「書く習慣」1ヶ月チャレンジ27日目。
本日のテーマ「誰かに言われた大切な言葉」
その1。
40代後半に通っていた空手道場の師範から言われた言葉。
「何か人生に不満でもあるんですか?」
これは、今から17、8年前の話。
当時、古本屋を営む傍ら、ボランティアで読書普及活動をしていました。
その団体の中で、空手の師範と知り合いました。
ものすごく明るい人でした。
この人といるだけで元気になれた。
ある時、うちの店で(古本屋です)彼と雑談をしていて、その当時、ビジネス書ジャンルで活躍中のある作家の話題になりました。
でも、私はその人の本も、その人自身も大嫌いでした。美辞麗句を並べているが、つまるところお金儲けが最優先事項の人でした。(私にはそう見えた)。
その作家のことが、話題になって30秒もしないうちに、私はここぞとばかりにその作家をこき下ろし始めた。
言っている本人は軽く言っているつもりが、つい熱が入ってしまったらしい。
その夢中な姿をみていた空手の師範からポロッと出てきた言葉が
先に書いた
「何か人生に不満でもあるんですか?」
でした。
私は、「えっ!」 となり、言葉に詰まった。
まったく予期せぬ言葉に頭が混乱し、ややうろたえたまま、
「なんでそう思うんですか?」と私。
「いや、さっきから人の悪口や文句ばかり言ってるから、何か自分の人生にご不満があるのかなぁって思って」と遠慮がちに言う空手の師範。
その時は、あまりの私の狼狽する姿をみて、余計なことを言ってしまったと思ったのか、師範も黙ってしまい、話は曖昧のまま消えていきました。
彼が帰ってから一人で考えました。
要するに、自分の人生がうまく行ってない。だから、うまく行っている人が羨ましくて仕方がない。だからこき下ろす。
自分がサイテーな野郎だったことを悟りました。
以来、誰かの悪口を言いそうになったとき、いつもこのシーンを思い出し、
「今自分は、人生に何か不満があるのだろうか?」と問いかける。
その2。
埼玉の普通の主婦で、子ども3人を育て上げ、さらに孫も二人いる方からいただいた言葉の話。これも17、8年前の話。
当時、私は読書普及活動中。彼女も無類の読書家でした。本の話をさせたら私の数倍面白い。
ある時、私と2人で本の紹介イベントを地元埼玉で開催。
その時に彼女がある本を紹介しました。
その話の中でポツリと言った言葉
「体は食べたものでできているんですよ」
(えっ!そうなんだっ!)
私の体にものすごい衝撃が走った。
今ここで読んだ方の中には、えっ、なにそれ、あたりまえじゃん、と思った方もおられると思います。
しかし、当時の私は、食事に対して全く無頓着で、でっぱったお腹を撫でながら、ビールをグビグビ飲み、締めのラーメンを堪能する、そんな生活を送っていた人でした。
この衝撃を忘れないように、その時彼女が紹介してくれた本を、速攻で読んだ。
その本にも衝撃を受け、そのまま、40半ばまで、料理なんてほとんどしてこなかった男が、自分で料理する人になってしまったのでした。
(その後、他の要因もありますが、特別なダイエットもせずに、体重が3年間で16キロ減少、ウエストも10センチ細くなりました)
さらに、うちの家族、母と兄の内臓の改善につながることになりました。
二人とも、長年の便秘などに悩まされていましたが、私の手料理を食べ続けたせいか、今はとても快調なお腹になっているようです。
その3
東京都江戸川区篠崎に、一風変わった本屋があります。
『読書のすすめ』です。
このユニーク店名の店と、超個性的な店主清水克衛氏のファンになって通い始めた20年前の話。
ある飲み会の席のこと。(この当時から毎週のように飲み会がありました)
畳敷の宴席でした。宴たけなわになった頃、シラフだと静かな私、しかし酔ったらヤバイ私。酔った私は、その勢いで彼のすぐ目の前の座布団にドッカと座った。
私が自分の人生を変えた本を、彼の目の前に置き、いかにこの本がすごいかを滔々と語りはじめた。彼はタバコをくゆらし、ウーロンハイを時々飲みながら、ゆったりとした構えで聴いていた。
話が佳境に入ったあたりで、私が前のめりになったその時、彼はこう言った。
「まぁいいじゃないですか、この本の話は」と言いながら、私が熱く語るその本を脇に退けた。
そして「それよりも、未来の話をしませんか?」と、ニヤリと笑いながら言った。
えっ!なんで本を退けるの!
私の目は、退けられた本の表紙を追ったまま固まった。
唖然。
この時の教訓は今でも忘れない。
彼に確認したわけではない。
でも、彼はきっと私にこう言いたかったに違いない
「いい本との出会いは素晴らしいことです。しかし、その本、あるいはその著者にハマり過ぎてはいけません。あなたは今、思考停止になっていませんか? 危ない危ない」と。
この時の教訓は今も生きています。
本を読んで思考停止になるな!
以上でーす。
#書く習慣