NPO・ソーシャルベンチャーへの転職希望者が増加中。求められる人材とは?
※ETIC. Letter 2022年1月26日号より転載
年の初め1月から3月は転職活動が一番さかんになる季節です。『エン転職』の調査によると、「コロナ禍が転職活動を始めるきっかけになった」人は多く、転職理由は、2位の「給与が低い」を僅差で押さえ、「やりがい・達成感を感じないから」が1位でした。
ETIC.でもDRIVEキャリアを通じて、NPOやソーシャルベンチャーへの転職をサポートしており、多くの方のキャリア相談にのっています。
多くの方が、コロナの影響で、社内外含めまわりの人とのコミュニケーションが減り、役割分担や孤立化が進む中で、仕事を通じて人の役に立っている実感が湧きにくいと感じています。その中で、「もっと直接的に社会に貢献したい」と、NPO・ソーシャルベンチャーへの転職を希望する方が増えてきています。
今回は、NPO・ソーシャルベンチャーの求める人材について、お話してみたいと思います。
●課題はリーダー層の不足
この10年でNPOや社会的事業の担い手の経営状況は大きく変わっています。特に事業性は進化した点であり、「団体の成長やその先の社会的インパクトを拡大していくために、しっかり稼ぐ」ことができる団体も多くなってきました。
団体の成長速度が加速する中で、人材の確保が経営課題となっています。事業の成長に人の成長が追い付かない。育てる時間的猶予もない中で、成長を牽引するリーダー人材の獲得が、多くの組織で重要な課題です。
●NPOの欲しい人材は?
社会変革を目指す団体の仕事は、「そもそも世の中に経験者がいない」場合がほとんどです。ただし、要素分解すれば、ビジネス経験の中で培えるスキルの組み合わせです。
採用する団体側からすると、部分的にでも経験が活き、経験のないことも柔軟にチャレンジしながら前に進める力のある人が、共通する「欲しい人材」です。ビジネスセクターとの対比をあえてするなら、生産性・効率よりも、粘り強く試行錯誤し、実行する力がある人材のニーズが高いです。
ソーシャルセクターへの転職を考えたい方は、ぜひ職種や業種に捉われず、得意なことや経験を分解してみてください。例えば、企画営業経験者なら「相手との対話から顕在・潜在ニーズを把握すること」が得意かもしれません。組織はどんな役割の人がほしいのか、自分は何が得意なのかを分解する中で、貢献できるポイントが見えてくるかもしれません。
●「ビジョン・ミッションの共有」が大事。あなたのビジョンは?
よく言われる通り、NPOはビジョンや価値観を共有できる人に来てほしいと思っています。感情的な理由ではなく、その方がエネルギーが湧くので力が発揮されやすく、また人材が定着してくれる可能性が高いからです。
一方、キャリア相談にいらっしゃる人の半数は、関心テーマが特定されていません。具体的なビジョンを明確に持っている人ばかりではないのです。ただ、「願い」や「つくりたい未来」について、なんらかの想いがあることがほとんどです。例えば、「社会システムが最適化されていないことが気になる」「環境・境遇による格差をなくしたい」など。そこに自分が大切にしたいことのヒントが隠れているはずです。分野や社会課題に捉われすぎずに、価値観の重なりのある団体を探していくと相性のよい組織に出会えるかもしれません。
最後に、個人にとっても、組織にとっても、何よりその人が「楽しい!」と感じる仕事や役割に出会えることが一番大切だと思います。それに出会うために、もし何か相談したいことがあれば、ETIC.に声をかけてみてください。
〜ETIC.(エティック)とは〜
30年近くにわたり、企業・行政・NPOの皆さまと協力しながら1800人以上の起業を支援してきました。多様な働き方や地方への移住といった、生き方の選択肢を広げる機会も提供しています。
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※この記事はNPO法人ETIC.が発行するニュースレター「ETIC. Letter」からの転載です。
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