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パレスチナ🇵🇸を代表する料理の一つ「マクルーバ」を東京、茨城、千葉、神奈川で知るための10皿
2023年10月から、ここ数ヶ月パレスチナが連日ニュースになっています。
それにともない多くの人がパレスチナのことを知りたいと言う人も増えたかと思います。でも、まわりを見渡すと思っている以上にパレスチナのことを知らない人が多いんだなあと感じています。パレスチナの講演会やイベントなどは、各地で行われてはいますが、多くの人にとっては「難しい政治の話」と捉えられてしまいハードルは高いのかもしれないです。日本には、欧米のようにアラブ人の移民があまりいないこともあり、興味がないと日本では「気軽に」知る機会がなかなか無いようです。
「それでも、多くの人にパレスチナのことを知ってもらいたい!」
今回は、そんな想いを込めてパレスチナを代表する料理の一つ「マクルーバ」(マクルーベとも言う)を紹介したいと思います。この料理、最後に鍋をひっくり返して完成することから、マクルーバ(アラビア語でひっくり返すの意味)と呼ばれています。
この料理は、パレスチナやアラブの国々のことに興味がないと中々出会えない料理です。というのも、中東系の店でも、この料理が特別なメニューでないと出会う機会が少ないからです。
My mother made Maqloube today. We were all so excited to see the results. It’s turned out perfect. pic.twitter.com/yHvjxlmtbQ
— MoTaz (@azaizamotaz9) November 28, 2023
こちらは、パレスチナのガザで写真家をされている方のXのポスト。母親がマクルーバを作ってくれた時のものです。ご覧のように、鍋をひっくり返して盛り上がっているのが見てとれます。私は、2008年にパレスチナで一度しか食べたことがないのですが、みんなでワイワイ盛り上がって楽しかったのを覚えています。
「こんな特別感のある料理、日本で食べられるの?」と思うかもしれませんが、交渉すれば作ってくれる店もありますし、コース料理で提供する店もあります。今回は、カフェバグダッドさんと一緒に、毎回4人以上のメンバーを集め、10店舗でマクルーバを作っていただきました。皆さんも、この料理を食べて、パレスチナ🇵🇸の出来事に想いを巡らせて欲しいなと願っています。
①アッザハラー アラビアンレストラン(新宿区中井)
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第一回目に行ったのは、こちらの店。中井にあった「シュクラン中井」というアラブ料理の店を居抜きで使い、新しいコンセプトのもと2023年8月にオープンした店です。マクルーバの予約は、カフェバグダッドさんが交渉してくださいました。
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店に入るとパレスチナ人のオーナーさんが、尊敬する方の写真が多数、壁にかけてありました。他にもクルアーンやパレスチナの地図の置き物、向こうで使われている食器などが飾られています。
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その壁の逆側には、大きなパレスチナの国旗が飾られており、今回パレスチナを代表する料理「マクルーバ」を食べるにはもってこいの店でした。
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店は、地中海料理を名乗っております。メニューを見るとパレスチナだけでなく、広くアラブ料理を紹介したいという想いが伝わってきます。
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マクルーバ以外にも、フムスやババガヌッシュなど、パレスチナで食べられている王道なメゼ(前菜)も頼みました。どれも美味!しかも私たちがパレスチナにこだわってきてくれたと知り、仕込んでいたものでなく、その場で新しい野菜を使って作ってくれました。そのフレッシュさのせいか、ババガヌッシュなどは、今までに食べたことのない美味しさでした。
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そして、こちらが記念すべき1皿目となるマクルーバです。5人で来たので、これで5人前となります。結構なボリュームです。
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具材を見ると、胡桃やアーモンドなどのナッツ系がふんだんに使われ、野菜も茄子とジャガイモが一緒に炊き込まれており、そのシミシミ具合が最高!羊肉も柔らかでもちろん美味しいのですが、野菜が特に美味しかったので物凄く印象に残りました。
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また、スパイスの使い方がうまい!
辛さはなく、ほんのりシナモンを始めとした、いくつかの味わいを感じるのですが、何を使っているか分かりませんでした。色々と試して導き出したものだそうなので、いくつかのスパイスを組み合わせたもののようです。
なんとも上品な味わいながらも、異国を感じさせる複雑な味わいでした。カプサやマンディといった湾岸諸国の料理や、ビリヤニやプラオなど南アジアや中央アジアのご飯物とは、一線を画すスパイス感ある味わいの1皿です。
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今回は、マクルーバの値段を一人辺り1800円で会計していただきました。(他の料理はアラカルトで注文)まだ、値段は確定していませんが、今後メニューに入れる時は、その前後の料金で提供したいとのことです。
また、お値段それなりですが、アラカルトのデザート「クナーファ」(下の写真)も、この店のものは素晴らしいですので、是非!
