしているようだと例えた紳士がいたけれど、いまだその境地に立ったことはない。たしかに十二単っぽくはあるけれど。情景より食い気が勝るのだろう。