ぼくはTwitterに残ります。
第X次Twitter大移民運動が巷で話題。
きっかけはXの利用規約の改訂。
「Xに投稿されたコンテンツはAIの学習に利用するんで!よろしく!」というやつ。
TLでも「画像消しました」とか「青空に移住します」とかが散見されるけど、ぼくはTwitterに残ります。
一般論はできるだけ廃して(散々いわれてるし)、自分の意見だけ残しておこうと思います。
Xによる学習は問題なのか
問題ではないと思います。
加えてXでは「Grok(Xが提供するAIサービス)の学習用データセット」と利用先が明示されており、少なくとも用途不明ではない。
ぶっちゃけ、かなり親切だと思います。
また、規約通りならGrokの画像学習データセットの対象はX上のあらゆるメディアであり、その数は膨大。
そこで逆に、「それだけの膨大なデータセットのうちで、私達の数十~百の画像が果たす役割とはなにか?」を考えます。
GrokやCopilotなどの、いわゆる「カンパニーの目玉」に当たるAIサービスは、性質として「汎用性」があります。
なにか特定の用途にチューニングされたマシンではないということです。
AIサービスのゴールは「生成物として正確であること、遜色がないこと、違和感がないこと」、
汎用AIサービスでは、それが「あらゆる事項で適格」であることです。
現実的に見て、直ちに「あらゆる事項で適格」とするのは困難です。
なので、「膨大なサンプルから割り出された、『適格の妥結点』」を向上させるのが当面のアプローチになるわけです。
これが、汎用AIサービスが莫大なデータセットを要求する理由になります。
はじめの命題に戻ると、我々が提供するメディアは「『妥結点』を算出するための10億サンプルのうちの1変数に過ぎない」というのが正味なところで、
データセットを特定の用途に絞ったLoRAによる「悪意あるユーザーによるAI濫用問題」とは異なる文脈と捉える必要があるでしょう。
他サービスは「AI安全」なのか
僕はここを結構問題視していて。
よく移住先でMisskeyやblueskyが選定されていますが、これらのSNSは決して「AI安全」ではありません。
むしろ、Xよりも脆弱です。
Xは青バッジとかが出始めた頃に、無償ユーザーに対するAPIアクセスを大きく制限しました。
これは図らずも、サンプル収集のためのクローリングに対して、一定のファイアウォールとして機能しています。
悪意あるユーザーにとって、「無償か有償か」の分水嶺は大きな心理的障壁として機能します。
一方、Misskeyや青空は、そういったAPIに対する制限を設けていないか、Xと比較して弱いです。
これは自由さ・拡張性とトレードオフではあるものの、悪意あるユーザーによるクローリングに対する防護性は、Xのそれと比べて有意に低いです。
その点、「無断でのAI学習を忌避する」という目的のもとでの移住は、すこし危ういものを感じています。
企業による明確な必要悪か、個人による見えない悪意かの二者択一なのかもしれません。
Twitterは僕にとっての何なのか
AI問題に関する所感はここまで。
僕がなぜTwitterに残るのかなんですが、
もう今更離れられねえからですね。
AIに学習されようが、ブロック貫通しようが、イーロンがトランプっちの宣伝してようが、
正味なところ、「人がいる」以上離れる理由がないです。
僕にとってのTwitterは、Twitterでつながった人たちとのつながりを保つ場所なんですね。
かつ、彼らが「えせる」という存在を担保してくれる最大多数になるわけでして。
僕が急にMisskeyなどへ移住したとて、そこでは「えせる」というパーソナリティは確立されません。
つながりを、激烈に失ってしまうので。
何度かの移住騒動があって、結果僕が出した結論なんですが。
「みんな移住したら、そっと教えて」
その時までぼくはTwitterランドにいます。