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NEW STANDARD#02
CRAZY WEDDINGプロデュースのもと結婚式を挙げた1組のストーリー。人と地球に優しいライフスタイルを目指す私が 「エシカルウェディング」と検索してもなかなか選択肢を見つけることが難しかった経験から、どこかの誰かのヒントになったらという思いで綴っています。
今回は、当日の写真を見ると、きっと皆さんが一番気になる「会場装飾」の裏側のお話を。
CRAZY WEDDINGでは、前回お話したようにコンセプトに基づいてさまざまなコンテンツを検討するプロセスを経て結婚式を創り上げていくのですが、そのコンセプトを体現する上で超重要な役割を果たすのが会場装飾にあると思っています。
あの日会場に足を踏み入れ、この光景をみた瞬間の夫の涙は、たぶん一生忘れないと思います。(この写真お気に入りすぎて、夫に内緒でこっそり使っていますwどんな写真よりもこの時の気持ちが伝わるので。)
この表情を見ると、その視線の先にあるのはどんな景色だったの?と気になりますよね。
まずは当日の会場の様子をどうぞ。
この高砂バックにある木に見立てたオブジェ。何でできているでしょう…?答えは後ほど。
デーブルの上の装飾、席札もひとつひとつこだわりました。どんなモノでできているのか、ちょっと想像してみてください。
細かい小物は#05でご紹介予定です。
会場特有の木の温もりを残すカタチで装飾してもらった全体感がお気に入り。
会場はMOKICHI FOODS GARDEN
装飾のお話をする前に、まずは会場のお話から。私たちがこの1日の会場に選んだのは、MOKICHI FOODS GARDEN。会場選びはコンセプトが決まる前でしたが、都心のおしゃれなチャペル、荘厳なホテル…というよりは「ナチュラル、開放感、自然との調和」といったワードがしっくりくると考えていました。
予算や人数の規模感に合い、過去にCRAZYで婚礼実績のある会場をいくつか提案いただき、3か所めぐってここだ!となったのが、ここMOKICHI FOODS GARDENでした。
明治5年創業で湘南唯一の酒蔵である熊沢酒造さんがやっているレストランなのですが、ここ、戦前からあった木造の精麦工場をそのまま再利用した空間なんです。鎌倉などでも有名な「湘南ビール」を作っています。
決定的な決め手は、この空間に足を踏み入れた時の直観だったのかなと思いますが、酵母が生きたビールの種類が豊富、地野菜などをふんだんに使ったお料理が美味しいレストランなうえ、駅から徒歩圏内というアクセスなども考慮して決めました。
私たちの想い
私たち(特に夫)は、コンセプト提案の前から「ただのエコな結婚式、表面的なエシカルウェディングにはしたくない」としきりに話していました。個人的には「エコ」「エシカルウェディング 」みたいなワードって個人差はあれど(エシカルってどういう意味?というゲストもいるでしょうし)既存のイメージに当てはめられる気がして、あえて当日一言も私たちの口からは出していませんでした。
ふたりがいろんな選択にこだわった結果、「世間でいうエシカルウェディングだね」と受け取る方がいる分には受け取り手の解釈です。私たちが実現したかったのは、ただ「人や環境に配慮した結婚式」ではなく、一番大切にしたかったのはゲストにその空間を時間を楽しんでいただき、日ごろの感謝を伝えること。そこに私たちの価値観をのせて、ふたりをより深く知っていただける1日が創れたら嬉しいと考えていました。
そもそもウェディングケーキってなんで必要なの?ご祝儀って現金でピン札でないといけない?いろんな結婚式の当たり前の背景を考えたうえで、自分たちそして来ていただくゲストにとって意味のあるモノやコンテンツを取捨選択して1日を創りたい。
私たちのそんな想いをヒアリングでじっくり聞いていただいたのち、コンセプト提案と同じ日に提案していただいた装飾提案のSTORYがこちら。
この言葉ひとつひとつに、私たちの想いが宿っているような気がしました。1つの選択を大切に、誰かのスタンダードだからではなく、その背景に想いを馳せて選んでいく。余白を大切にして、思考を巡らせてみて、選択する。
すべて廃棄されるものからできた空間
冒頭の写真にあった木に見立てたオブジェ、白い葉っぱ部分はすべて印刷会社さんで「廃棄される紙」が答えです。数ミリの誤差やキズ、ヘコミがあるだけでも廃棄されてしまうものなんだとか。
このアイディアは、実は私がある印刷会社さんの投げかけを見つけたところから生まれています。
お願いします。 無料で紙をもらってください。
余剰の紙などを捨てずにとっておいたら、創業から50年以上経つうちに10トン以上もの量になってしまったとか。破棄するにはもったいない質の紙があまりにもたくさんあるから、他の業種さんなら利用できそうだし、こうなったら無料でよいから差し上げたいと。
この呼びかけを、アートディレクターの五味さん含むCRAZYの皆さんに共有したところ、ほかの印刷会社さんでもどうしても一定の廃棄されてしまう紙が出てしまうことを調べてくださって、この装飾の提案をいただいたのです。
こちらが、装飾提案時にいただいたラフ画。正直、捨てられてしまう紙(ロスペーパー)で木を…?って当日までどんな空間ができあがるのか、どきどきでした。
そして木の幹の部分や、私たちが座ったベンチも廃材を活用して制作いただきました。
床一面やテーブルにある葉っぱも含め、これだけの量を印刷会社さんから調達し、型抜き、本物の葉っぱに見えるようくるんとカーブをつけ、設営してくださったCRAZYの皆さまには頭が上がりません。笑
ラフ画2枚目にも登場していますが、結婚式の装飾といえばお花をふんだんに使うイメージがありますよね。私たちはそんなお花も、すべて規格外などを理由に廃棄されてしまう花「ロスフラワー」を使用しました。
次回はそんな装花やそのほかブーケなども含め、ロスフラワーを活用することになった背景をご紹介したいと思います。