人前で盛大にくしゃみをやらかした日。

花粉症はつらいよの話。

花粉が飛んでいますね。
鼻炎薬を飲んでも
牛乳を飲んでも
マスクをつけても
眼鏡をかけても目薬つけても

朝起きてあくびをすると同時に
目と鼻にムズムズっと違和感が訪れる……
それが花粉症の朝でございます。
家族に花粉症もちが自分しかいないとなると
洗濯や布団干しで戦争が起きます。

そんな花粉症もちに苦しいことは
鼻水でも目のかゆさでもなく
くしゃみの堪え方でございます。

グスグス、や痒み、は
比較的、周りにもわかりやすい症状です。
赤く腫れたり鼻を鳴らしたり
花粉症には縁がないけど、あの人つらそう……
そんな風に思われることもしばしば。

市民権を得たと鼻のズビズビを正当化するわけではありませんが、つらいんです……ということをわかってもらえる、これだけでだいぶ肩身の狭さから救われるのです。

にもかかわらず、
そんな花粉症もちが己の立場を危ういものにしてしまいがちなことが
そう、くしゃみ！！！

やつらは鼻のムズムズから助走なく
ノータイムで襲いくるまさに魔の手。
顔をそむけることが精一杯で、
威力を弱めたりましてや我慢しようなどと
思っている間に口から飛び出していくのです。

そうして嵐が過ぎ去ったあとで
周囲を見渡すことができずに
顔を背けたその姿勢のまま
フェードアウトできたらどんなにいいか……ということを夢見るのでございます……。

ああ……わたしが今まで積み上げてきたわずかばかりの社会性が……くしゃみひとつで……くそお……と思わずには……いられないのであります……。FAX花粉。