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②パレスチナ料理ビサン(北区十条)
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さて、東京でパレスチナ料理と言えば、この店を外せません。東京で唯一「パレスチナ料理店」を名乗るビサンです。
以前もこちらで、1皿目に紹介しています。私個人としては、もう10数年来のお付き合いです。
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私の家は、十条から歩いていける距離なので、この店に行く時は、大体一人の時が多いので、アラカルトで1、2品くらいで頼むことが多いです。なので、この日は、4人でコース料理ということもあり、久々に鮮やかな中東のメゼ(料理の前に出てくるペーストやサラダなどの前菜)がズラリと並び、嬉しい限り。
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どれも美味しいのですが、やはり筆頭は、こちらのホンモス(フムス)です。写真からも分かると思いますが、この店のものはクリーミーで、私好みの作り!パレスチナに訪れた時もこのタイプのものに多く出会っているので、これこそ王道のホンモス(フムス)ではないかと個人的に思ってます。
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店の中には、さまざまな装飾がされていますが、パレスチナ料理店として多くのパレスチナ関連の雑貨や写真などが飾られています。アラファト議長の肖像画を飾っている料理店は、日本ではここだけなのでは?
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さて、マクルーバです!1皿目の店では、まだメニューにもない料理だったこともあり、テーブルでひっくり返しを見ることが出来ませんでしたが、今回初めての「ひっくり返し(マクルーバ)」です。実際に、テーブルにくるまでは、鍋が上を向いていますが…
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テーブルの上でひっくり返してくれました!嬉しい!
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じゃああん!お米は、どうやら日本米のようです。実際、現地で食べた人の話を聞くと、短粒米で作ることもあると言われました。でも、それだけでなく、このマクルーバのビジュアルなんか物足りない雰囲気?
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と思ったら、店長のスドゥキさんがやってきました。マクルーバは、まだ完成ではなかったのです。これは、最後の仕上げをしている様子です。とても嬉しそう!料理好きなのが見てとれる笑顔です。
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そう!物足りなさの理由は、ナッツ類や葉物がなかったからでした。これは、揚げたアーモンドなどをかけている様子です。
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見てください、この完成された美しさ!惚れ惚れします!
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今回は鶏です。柔らかな鶏と野菜のダシがきっちり染み込んでおり、スパイスはほとんど感じない程度だったので、まるで日本の炊き込みご飯のようでした。ナスやじゃがいもは、1皿目同様しっかり主張していて良い感じです。
あと、こちらの特徴で言えば、4人前のはずなのに明らかに量が多いです!ご飯の量が半端なく、6人くらいでちょうど良い分量だった気がします。実際、食べ切ることが出来ず、2人分お土産でお持ち帰りしました。
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ご飯と共にボリューム満点なのが、鶏肉!これがすごい大きさで入っています。1羽分入っていた気がします。切って分けるのが大変でした。
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最後の〆には、チキンカシューナッツカレーをサービスしてくれました。これは、ビサンで昔からある定番メニューの一つ。
マクルーバは四人以上の家庭料理コースで、他に料理や前菜、サラダスープ付けで¥5500だそうです。 最後にデザートもつきます。(今回は、6500円でコースを作って欲しいとお願いしたので、写真にある前菜は種類多めではないかと思います)
③レッツイート!(茨城県坂東市)
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なぜ今回、10回もマクルーバを食べることになったのか?もちろんパレスチナの食文化を知って欲しいという想いで始めたことではありますが、そこに至るきっかけがありました。それは、我らが師匠であるアジアハンター小林さんが、この茨城にある店でマクルーバ会を開いていたからなのです。
サウジ勤務経験のあるタリクシェフにアラブ料理とパキスタン料理をリクエスト。前菜の鷄やビーフを使ったメゼ、フムスetcで幻惑された後はメインのマクルーバが。裏返した鍋底を木槌でコンコン叩いて客前でご開帳。マトンだけでなくキノコや野菜など具だくさんが米をまろやかに包み込む。 pic.twitter.com/MY1dmjQN6S
— アジアハンター小林『日本のインド・ネパール料理店』阿佐ヶ谷書院より2月24日刊行 (@AsiaHunter_com) November 26, 2023
このツイートを見て、これは是非とも食べてみたいと思ったのです!その後、折角ならこの料理を色々な人に知ってもらって、パレスチナの方がどんな料理を食べているか知ってほしいという想いが込み上がってきたのです。それが、このマクルーバ10皿をやってみようと思ったきっかけです。
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さて、こちらの店、タリクさんというシェフを推しにしております。というのも、こちらのシェフは、サウジアラビアを含めた世界各国で料理の腕を磨いてきたからです。店の店頭には、このように堂々とした肖像画が飾られていました。
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前菜は、こんな感じです。真ん中のリンゴの入ったサングリアのようなものは「サウジシャンパン」と言われているサウジアラビアで飲まれている人気のノンアルドリンク。サウジで飲んでみたいと思っていたものが、茨城で飲めると皆大喜び!さすが、サウジ経験のあるシェフ。他にも中東料理の定番であるホンモス(フムス)やナスのペースト、おつまみっぽい肉を焼いたものなども出てきます。
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前菜は、近くで見るとこんな感じです。
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サウジシャンパンは、こんな感じ。かなりクオリティ高い飲み物だなと思いました。話には、聞いていたものの実物を飲んだのは初めて!
