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社会人が大学に籍を置くメリット。


社会に出たけれど、もういちど学生に。

それには大学の通信課程に属するのがオススメ。
学校に通わずに卒業できたり、
逆に土日や連休に授業を受けに学校に行ったり
学校や学部によってそれぞれ。

「面接授業が○単位以上」って決まってるから
一回も学校に行かずに卒業...なんて昔は無理だったけど
パソコン付属のカメラで自分を写せば
ライブストリーミング授業に出席していることになる
そんなしくみになるのかな。ちょっと不思議な規制緩和。

そのおかげか思ったほど学費も高くなく
飲み代や洋服代の節約程度で行けそうな大学も。
苦学生のイメージだった通信生も
今は生涯教育の面が大きい気がします。

はっきり将来の目的を持った方もいらっしゃいますが
今の仕事に役立つかも...とか、
仕事の周辺を学びたいとか
退職後の学びとして参加する方もいたり。
目的も年齢もバラバラな学生が集うのも楽しいですね。


高校までの授業と異なって
単語や公式を覚えるより
それを使って論理的に思考する
自分の頭で考えることが求められる
そんなふうに感じています。

最初に面食らうのがこの部分ですね。
慣れれば楽しいですが
つまずいてやめちゃう人が多いのもまた事実。


社会人が大学に籍を置くメリットを
おもに経済効果について書いてみます。


まず、目的は大学卒の学歴でしょうか?

そうすると卒業しやすい大学は
放送大学か産業能率大学でしょう。

卒業しやすいというのは
単位が取りやすいということ。
試験が○×の二択問題が多い とか
ノートや教科書まで持込可 とか
どの大学にも楽勝科目はありますが
楽勝科目が比較的多めの大学を選べば良いでしょう。

放送大学って内容すごく良いけど
大学名がいかにも通信って感じ...
そんな理由から
産業能率大学 通信教育課程を選ぶ人も多いようです。 

能率手帳でおなじみ、経営に強い大学です。
スクーリングは楽しくて試験も比較的簡単、単位が取りやすい。
もちろん、すごく難しいコースもあります。

なんといってもここは学費に全部含まれているのが良心的ですね。
他の大学はスクーリング代やテキスト代など
別料金のところが多いんです。
ここは書いてある金額を払うだけで
スクーリングも試験も別途お金はかかりません。
テキストなんて履修科目分まとめてどさっと届きます。
オリジナルテキストだけじゃなく市販本も。
手間がかからず、すぐ勉強に取りかかれるのがいいですね。



卒業するのが第一の目的じゃなく
今の学びに触れてみたい
学んでみたかった科目や大学に興味があるなら。

それなら知名度のある大学はどうでしょう。
いっそ六大学を狙うとか...そう思って
皆さんかならず最初に調べるのが
慶應と早稲田ですね。

慶應はレベル高くて出るのがすごくたいへん。
早稲田は学費がびっくりするくらい高い。
はい終了、もう少し現実的に考えましょう。
日本大学や法政大学あたりは比較的人数も多めです。
近くでスクーリングが行われているかどうかも要チェック。

ちなみに法政大学 通信教育部
スクーリング別で年間学費が8万円。安いです。
気になるスクーリング金額も良心的。
週末地方スクも楽しいし、夜間通うスクもあります。
単位修得試験も各地であって便利です。
なんといっても講師陣の顔ぶれがすごい。

内容も教え方も面白いな〜と思ったら
人気ゼミの先生だったとか大学院担当だったとか
法政大学は学びの質が高く感じられます。
スクーリングの先生の名前を入れて検索すると
研究業績がずらずら出てきますね。

たまにあるんですが
有名な大学の通信課程に入ったら
昼間の先生とは全然別の先生だったとか。
最初から2軍みたいな気分になりますよね。


思いきって芸術系の大学に行ってみたい。
わかるわかるその気持ち!
通信課程を持つ美大も昨今多いんです。

武蔵野美術大学 通信教育課程
新宿駅ホームに目立つ宣伝看板が出てますね。
美大ですから当然スクーリング必須です。
クラスによって先生に味の差があったり
これもまた美大ならではの楽しみ。
今も世界堂のカードをもらえるんでしょうか。
あれは買い物するとき便利でした。
学費もお値段高めですが「ムサビ」ブランドかな。


西日本だと、京都造形芸術大学 通信教育部 
特色は完全通学不要コースがあること。
インターネットで学ぶ通称「手のひら芸大」
お値段も美大の中では比較的安い。
以前からある通信課程は「週末芸大」と呼ばれています。
週末だけじゃ課題できないと思うけど...。

正面階段を登った先の学生食堂は必食。
京野菜を使った料理がおいしい!
観光に京都に行ったついでに学食で食べるとか。
キャンパス内に劇場もあるので普通に入れます。
バスが混むのがやや残念。5系統以外をうまく使って
スクーリングには時間の余裕を見て。
値段はスクーリング料金もしっかり計算しましょう。
秋元康が副学長になって校歌作ってAKBが歌って
なにかと話題の絶えない大学です。



