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中学校一年生の話

あぁ〜中学校一年生の話ね。
書く前から鬱になるわぁ。

中1の1学期が終わった。夏休みだ!イェ〜ィ!!
のタイミングで僕は父の仕事の都合で、転校する事になりました。

いつもね、転校生が来るとなんだか興味津々になって
「何処から来たの〜?」なんて気楽に話しかけたりしてましたが、自分が転校するとなると気分はダダ下がりします。

僕は友達がたくさんいたので、友達と会えなくなるのが本当に悲しかった。

あの頃はスマホどころかインターネットすら無かったので、気持ち的にはほぼ今生の別っすよ。
実際はそんな事はぜんぜん無くて大人になった今も時々会ってるんだけど。

その時はそんな気持ちなんです。

最後の別れの日にカガマル君が何故かハウンドドックのカセットテープをプレゼントしてくれました。
その時初めてハウンドドックの歌聴きました。
カガマル君お姉ちゃんとお兄ちゃんいるからね。
なんか選曲が大人だよね。
その時の僕にはハウンドドックの良さが分からなかったよ。僕にはまだ早かったな。

そして僕は北海道最大の都市、札幌市に引っ越したのでした。

ド田舎で自由奔放に生きてきた僕には札幌市は大都会に感じたんだ。家もたくさん有って、マンションもたくさん有って、ビルがたくさん有って、街が広い!
今まで住んでいた町は車で10分くらいで通り過ぎてしまう様な町だったから、圧倒されたよね。

小学校も中学校も高校もたくさんあるし。人もたくさんいるし。
僕なんか自分が引っ越す場所が札幌市の隅っこのどの辺りかも分からなかったんだから。

引っ越す途中で飼っていた犬が車の中で死んじゃってさ、悲しかったよ。
いきなり悲惨なスタート…と思ったよね。

引っ越した先の新しい家は父の社宅の一軒家でした。
夏休み中だったけど、友達もいないし家の近所をあちこち探検したり、今度から通う中学校を見に行ったりして過ごしていたある日、めちゃテカテカのリーゼントで剃り込みした男の子に出会いました。

やたらとメンチキリながら近づいて来て話かけてきました。
「転校生なのぉ〜?」って。
いろいろ話してたらコイツ小学生で六年生のアホでした。

六年生でこんなオッサンみたいな風貌かよ!恐ろしい地域に引っ越したな!と思ったよね。実際はこんな奴コイツだけだったけどね。
このアホは中学校入学以降はずーっと鑑別所とか、少年院にいるのでその後の事はよく知らないのですが、コイツと得意の腕相撲をして僕が勝っちゃった事がきっかけで、悲劇が起きるのです。

2学期が始まって僕はハラハラドキドキしながら、誰も知っている人が居ない中学校に通う事になりました。初日はマジでどっと疲れた。

1週間くらいすると少しだけ慣れてきたのですが、なんか遠足があってそこで3年生に呼び出されて囲まれて、「お前〇〇中シメるとか言ってるだろ!」という言いがかりをつけられて、人生初のヤキという名の集団リンチの被害にあいました。

正直言ってめちゃめちゃビビりました。
3年生怖すぎ!
ただ、ケンシロウに憧れて腕立て伏せと腹筋をひたすら続けていた僕は腹を蹴られても殴られても実はそれほどダメージは無かったです。
なぜか顔面は殴られなかったし。
心の中で案外こんなもんなんだ…なんて思っていたけど、精神的ダメージはここまでの人生で一番大きかったです。

だいたいにして、何でこんな事されるのかが分からないんだから。

後で知ったのはあのリーゼントの小6のアホが昔から近所のこの中3の先輩達に「転校生がヤバいやつで〇〇中シメるって言ってる」と言ったから〜って事だったようです。この中3の先輩達とはこの後仲良くなるので、その時教えてくれたんです。

僕は悩みました。両親は何が起きたかも知らないし、ぜんぜん気付いていませんでした。

まだ友達も1人も居ないし…
なんか学校行きたく無いし…
でも学校行かないといけないし…

もともと田舎で勉強も出来るヤンチャで元気な子供だった僕ですが、思いもよらないこんな事でけっこう悩んだけど、僕の中で2択でした。

・これからは大人しく目立たない様に過ごす。
・やられたらいつか必ずやり返す。

僕は後者を選びました。
自己評価で僕は多分喧嘩したらけっこう強いはずだし、両親は元々クソ頼り無いし。
思春期の僕は次回から暴力には暴力で対抗する事に決めました。

そして内心気合いを入れて学校に行ってみると、友達がどんどん増えて学校が楽しくなってきました。
随分と気合いを入れて学校に行くようになったのですが、喧嘩なんて一回も無かったです。
こちらがやる気まんまんになると逆にそういう事って起きないもんだなぁ、と思ってました。
不思議なもんです。

この頃ちょうどロックバンドがブームになっていました。僕はギターが弾けたので、同じようにバントをやりたい友達とバントを始めました。

このバントがこの後の僕の中学校生活の中心になりました。

続く

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