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そんなこんなで盛り上がっているうちに、タリクシェフ自らマクルーバ10人前を持ってきます。ひっくり返しは、すでにキッチンで行われ盛り付けされたものを持ってきてくれました。鍋の周りに飾られているのは、タンドリーチキン。肉は選べるのですが、今回はミックス。そしたら炊き込みご飯の中に羊が入り、周りにチキンを和えて食べるという形式になったみたいです。
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テーブルに置くと、このような肉叩きハンマーをキッチンから持ってきて、満遍なくたたきます。
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叩きます!この叩く時間は、おそらく他の追随を許さないくらい長く叩いておりました。流石にこのボリュームなので、慎重にやってくれていたのでしょう。(その後、最長の叩きは10皿目となりました!そちらも見てね)
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どどどどど!!凄まじい量が出てきました。これは、他のマクルーバには、なかった光景です。基本、それなりに水や油が効いているので、形が固まったまま出てくる時が多いのですが、この店のご飯はパラっパラでした。
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明らかに10人前を越えている分量です。チキンも雪崩のようにご飯と交わり具沢山の見た目に変化!素晴らしいです!
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過去2回とは、また違った味わいです。パキスタンの定番料理「プラウ」や「ビリヤニ」と同じバスマティライスを使っています。味付けもそちらの料理にちょっと似ています。マトンプラウに近い味付けですが、微妙にスパイスが少なめのあっさり味。
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パキスタンのご飯ものと大きく違うのは、中に色々な具材が入っていること。なんだこれは!と食べてみるとナスに衣をつけて揚げたものだった。他にもジャガイモを揚げたものが入っていました。これら野菜は、基本的にマクルーバでは定番の野菜なのですが、パキスタンの感覚からすると、野菜そのままの素揚げだと抵抗感があったのかもしれないです。
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他にも鶏肉と野菜のカレー。
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パキスタン料理の定番「ニハリ」など、これでもかという分量の料理が、テーブルにぎっしり!
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この無難な感じの揚げ魚が、いつものパキスタン風の揚げ方と違い、日本の揚げ物のように衣が塗されていました。これに、前菜に出てきたババガヌーシュの相性が最高!ババガヌーシュは、中東定番のナスのペーストですが、かなりアレンジされた別物となっていて、ちょっと不満でした。しかし、この魚と一緒に食べた時、一気にその不満はなくなり、その美味しさに驚かされました。
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正直、パレスチナで食べるマクルーバからは、ちょっと離れたような炊き込みご飯ではありましたが、みんなでワイワイ食べる楽しさと喜びは、最高レベル!そして、何よりどれもとても美味しいんだから言うことないです!
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そのあとも、このようなデザートが丼とハンディ(パキスタンの鍋のような入れ物)にそれぞれ出てきた上に、チャイまでついて、なんと1人4500円という価格破壊プライス!
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ちなみに、マクルーバは3〜4人前は残り、さらにカレーもそこそこ、デザートはかなりの量が残りました。とてもじゃないですが、食べ切れる量ではありませんでした。そんなパーティ気分を味わうためにわざわざ坂東市まで車を走らせる価値がある名店です。
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④アブイサーム(新宿区神楽坂)
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続いては、神楽坂にあるアラブ料理店のアブイサームです。
こちら上記のリンク先には、オープン当初の頃の店のホンモス(フムス)やバクラヴァについて書いています。以来、店のオーナーであるイブラヒムさんは、私のことを覚えていてくれていて「久しぶりね!」と声をかけてくれます。中々、神楽坂に行く機会がないということもあり、疎遠になっていたにも関わらず、ありがたいことです。
さてこの店、美味しいのはもちろんのこと、値段もお手頃なのです!先にアップしたnoteにも書いてありますが、この店はアラブ料理を知ってもらいたいという気持ちから開店したそうなので、値段を出来るだけ安くしているのです。私が知る限りアラブ料理では、東京随一の安さと言えます。しかも、素材にもすごくこだわっているので、味も素晴らしいのです!
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今回は、マクルーバのコース料理を注文しました。メニューを見ると3日前に予約すればやってくれるとのこと。まずは、このような前菜プレートが出てきます。パレスチナで定番のファラフェル、ホンモス、ババガヌーシュなどが出てきました。ご主人は、エジプト出身なので、ファラフェルは実際のところターメイヤというそら豆ヴァージョンになります。
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そして、イブラヒムさん自らマクルーバを持ってきて、ひっくり返します。
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ひっくり返しましたよっと!
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パカっとあけて、葉ものなどをパラパラかけて出来上がりです。今回は8人で行きました。それにしては、なんか少ないです。。。
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ところがどっこい!
なんと8人でこの大きさのマクルーバが3つも出てきました!今回は、大食漢が多かったので、なんとか完食!
