今週の地域活性化、自治体関連ニュースまとめ(2021/11/15~21)
今週は話題の「観光×メタバース」をキーワードにニュースをピックアップしました。
毎週600~800本に近く配信される地域活性化、自治体関連のニュースに目を通し、個人的に「これは!」と思ったニュースを要約&解説しています。日々多忙な地域、自治体に関わる皆様の情報収集の一助になれば幸いです。
■仮想空間「メタバース」が観光産業にもたらすもの
先日Facebookが社名を「Meta」に変更したことで注目を集めた「メタバース」という概念。観光産業におけるメタバースの影響について考察します。
「メタバース」とはネットワーク上に構築された仮想空間全般を表す言葉であり、「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を合わせた造語です。インターネットのような新しい概念のことで、インターネットは基本的にただ見るものですが、メタバースは実際に生活、存在するための空間となる点で異なります。自分の人生における可処分時間をどこの空間で過ごすか選択できる新たな選択肢になるということです(家庭、職場、サードプレイスの次にメタバースがくるかもしれない....)
実際にメタバースで過ごしているユーザーがどんな生活を送っているのかはバーチャル美少女ねむさんが実施しているソーシャルVR国勢調査2021がとても興味深いです。私たちも想像がつかないような世界で暮らしている人達がいると実感できます。
無限の可能性を持ったメタバースですが、観光産業においては『次世代のデジタルマーケティング手法』もしくは『新しい観光地』として注目されると考えています。
次世代のマーケティング手法
例えばメタバース空間でラフティングを楽しんだ人に、次は実際に本物の川でラフティングをしてみませんか?と誘う。これだけ聞くと「ん?既存のオンライン旅行体験の手法と変わらないのでは?」と思われるかもしれませんんが、特にVR空間のメタバースで得られる体験は没入感の次元が異なります。視覚や一部触覚のフィードバックがあるため、自分が本当に体験したような感覚に陥ります。デジタルの体験に圧倒的興奮や熱量が加わるため従来のデジタル体験よりもずっと心が動かされます。
スポーツやライブイベント終了直後にすかさず新しいアイテムやイベント(例えば日付入のユニフォームやトークイベント等)の告知を実施している光景を見たことはありませんでしょうか。これはより心が動かされた体験の直後、熱量が下がっていない適切なタイミングでプロモーションを行うことで爆発的な売上をあげることができるというマーケティング手法です。
観光地ならではのアクティビティなどをメタバース空間で体験させ、追体験としてリアルなアクティビティに誘導する等してメタバースでも同様のことができそうだと感じました。
新しい観光地として
コロナ渦においては様々な観光関連団体が「あつまれどうぶつの森」などを活用し、オンライン上に観光地を再現。多くの人が訪れ話題となりました。
・バーチャル佐渡観光ができる“さどが島”公開
・あつ森で「JTB島」公開。関東の観光地を再現
「あつ森」は自分のアバターで忠実に再現された観光地を歩き回って楽しむことができますが、一部のメタバースではすでにモノやコトの売り買いができるようになっています。
沖縄発のメタバース「バーチャルOKINAWA」
バーチャル空間に焼損した首里城を復元。美しい海で音楽ふぇすをの楽しめるビーチエリアや三線ライブを体験できる居酒屋エリア等、世界中どこからでも沖縄文化を体験可能に。国際通りを再現したエリアでは沖縄ならではの土産物が購入できるエリアも。観光地を見てエイサー祭りに参加し、帰りに国際通りでお土産を購入する等、観光地における一連の流れが仮想空間上で行われました。
また海外ではすでにソウル市が39億ウォンを投じてメタバース空間上に市役所や観光スポットを備える「メタバース・ソウル」を構築する計画を打ち出しています。メタバース上で経済、文化、観光、教育などの公共サービスを提供していくようで、ソウル市民がメタバース内に存在する「アバター公務員」に相談すること等も可能になるようです。
meta(元facebook)が舵をきったことで加速するメタバース構想。かつてSNSがあらゆる産業に影響を与えたように、メタバースが既存産業、および人類の生活自体をがらりと変えてしまうのもそう遠くないでしょう。