ひとつ注意が必要なのは
卒業時に授与される「学士」の種類。
「そんなの全然気にしない!卒業できたらいいの!」
「卒業カンケーなく、めあての先生の授業を受けたい!」
そんな方は読み飛ばしていただいてかまいません。

たとえば経済なら「学士(経済)」のように
心理なら「学士(心理)」になると思うでしょ?
ところが最近は「学士(学術)」というところもあるんです。
経済や心理を学んでも全部「学術」でおまとめ。
美大なのに「学士(芸術)」ではなく「学士(学術)」
ややこしいのは同じ大学でもコースで違っていたり。

卒業するとき「えっ!?」てならないように
気になる方は卒業時の学位がどうなるのか
調べておくと良いかもしれません。
サイトに書いてあることが多いですし
問い合わせれば教えてくれます。


すでに大卒や短大・専門学校卒の場合は、
2年生や3年生に編入学できる場合があります。
また、一部の大学や学部によっては
英検や秘書検定のような資格を持っていると
編入学のときに互換で単位認定されて
卒業までに必要な単位数が減ることもあります。
正直、1科目(2単位)減るだけでもずいぶん楽になります。
確認してみて下さい。



情報は各大学のサイトや入学説明会に出たりして集めますが
公益社団法人 私立大学通信教育協会が開く合同入学説明会が便利。
ひとつの会場に各大学のブースが並んでいます。
実際の教材を手に取ったり、卒業証書が飾ってあったり
説明パンフレットや入学願書はもちろん
アンケートで粗品がもらえたり、いろいろお得。

そうそう、「お得なんです!」という話でしたね。
ぜひお話ししておきたいことがあります。


科目履修生ではない「本科生」と呼ばれる一般コース。
実は通学する学部学生とまったく同じ身分になります。

ということは、「学割」が使えてしまうんですね。

初めは「いいオトナがそんなもの…」と思っていましたが
おばあさんもおじいさんも堂々と学生証を出してる!
これは使わなければ損です。


昼間の学生と異なる点は「JR学割」くらいですね。
通信生は学事か授業以外ではJR学割が使えません。

でも。

高速バスやフェリーなどは学生証で学割に。
美術館や映画館や劇場も学割に。
美容室やラーメン大盛も学割。
携帯会社も学割…でしたが最近は
「学割(但し25歳以下)」のような年齢制限付きも増えました。


この学割は得したなあ...
自分が感じたのはMacを買ったとき。
当然「学生・教職員向け」価格でMacを買って
ソフトも当然「アカデミック版」を買います。
(美術系の学校には、さらに魅力的な秘密の割引があったりします。)



あと、意外に知られていないお得な話。

所属校が美術館プログラムに加盟していたらラッキー。
常設展ならいつでも何度でも無料。
企画展なら団体料金に割引。
案外知らない人も多いんですよね。
国立美術館キャンパスメンバーズ 

当然この料金も学費に含まれているわけですから
美術館をがんがん利用しないと損でしょう。
加盟校一覧
けっこうたくさんの学校が加盟しています。

美術館に行くヒマがない、近くに美術館が無い...。
そんな方も、ネット通販なら使うことがありますよね。
Amazon Prime Student 

以前は学生の期間中ずっと無料でしたが2017年8月に変更。
「半年間無料に続いて年会費1900円」だそうで
卒業までの期間中、自動更新になるようです。

【2019年4月追記】
「プライム会員特典を通常会員費の半額で利用できる
 学生のためのプログラムです」と書いてあります。
Amazonは急に金額やルールを変えることがあるので
ご自身で最新情報を確認して下さい。


こうして見ていくと、かなり得する感じに思えませんか。

あ、そうそう。

働いていらっしゃる方は「勤労学生控除」が使えます。
所得によっては確定申告で税金が戻るかもしれません。


どうでしょう。
社会人が学生になると、意外においしいんです。
二足のわらじ、都合の良いときだけ学生。

もちろん、学生の本分は勉強ですが
生協で本や雑誌を安く買ったり
大学図書館で勉強したり休憩したり...
(図書館って結構遅くまでやってるんです)

そういったところを「立ちよりどころ」にするだけで
生活にもうひとつ新しい場ができます。

あたらしい顔。

春からいかがですか?


ここに挙げたのは、自分が気になった学校の一部で
私は職員でもなんでもありません。
最新の情報はご自身でご確認ください。

え、わたし?  もちろん今も学生です。

アート、マネジメント、心理…どんどん興味が拡がっちゃって。


こちらの記事は経験を元に書いた体験記で、案件広告や情報提供ではありません。ピックアップした大学、内容、リンク先などは体験当時のもので、情報アップデートなど一切していません。大学に興味を持つ社会人の方にこのようなことを申し上げるのは心苦しいのですが、ネット上の情報を鵜呑みにせず、ご自身で情報を収集して自己責任でご確認ください。お読みいただきありがとうございました。


2022.11 追記 こんな記事も書きました。