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羊肉、鶏肉、にんじん、ジャガイモなどがぎっしり入っています。ナス薄切りが上に張り付いて良い感じです。
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味つけは、スパイス控えめですが、ビサンよりは、ほんのり効いてる感じです。同じく日本の米を使用しています。
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この店で特筆すべきは、こちらの大蒜ミントのヨーグルトソース。大蒜が旨味をめちゃ増殖させています!中東のケバブ屋などで、店によっては出てくるソース。肉にかけると抜群の美味しさを発揮します。ただ、これをかけると、もともと優しい味わいのマクルーバ自体が、このソースに持っていかれます。私は、ソースをかけたり、かけなかったりしながら楽しませていただきました。
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食後は、ターキッシュコーヒーのミルク入り。ヨルダン産のスパイスが効いたコーヒーで、淹れ方が本当にうまい!煮出し用の器具ごと提供してくれるので、2杯近く飲めるのも嬉しい限り。東京のコーヒーでどこが一番好きと聞かれたら「この店!」と答えるほど、個人的に好きなコーヒーなのです。
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デザートは、ミルクプリンのムハラビーヤ。ナッツ系が色々入ってます。
以上すべて含めて1人3500円(税別)!間違いなく都内最安値で食べられるマクルーバだと思います。満足度高くオススメです。
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⑤アルミーナ(千代田区神田)
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さて、パレスチナ料理店で、忘れてはいけないのがこちらのアルミーナです。「地中海レストラン」と書かれているのは、分かりやすくするためで、実際は、パレスチナ人オーナーシェフによる絶品のパレスチナ料理が楽しめる店です。ビサンが家庭的な雰囲気なのに対し、こちらはちょっと凝った感じのレストランとでも言いましょうか?こちらも開店当初からお世話になっており、私の大好きな店の一つなのです。
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まずはメゼ(前菜)です。ここまで食べてきて、やはり先に上げた2つのパレスチナ人の店と同じような構成で出てきます。
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ファトゥーシュと呼ばれる揚げパンを刻んでふりかけたサラダ。
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そして、大好きなペーストの数々。
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ここのホンモス(フムス)も、ビサンに負けず劣らず甲乙つけがたい美味しさです。私は、このクリーミーでシンプルな味付けのものが大好きで、これを食べるとパレスチナで過ごした日々を思い出します。
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さて、メインディッシュです。今回は、10人分が1つのボウルに入っているにも関わらず、オーナーシェフのShadiさん自ら、ひっくり返しを披露してくれました。
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めっちゃ重そうです!この表情は、他の店で今までみたことなかったです。それだけズッシリなんでしょう。(9皿目はさらにすごいですw)
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無事テーブルに着地!
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パカっと開けると、なんかシンプル。。。
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と思ったら、ナスが張り付いてました。(笑)
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そこからフライドオニオン、柘榴、2種類のアルミーナ特製ソース、ディルをマクルーバの上にまぶします。
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色の鮮やかさや見た目が、とても素敵なマクルーバの完成です!
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ディルや柘榴は、この店が初めて。見た目の美しさは、この店が一番な気がします!
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こちらのヨーグルトソースもディルが入っていました。
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間違いない味です。ここ数軒の店に比べて、スパイスがそれなりに感じる作りです。特にシナモン。1軒目のアッザハラーアラビアンレストランと同じくバスマティライスを使っており、味付けも近いものがありますが、もう少しご飯がしっとりしています。私的にかなり好みの味です。
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10人で丁度良い量。完食しました!
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マクルーバは4人以上で前菜、デザートと紅茶もついてきて¥5500(税抜き)です。神田というアクセスの良い場所なので、パレスチナ料理初心者にもオススメです。
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また実は、1人前もあります。こちらも美しさはピカイチ!多分、マクルーバを予約無しで一人で食べられるのは、この店だけかと思います。でも、やはり同じ店でも10人前で食べた方が、もっと出汁やスパイスが絶妙に効いていて美味しかったです。
店の入り口には、NO WARのサインや、ヘブロンにある有名なモスクの置物なども飾ってありました。珍しいエリコのデーツも販売しています。パレスチナのことを深く知る上でも、良いお店だと思います。
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⑥ミナレストラン(千葉県柏市)
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千葉県柏市に増尾という駅があります。そこから徒歩8分ほどの住宅街の中にこの店はあります。ここは、インドのムスリムの方が経営している店です。2階には、ハラールの食材店があります。
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店に入ると、このようにバクラヴァが並んでいたり、
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南アジアの甘ーいお菓子が並んでいたりします。
ここは、こうしたデザートに力を入れており、予約をしないと夕食などは、提供していない店なのです。
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こちらは、店のオーナーの方。シェフも含めて数人のインドのコルカタ出身の方々が料理やデザートを作っています。しかし、以前訪れた時にどんな料理が食べられるのか聞いたところ、インドやベンガル料理だけでなく、中東の料理なども得意なんですよとアピールされていました。というわけで、今回マクルーバをお願いしたら…
「全然できますよ〜!」
と二つ返事でオッケーしてくれたのです。ちなみに店には、食事のメニューもありますが、そこには載っていないので、特別にお願いした形です。
以前、来た時は、シリア出身のシェフもいると聞いていたので、その方が作るかと思いきや、今は帰っているのだとか。変わりに料理を作るメインシェフは、ドバイやバーレーンで料理人だったコルカタ出身の方でした。
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まずは、サラダ。いつものインド料理に出てくるサラダよりあっさりした味付けです。アラブ料理を意識してくれてます。
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続いてホンモス(フムス)。もうこちらは、どの店でも定番ですね。ただ、本場のアラブの味からは、やはり少し違いましたが及第点です。胡麻ペースト(タヒーニ)がちょっと少なかったかもしれません。
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チキンは、シシ・タウークという串焼き。これがメチャクチャ美味!