■軍艦島がVRChatワールド化
上記の流れを受けて長崎でも新たに観光文脈におけるデジタル空間が活用されているというニュースです。様々なデジタル世界が構築されているプラットフォーム「VRChat」内に軍艦島を再現したワールド「GunkanjimaVerse」が構築されました。
全長480mの軍艦島をリアルスケールで再現しており、実際のスケールで隅々まで探索することができます。観光では安全面の問題から立ち入りができないエリアにも自由に入れます。
長崎に移住して初めて知ったのですが、ツアーに参加しても波や天候の影響で軍艦島へ上陸できる確率自体もあまり高くないそう。
観光資源をバーチャル空間上に再現することの利点は、時間、距離、費用的な制約を受けずに観光体験ができるだけではなく、このように普段は入れない場所にも行くことができたりすることもメリットですね。
■エアトリ、来春の卒業旅行を狙い、メルペイ定額後払いで販売促進、学生の使いやすさ重視で
オンライン旅行サービスの「エアトリ」がスマホ決済サービス「メルぺイ」で後払い決済サービスの利用促進キャンペーンを開始。新型コロナウイルス収束を見据え、これまで抑制されていた消費動向の反動、いわゆる「リベンジ消費」を取り込むための施策として展開します。
「メルペイ」キャンペーン期間中、メルペイの後払い決済サービス「メルペイスマート払い(定額払い)」に設定すると清算時に支払う定額払いの手数料が最大半年分無料になります。
ワクチン接種後のリベンジ消費調査でやりたいことの1位は「国内旅行」。旅行にはまとまったお金が必要ですが、こういったお金は貯金等をしていないと捻出しにくいものです。手数料が無料であれば自分の好きなタイミングで手軽に返済できる後払い決済サービスのハードルもグッと下がり、今手元からお金を捻出できなくても旅行を楽しめます。
メルカリの調査によると20~30代の生活者はSNS等を見て『欲しいと思った商品はイマすぐ購入する』傾向が高く、この背景から国内外でBNPL(Buy Now, Pay Later)・後払い決済サービスと呼ばれる新しい支払い手段の利用が拡大しています。一方でこうした利用者は家計や支払いの管理に対する意識が非利用者にくらべて高く、利用限度額の設定や支払いのタイミングを入念に管理し、適切なタイミングで返済する傾向にあるようです。
決済手段を変えるだけでも旅行需要を喚起する可能性がある事例の1つとして取り上げさせていただきました。
■noteとふるさとチョイスがサービスを相互連携。より伝わる自治体の魅力発信を支援
noteがふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」と連携。寄付者をはじめとした地域の応援者へ自治体の魅力発信を強化します。今回の連携により、ふるさとチョイス内の自治体ページに自治体公式noteの記事が表示されます。noteに記事を投稿すればふるさとチョイスのサイトにも情報が連携されるので大変便利ですね。
ふるさとチョイスの自治体記事では伝えきれない、より深い魅力を発信できるnoteの記事が閲覧できるようになったことで、ふるさと納税の寄付件数の向上や自治体のファン化が期待できます。
ふるさとチョイスとnoteの連携方法はこちらを確認してください。
noteは自治体が発信すべき 「マスに対してではなく、伝えたい人にきちんと届く情報」を発信できる有力な手段の1つだと思っています。
現在約65の自治体がnoteで積極的な情報発信を行っており、noteも地方公共団体を全面的に支援。「note pro」の無償提供や各自治体が気軽に情報交換できるコミュニティ「note自治体ミートアップ」を発足しています。
今後は、noteの記事にふるさとチョイスに掲載している返礼品を埋め込み表示できるようにしたり、自治体向けの勉強会を共同開催したりする予定。
※note pro:主に企業や団体向けのプラン。独自ドメインの取得や各種分析ツールの提供、noteの導入支援や運用フォロー、勉強会等を開催し、より効果的にnoteをオウンドメディアとして利用することができるようになります。
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