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いちばん大事なお仕事

この職場でのいちばん大事なお仕事はおじさんと楽しそうにお話しを
してあげることです。
おじさんのお気に入りになれば毎日遅刻しても、就業中にずっとおしゃべり
していても、定時を過ぎて時給がupする時間からお仕事を始めても許されるのです。

……冗談です。

いえ、私と同じ部署の女性が毎日遅刻、ずっとおしゃべり、時間内に仕事しないで残業していくのは本当です。

……なぜ、毎日遅刻する!!

”(#`Д´)ノノ┻┻;:'、・゙

彼女の遅刻は2~3分ですが、

毎日よ?

私たち非正規は時給で働いてるよね?

5分前に席について仕事始めてもこの職場の決まりでは
時給に換算されません。
彼女のように遅刻してきても、残業して仕事をすれば
残業手当がつきます。

……賢い……。

しかし、私が彼女と同じことをすれば叱責されます。
終業時間が近付いてくると一日の業務の見直しをするのですが
ある日、仕事に漏れがあったのを見つけました。
翌日、私はお休みだったのでこの仕事をやり終えてから帰ろうと
作業を始めようとしたところ、

”なぜ、帰らない?さっさと上がれ!”
”残業代が目当てで今頃仕事を始めるのか!!”

ひどい言い草ではないでしょうか。
これは私にではなくて彼女に言うべきセリフでは……?

こういうことを言うってことは彼女の遅刻してきて残業するスタイル
に気が付いてますよね?

彼女には注意しないのに私には声を荒げて叱責するんですね。

……カワイイってのは得だな。

彼女の名誉の為に言いますが、彼女は仕事もできます。
仕事も出来て、可愛らしくて、おじさんにも親切です。

だからってあからさまに差別されるのはいい気持ちはしないです。
こんなことはどこにでもあると言われればそうですけど、
ここの職場はあまりにも目に余る。

うなだれながらロッカーで着替えていると他部署の女性から
声を掛けられました。

”ここは依怙贔屓があるから大変でしょう?”

突然のことに驚きながらも私は声を絞り出しました。

”……はい。”

女性は続けて話します。

”私は長くここで働いてるからね、わかるよ。
ここの50代、60代の男性社員は依怙贔屓がすごいの……”

”でも、30代の若い社員さんはそんなことないから、
おじさん社員がいなくなれば、ね!”

すこしですが気持ちが軽くなり私は会社をあとにしました。



50~60代のおっさん社員達は定年後も会社に残るそうだし、
非正規の私たちにも親切であった30代の男性社員は辞めてしまった。

私ももう辞めたい……。



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