かなりマリネされていたらしく、柔らかくてスパイシーな味付けが絶妙!よくパキスタン人たちのBBQパーティなどで出てくるやつそっくりなのですが、店の方達に聞くと味付けがアラブ式だという。何が違うのかと聞いたら、スパイスが少ないのだそうです。言われてみれば、確かにほんのり少ない!なるほどなのです!
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こちらは、かなりパキスタン・インドの味から離れました。ようは、ダールなのですが、味付けがかなりあっさり。南アジアの人が食べたら薄いとか言われそうなのですが、ディルなど中東のテイストが入っていて、日本人には、かなり好まれる味つけだと思います。
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そして、いよいよマクルーバの登場です。大量に作ってくれていたのでひっくり返しは、難しかった模様。
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あと、手持ちがついてるので、ひっくり返しが出来ないという根本的な問題がありました。しかし、すごい量です。作り過ぎです。
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具材もふんだんに使われており、米の量の方が少ないんじゃないかと思われるくらいでした。羊肉もそこかしこに混ざっていました。野菜はナス、じゃがいも、ブロッコリーなど、定番のものが入っています。
おそらく今回10皿食べた中でも、ダントツの大きさと分量と具材の多さ!8人で予約したのですが、明らかに量が多すぎ!
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こんな感じで盛ってくださいましたが、なくなるとワンコそばのように、同じ量が盛られました。ようは、ほぼ食べ放題でした。(笑)
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これだけの具材が入った炊き込みご飯です。肝心のお味も間違いない美味しさです。スパイス具合は、やはり控え目。3皿目のレッツイートのマクルーバよりは、ほんのり効いている感じです。
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面白かった料理がこちら!「サルーナ」という肉入りスープです。
こちらは、実際湾岸諸国で食べられている料理らしく、私は初めて食べました。味わいとしては、野菜と肉がたっぷりのトマトシチューという感じで、見た目通りの味わいと美味しさでした。これは、南アジアのスパイスを使った料理からは、かなりかけ離れた味付け。湾岸で培ったシェフの技量を見せてくれた一品でした。
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そして、この料理の立ち位置が面白いのは、これをマクルーバにかけて食べてくださいと言うのです。他、ほぼすべての店がヨーグルトやライタのような乳製品の汁をかけて食べるのに対し、ここでは、トマトシチュー、しかも具沢山のスープです。うーん、美味しいけど、お腹に溜まる溜まる!肉だらけです!とにかく大迫力の大宴会でした。
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最後にミントティーと。。。
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ミナレストラン名物のバクラヴァです。この店の作り方は、トルコやアラブとは、また違った味付けで甘さ控え目。これはこれでとても美味しいので、ここに来たら是非、試していただきたい1品です。
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最後にずっと気になっていた暖房の上の汁。
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何か聞いたら、クミンを煮出したもので、店の人たちが飲むためのものだとか。「味見して良い?」といただいた所、これがなんとも腹パン状態の私たちのお腹に優しい!大人気になってしまい、店の人の分も沢山飲んでしまいました。とにかく、この店の方達、優しくてフレンドリー!
今回は、予約の際、マクルーバと前菜などで、一人辺り3000円と店の人に言われたのですが、今年最後のマクルーバ会ということで4000円で豪華にしてくれと見繕ってもらいました。そうしたら、この歓待ぶり!今度は、イラン料理のコースをやってもらおうかと思います。
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⑦ビブロス(港区浜松町)
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新年初の7皿目のマクルーバです。
浜松町にあるアラブ料理の名店「ビブロス」。一連のXのポストなどで、フォロワーの方など、周りでマクルーバに興味を持つ人が増えていったので、今回はなんと12人まで膨れ上がりました。
オーナーシェフは、レバノン出身で、日本のアラブ各国大使館でシェフをつとめた方なので間違いない美味しさの店!
