地域活性化、自治体関連情報まとめ(2021/07/26~8/1)
写真は私が在住する雲仙市、島原鉄道の古部駅。海に近い駅といえばキリンレモンのCMロケ地として有名となった『大三東駅』(おおみさきえき)が有名ですが、東に位置しているため綺麗な夕日は拝めません。古部駅はちょうどバックに夕日が沈むためとても穴場のおすすめスポットです。
今週は農産物のオンライン販売や自治体の情報発信のニュースがメインです。
■メルカリ上でECショップを簡単にオープンできる機能がプレリリース
事業者向けネットショップ開設支援サービス「メルカリShops」(メルカリショップス)が9月の本格オープンを前にプレオープンしました。クリエイターや生産者・小規模事業者などを対象とした先行出店の受付を開始。これにより、クリエイターのハンドメイド作品や農家直送の野菜・果物、まちの飲食店のグルメ、地方の特産品など、個人の出品物に加えて、直接生産者や作り手などから「メルカリ」アプリ一つで様々な商品が購入できるようになります。
いままでも個人としてメルカリに出品していた小規模事業者はいましたが、メルカリがこのような事業者を支えるために本腰を入れはじめました。こうしたネットショップ開設支援サービスとしては「Shopify」や「BASE」などが有名ですが、約1900万人ユーザーを抱えるメルカリが参入するインパクトは大きなものになると思います。「メルカリShops」の特徴は以下。
・年間、月額利用料等が一切かからず、商品販売の際の手数料のみ(メルカリと同じく10%)
・店舗用のメルカリアカウントが複数所有可能
・メルカリと変わらない操作方法のため、ITに関する知識や経験がない人でも簡単にネットショップを開設可能・1900万ユーザーを抱え、ある程度の集客が見込める
・商品、在庫管理機能が利用可能
個人的に「メルカリShops」は以下の点で優れていると思います。
・UI,UXがとても優れている(画面等やフローがとても使いやすく設計されているということ)ため、IT系のバックグラウンドがない人でもすぐに出品〜発送ができる
・膨大なユーザーを抱えていることから、すぐに売りきることができる
・コンビニ等での梱包資材販売や、物流業者と提携してメルカリ専用の物流サービスを提供している
小ロットでオンライン販売を開始したい小規模事業者の新たな選択肢になるのではないでしょうか。既存のEC開設ツールとの比較は以下の記事にまとまっていたのでご参照ください。
■食べチョクと長崎県南島原市が連携。市内の生産者の出品および販売促進をオンラインとオフラインの両面でサポート
「食べチョク」は農林水産物の販路拡大や、特産品のブランディング、食・一次産業の体験を通じた根強いファンの獲得などが期待できるECサービス。国内でも様々な産直通販サイトがありますが「食べチョク」はコロナ渦の巣ごもり需要をうまく取り込み、「認知度」、「利用率」、「アクセス数」、「SNSフォロワー数」、「生産者認知度」でNo.1を獲得。以下のような特徴が消費者、生産者フレンドリーであるため現在急成長しています。
・商品1つ1つに対して生産者の顔や名前、こだわり(使っている肥料や工夫している点)が見えるようになっているため、消費者にダイレクトに魅力が伝わる
・いい点、悪い点含めてサイトのトップに利用ユーザーからの感想を載せている
・生産者はLINEを使っていつでも「食べチョク」スタッフに相談できる
「食べチョク」はすでに40以上の自治体と連携しており、自治体向けのサービスとして地域の特設ページを開設するの他、生産者を対象に出店〜商品が売れて発送されるまでオフラインでもサポートしてくれるようです。
■noteと新潟県が協定を締結
お次はnoteのニュース。note株式会社が新潟県と協定を締結しました。オンラインでの行政の情報発信の重要性が高まっている中、法人向けサービスである「note pro」の無償提供や勉強会等の実施を通じて、新潟県の起業・創業、酒蔵・伝統産業・地場産業、企業誘致、移住促進、DXなどの情報発信をサポート。また新潟県公式noteを開設し、県内で起業された方のエピソードや支援者の声、企業誘致のための発信をスタートするようです。新潟県の取り組みをモデルとし、全国市町村や地元の団体・住民を巻き込んだ情報発信を強化します。
この記事自体がnoteなので説明は不要かと思いますが、noteはクリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォーム。私は前々から自治体が情報発信するなら一番有力なのはnoteだろうと考えてきました。というのもnoteの利用者属性と、自治体が発信すべき情報「マスに対してではなく、伝えたい人にきちんと情報をと届ける」ことを考えるとnote以外が浮かばなかったからです。事実こういったブログ、SNSの運営会社が自治体と協定を結ぶ事自体が珍しいと思います。
現在50を超える自治体がnoteで情報発信しており、noteも地方公共団体を全面的に支援。「note pro」※の無償提供や、各自治体が気軽に情報交換できるコミュニティ「note自治体ミートアップ」を発足しています。このコミュニティではnoteの運用効果を示すKPIをどのように設定していったらよいかや、どのような分析をしていったらよいか等各自治体がノウハウを共有し合うなど、積極的な交流が行われているようです。
とりあえず皆が使っているSNSでの情報発信から、noteによる情報発信に切り替えていく(または同時並行ですすめる)ケースは今後一段と増えていくことでしょう。
※note pro:主に企業や団体向けのプラン。独自ドメインの取得や各種分析ツールの提供、noteの導入支援や運用フォロー、勉強会等を開催し、より効果的にnoteをオウンドメディアとして利用することができるようになります。
■移住者自身が、「わかやま暮らし」の魅力をSNSで発掘・発信する「ローカル情報発信Lab. in 和歌山」第3期生募集開始
和歌山県移住定住推進課と、地域の魅力を発掘・発信する合同会社イーストタイムズは、わかやまでの暮らしを発信し、共感者の移住を促す「移住者情報発信力強化プロジェクト」の3年目の取り組みを開始しました。
県内のU・Iターン者を中心とする住民が、情報発信力を身につけ「わかやま暮らし」の魅力を発信することで、「移住者が移住者を呼ぶ」仕組みをつくる取り組みである『ローカル情報発信Lab. in 和歌山』の募集を開始しました。
『ローカル情報発信Lab. in 和歌山』の参加者は取材体験のフィールドワークに加え、文章・写真・動画での情報発信を各発信領域のプロ(元報道記者、フォトグラファー、動画製作者)からオンラインで学ぶことができます。
地域の魅力発信においては精力的に活動しているU,Iターン者の協力がかかせません。しかし、そういった方たちは自分たちの本業の傍ら、自治体が主催する地域の魅力発信イベントやヒアリング等に協力していることが多く、知らず知らずのうちに疲弊してしまうことも多いと聞きます。こういった人達に対して生涯活用できる専門スキルの学習機会を提供しながら、うまく地域の魅力発信につなげている本取り組みは両者にとってWin-Winとなる非常にうまい仕組みだなぁと思いました。
つぶやき
とりあえず3記事目の投稿ということで、3日坊主は卒業できたかな。。。
引き続きどうぞお目通しいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。