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まずは、お約束の前菜の数々。ファットゥーシュは、カリカリパンの入った食感楽しいサラダ。やはりアラブ料理の定番。
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その他にホンモス(フムス)、ラバネ、ババガヌーシュの3種を注文。この店は、コースではなくアラカルトでこのように注文しました。ホンモスは、私の好みの味で、ひよこ豆とタヒーニのバランスが抜群の滑らかどっしりバージョン。他の2種類のメゼも、私が求める味で大満足。
ちょっと前菜は、少なめに注文です。というのも、いつもマクルーバは、量が多いので、少ないくらいが丁度良いからです。6皿目がすごっかったので、今年になってやっと学びました。(笑)
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そして、出てきました!残念ながら、この店ではひっくり返しのパフォーマンスはできないとのこと。その代わり、見た目の豪華な、なかなかの大きさのマクルーバが出てきました。だけど、12人分には足りなさそう…
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と思ったら…
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なんと同じ大きさの物が3皿分!写真を見ていただくと分かりますが、容れ物のお皿が3種類違うのが分かります。この1皿で4人分ということです。これを4当分した大きさを想像してみてください…
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切り崩すとこの通り!いや、かなりの太っ腹な分量です。ご飯は日本米ですが、結構パラっとした出来です。
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表面には牛ひき肉が。その下には、スライスしたナスが覆っていました。
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米の中には、このような羊のほぐし肉が入っています。なかなかの豪華な具沢山。ご飯のスパイス感は、ほどよい優しい感じで、肉の味付けがかなり美味しく出来上がった上に、牛肉そぼろやナッツもたっぷりなので、かなり高級な印象を受けました。
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マクルーバでお腹がいっぱいになり、私とカフェバグダッドさんは、デザートを断念。上の写真は、他の参加者が頼んだアラブ菓子です。
今回のマクルーバは、6人で1万円。一人前2000円を切るので、かなりお得感があります。大食漢の方のテーブルは、4人前を食べ切っていましたが、他の2つのテーブルは、それなりに余りました。もちろんすべてお持ち帰りです。ビブロスのアラカルトメニューの値段を考えると、数人集まってこれを予約すれば、かなりなお得な感じのするマクルーバでした。
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⑧アルアイン(神奈川県横浜市)
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8店目は、神奈川県の超老舗アラブ料理の店です。創業1995年から30年近く、横浜でアラブ料理を作り続けている店「アルアイン」です。
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店舗には、様々なレバノンやアラブのグッズが、所狭しと飾られています。
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ここも、マクルーバ以外の料理は、アラカルト。前菜は、いつものホンモス(フムス)と、ナスとタヒーニを使ったムタッバル。ここのホンモスは、酸味がかなり効いているバージョン。私が、米国のレバノン料理で食べると大体酸味の強いものが出てきていたので、懐かしい味わい。
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他にムタッバルやパセリをふんだんに使うタッブーレサラダを注文。どれも王道なアラブの味わい。老舗として続いている店の料理というのは、間違いないものです。
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ファラフェルも注文。1皿4個だったので、8人で2皿で丁度良いです。
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そして、いよいよオーナーシェフのジヤードさんが、マクルーバを予めひっくり返された状態で持ってきました。ジヤードさんは、レバノン出身。彼にとってもマクルーバは、ふるさとの味なのだそうです。
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メニューを注文する時などは、ずっと笑顔で冗談混じりに語りかけてくれていジヤードさんですが、鍋をあげる時だけは、真剣な表情でアラビア語で「1、2、3…」と言いながら、真剣に鍋をゆっくりと上げていきました。
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ゆっくりとご飯が、見えてくる様子は、いつ見てもスリリング!
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出てきたのは、何やら見慣れぬ野菜。これ、日本ではあまり食べることのないカリフラワーの茎なのです。少しすると水気の残るバスマティ米が、ゆっくりと崩れていきます。
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具材は、カリフラワー、茄子、ジャガイモ、人参と、茎以外は、マクルーバの定番野菜がふんだんに入っています。
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見てください!具材ゴロゴロです!羊肉もかなりじっくり煮込んで作っているとのことで、野菜と羊の味わいがしっかり染み込んでいました。羊肉の味わいでは、ここが間違いなく抜きん出ています。
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味変ヨーグルト。やっぱりこれがあると嬉しい!
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ただ、この店のマクルーバは、具材がしっかりということと、スパイスのほどよい感で、ヨーグルト無しでもほとんど飽きずに食べられました。
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最後は「クナーファ・ナブルシーヤ」というパレスチナ🇵🇸の街ナブルス風のクナーファ。出来立てで、しかも大勢いないと食べられない小型のホールケーキぐらいの大きさ。シロップは、すでにほんのりかかっていますが、さらにそこにシロップを好みでかけて食べます。
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シロップを追加でかけないと、かなりあっさり目で甘いもの好きには、物足りないくらいかも。現地も含めて、私にとって今まで食べたクナーファの中で間違いなくベスト1の美味しさで感動しました。5000円もしましたが、これは価値ある逸品!
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マクルーバの量は、8人でなんとかギリギリ食べ切ったくらいでした。やはり、水気があるとバスマティとは言え、かなり腹に溜まりますね。
ちなみに、マクルーバは、ここでは特別料理。予約すればやってくれますが、メニューには載っていません。8人分のレシートを確認したところ、マクルーバのお値段は、1人あたり2180円(税別)で計算されていました。このクオリティでこの値段は、かなりお得だと思います。
⑨パルミラ(豊島区池袋)
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いよいよ残すところ後2軒。さすがに、9軒目ともなると店が限られてきていて、色々調べた結果、最後の2軒は、このパルミラと10軒目となるミシュミシュということになりました。6人で参戦!
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池袋のパルミラは、かつて広尾にあるゼノビアのオーナーがこの名前でオープンした店です。前のオーナーの方の時に来て以来なので、10年くらいぶりです。現在は、店を居抜きで引き継いだレバノン出身のオーナーシェフのアメタ・スレイマン(雨田須理万)さんがやっています。
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もう同じみのファットーシュサラダ。
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同じくファラフェル!この店は、タヒーニに酸味を効かしていたのが、独特の味わいで面白かったです。
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ホンモス(フムス)、ムタッバル、そして中東風のピクルス。ピクルスが出てくるのは、珍しいです。赤カブが中東で食べたものと同じ味付けで、中東気分を味合わせていただきました。
あと、ホンモスが、この店は、タヒーニ多めのネットリ系で中々贅沢な作りです。ボリュームもそれなりにあって満足です!
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自家製のアラブのパン「ホブス」が「ほかほか」「ふかふか」で抜群の美味しさ!この店で作ったのでしょう。今まででベストなホブスでした。
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さて、主役の登場です。隣の空いているテーブルを使って、ひっくり返してくれるとのこと。皆、起立して撮影準備。ショータイムです!
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どどん!
なんと20合の炊飯器で炊き上げてありました。ご飯が、その20合の水位まであがってきております。茄子は、鍋底に敷いて炊く場合が多いですが、ここでは、上に敷いてありました。
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オーナーシェフのスレイマンさんが、巨大な皿を被せて、2人がかり!
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せえのっ!
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これらは、動画の切り抜きショットですが、途中結構、この真横の状態があったので、失敗するんじゃないかとヒヤヒヤしました。
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無事、ひっくり返りました。
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見てください!20合です。
昨夜は最もドラマティックなほど、巨大なマクルーバ(ひっくり返すの意味)を池袋のアラビア料理パルミラでいただきました。これで6人前😆半分くらい食べてあとは持ち帰りました。今日のランチはマクルーバの大盛りです😋 pic.twitter.com/ZI2UngXEDr
— Hiro Kay(比呂啓) (@hirokay) January 18, 2024
この日のマクルーバを動画で上げた所、久々に1000👍越えでバズりました。動画で見たい方、上記Xのポストを見てください。
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出てきたマクルーバが、また迫力ものです!具材が大胆!本当にこれで6人分なのか?!すごい量です!
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上から見ると、底に敷いてあるのは、大きなジャガイモの輪切り。ご飯は、日本米で水気と油がしっかりしているので、鍋を上げても形がそこまで崩れませんでした。
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さて、そのマクルーバの上に最後の仕上げです。
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牛肉のそぼろを上面いっぱいに敷詰め、
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その上にアーモンドとカシューナッツを炒めたものを、これでもかというくらい載せます。他の店では、切ったり、小さくしたりしていますが、ここは、そのままの大きさです!
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最後に食べやすく崩して出来上がり!何度も言いますが、炊飯器の20合の目盛りいっぱいのご飯です。6人で食べ切れるわけがない!
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味変ヨーグルトソースです。とても優しい味わい。
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毎回、日本の米で食べると日本の炊き込みご飯感を感じるのですが、この店のものは、ナッツの食感とシナモンと、アップルパイのような甘い香りが織り混ざり、とても不思議な体験です。かと言って味が甘いわけではなく、油と塩気の味が、中央アジアのプロフを感じさせます。かなり美味しい!
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中を見るとこのようなキューブ状の食べやすい牛肉がふんだんに入っていました。
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これくらいの量を、頑張って4、5回はおかわりしたのですが…
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こんだけ残りました。(笑)
もちろん残りは、6人とも1人1食分くらい持ち帰りました。私は2食分持ち帰り(笑)。それでも、じゃがいもがいくつか残ってしまったという… 今回食べたすべてのマクルーバの中で、一番お持ち帰り量が多かったです。
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デザートは、クナーファ。こちらも8皿目のアルアインさんと同じくらいの大きさです。生地がビスケット状なのが大きな違い。あとふんだんにピスタチオがかかっているのも嬉しい。クナーファは、地域によって作り方が違うので、これもその種類の一つなのでしょう。
さて、肝心のマクルーバコース(前菜からクナーファ、紅茶も含めて)のお値段は、なんと8000円です!
間違いなく、今回のマクルーバの中でも最高値となりました。正直ちょっと高いですが、まあ、お持ち帰りがこれだけ出来て、クナーファもたっぷり味わえるので、これはこれでありだなと思いました。また、店の説明を見ると、野菜は茨城で作った新鮮なオーガニック野菜を使っているとのことなので、その辺りも値段に反映しているようです。
ただ、20合の釜をひっくり返すパフォーマンスは、間違いなく一番迫力のあるマクルーバ(ひっくり返し)で、感動的でした!
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⑩ミシュミシュ(中央区銀座)
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2024年1月27日(土曜日)。今日は、総勢19名!
今回は、最後の10皿目ということで、私とカフェバグダッドさんで、店を貸し切ってのイベントにしました。最後だから、パレスチナのことをみんなで語る会にしたいと。その際に、実際に私が2008年にパレスチナに訪れた時の映像があるので、それを見ながらの食事会です。
その映像とは、映画「ピンクスバル」のメイキングビデオ。長年の友人で映画監督小川和也の映画を手伝いにパレスチナ・イスラエルに2ヶ月半滞在した時に、私が制作してものです。こちらは、その映画本編の予告編です。
私にとって後にも先にもパレスチナを訪れたのは、この時だけ。なので、観光ではなく、日常や非日常の映画撮影現場での生活でした。そんな中で食べるパレスチナの料理は、平日は主に外食となるので、ケバブやファラフェル、前菜や生野菜(これが相当美味いので飽きない!)のみ。しかし、週末となるとどこかの家にお呼ばれされたりして、ご馳走をいただきました。
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そんな中で、出てきた料理の一つにマクルーバがあります。奥のご飯がそれです。上にナッツ類がしっかりと乗っています。
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奥の手を挙げているのが私、その前に崩されたマクルーバが見てとれます。いかに大きいか!左のカメラ目線が小川監督です。そんなパレスチナの日常を語る会として小川監督や映画のスタッフたちも参加し、最後のマクルーバ10皿目を開催しました。
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さて、そんなイベントの準備もあるので、店に早めに入るとカウンターは大忙し。マクルーバに入れる野菜群が素揚げされていました。どれもマクルーバ定番のもの。
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前菜は、定番のメゼ(マッザ)の数々。
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ファラフェルもついてきて。。。
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メインの一つ、海老とムール貝のタジンや、
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アラブの棒状ハンバーグにゴマペーストをかけたコフタタヒーニも出てきました。これらは、この店の定番のコースメニュー。今回は、それにマクルーバをつけていただいた特別メニューとなります。
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オーナーシェフの草野さんが、テーブルに持ってきます。
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ひっくり返して、木槌で叩きます。
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結構、ひっつくボールだそうなので、うまく全部出てくるのでしょうか?
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こんな感じに仕上がっておりました。やはり野菜がいくつかひっついてしまいました。
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それを丁寧に盛り付けます。
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ナスがしっかりでトマトもあって、見た目も素敵!
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さらに、そこに揚げアーモンドとイタリアンパセリをまぶし…
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最後に大皿のまわりにチキンの素揚げを、まんべんなく盛り付けます。
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大皿が大き過ぎると思ったら、このようにチキンが周りに盛られて鶏肉でぎっしりに!
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こんな感じに1人前よそってもらいました。パラっとした感じに炊きあがり、スパイスにちょっぴりカレー感がありました。このままで食べても最高に美味しいスパイス炊き込みご飯です。でも、やはりヨーグルトをかけた方が、マクルーバ感がでますね。2回おかわりしました。
他の9皿との大きな違いである鶏の素揚げが、炊き込みご飯にないパリっとした食感があわさって独特な美味しさと、飽きさせない味わいを存分に楽しめるマクルーバでした。
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さて、お値段ですが、予約が必要なコース込みで1人6600円(テーブルチャージ含む)になります。ただ、ドリンクは一回注文にしないといけないので、7000円を越える感じになります。
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今回は、これにイベント代として500円を追加料金としていただいております。これは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)にパレスチナ支援金として、全額寄付させていただきました。
こうして、10回に渡るマクルーバ会は、無事終了しました。
最後に
今回食べ歩いて分かったのは、マクルーバは、家庭や地域によって特色があり、それぞれのレシピがあるということ。
そして地域的には、いわゆるレバントと呼ばれるエリアで主に食べられている料理で、中でもよく食べるのがパレスチナとヨルダンになるようです。ある投稿では、レバノン人でマクルーバという料理を知らないという話や、レバノン、シリアではあまり聞かないなどという話もみかけました。
当初、これだけ特別感のある料理だから、さぞ何かの特別なお祝いごとなどに食べられるものかと思っていました。しかし、シェフの方々に聞いていくと、毎週末にみんなで集まって食べる時に出てくる一般的な料理だと言われました。レストランでマクルーバをほとんど見かけないのは、そういう理由もあるようです。
料理の定義も結構曖昧なようで、マクルーバには、これを使わないといけないという話は特に聞きませんでした。短粒米と長粒米どちらも使われていますし、スパイスの使い方もさまざま。ただ、シナモンが好んで使われている共通項はありました。ナス、カリフラワー、ジャガイモ辺りは、定番の食材のようで、肉は、羊よりも鶏を好んで使う場合が多いようです。
今回、このマクルーバ食べ歩きは、カフェバグダッドさんとの共同イベントとして開催しました。こちらのサイトで、私と同じマクルーバを食べて、感想や気づいたことなどを、カフェバグダッドさんの視点でも書いていますので、チェックしてみてください。今回、私は、これを冊子にしない代わりにカフェバグダッドさんがまとめて近くZINEにするとおっしゃってました。
何はともあれ、このマクルーバという素敵な料理を通じて、パレスチナのことをもっと知ってもらえたら切に願います。
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