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わんぱくサンド、チェアリング

こんにちは、Natsuです。食パンが好きです。美味しい食パンをそのまま食べるのも好きだし、トーストも好きだし、ホットサンドも好きです。食パンかわいい。美味しい。大好き。

実家にいたころから食べていたけど、自分が食パン好きだと気づいたのは数年前、大阪に住んでいた頃のこと。家の近所のスーパー(玉出ではない)が土日によく食パンのセールをしていて、超芳醇の5枚切や4枚切がすごく安く売ってたんです。1斤100円を下回っていたと思います。わたしはお金のない院生でしたので、この安さにとびつきました。この時住んでいたお家にはトースターがありました。そして、めくるめく厚切り食パンの世界にすっかりハマってしまったのです。

その後、トースターのある大阪の家を出て奈良に引っ越しました。そこでももちろん美味しいトーストが食べたくなりました。しかし、その衝動の度にモーニング(東海や関西の喫茶店でよくある、午前中にドリンクを頼むとパンと卵などの軽食をサービスしてくれる制度)に行くお金もないし、タバコ嫌いだし(なんか知らんが、関西の昔気質のレトロでかわいい喫茶店は禁煙のところがほとんどなく、嫌煙家には厳しかった。新しくてオシャなところは大体禁煙)。

研究室にはトースターがありパンを焼くことができましたが、パンを焼いて食べている姿をラボの人々に見られるのは嫌だし(わたしは院生の頃、会食恐怖症まではいかないものの、ラボの人たちの前で食事するのが我慢ならないクソ鬱院生であった)、しかしトースターを買うのも難しく(クソ鬱院生の頃、お金がないだけでなく、わたしは過激なミニマリズムを信仰しており、所有物を増やす・モノを買うことを極端に嫌っていた)、悩みに悩んで食パンしか焼けないポップアップトースターを買いました。

これです。↓


かわいい〜〜〜〜〜〜。かわいいんですよこれが。ポップアップトースターは幼少期からの憧れだったし、これなら置く場所にも困らないし、引っ越し魔でも大丈夫なサイズだし、とお金をためて買いました。1万円くらいだったと思います。1万円をモーニング費にあてるか家電にあてるか悩みに悩んで頭をショートさせてから買いました(キャパの少なさの有効利用)。当時の食費は月2万円(飲み会や友達との食事があると死ぬ予算だけど、飲み会もないし友達もいなかったので、問題なかった)でしたので、相当高い買い物でしたが、安い食パンでも美味しく焼けるし、満足です。

ポップアップトースターにご興味ある方にはぜひ知って欲しいことがあります。通常のトースターに比べ、ポップアップトースターはパンと熱源の間の距離が近いため、外はカリッと中はふんわりの美味しいトーストを焼くことができます。デニッシュや他の形のパンは焼けないし、何かをトッピングした食パンも焼くことはできませんが、その代わりただの食パンはとても美味しく焼くことができます

そうは言ってもとろけたマーガリンのパンも食べたいんだよなあという方へ。

シライシパンのマーガリンサンドはこのままポップアップトースターで焼けます。ただ薄切りなので、厚切派の方は満足いかないかもしれません。そもそも東北の一部地域でしか売っていないようです。

5枚切食パン、東北だとあまり見かけないのですが、ないわけではないです。言うて6枚切も好きですので、そんなに困ってはいません。

今調べてみたところ、都道府県別の食パン消費量ランキングは奈良県が1位でした。びっくり。1位は兵庫か京都か大阪かな?と思っていましたが僅差で抑えて奈良が1位、これは元奈良県民としてはなんだか嬉しいです。

奈良にいた頃住んでいた家から飛鳥川を越えたところに、すごくいいパン屋さんがありました。2階がレストランになっていて、季節の野菜をワシャワシャ入れたグラタンと食べごたえのあるサラダがお気に入りでした。特にグラタンは絶品でした。日本風?のどろっとしたホワイトソースじゃなくて、牛乳の味が濃くてサラサラした独特のベシャメルソースが、バターの風味の強いパンと合うのです。どのメニューを頼んでもセットになる1階のパン屋さんのパン(おかわり自由!)がまた美味しく...。2階の開け放した窓からは、近鉄の小さい駅が見おろせました。そこを特急が通り過ぎたり急行が通り過ぎたり、各駅停車が止まったり、踏切や信号が鳴ったり光ったり、決まったリズムのようでいて、各々のリズムパターンのズレが重なり合ってなんとも味のある風景なのです。すべての波は正弦波成分の足し合わせである!って感じがして素敵な景色でした。また行きたいなあ。

パンを愛する県民がたくさんいたからこそ、いいパン屋さんがたくさんあったのかもしれません。

関西のスーパーと今住んでいる東北某所のスーパーを比べると、食パンの枚数のほかにも、キムチコーナーの豊富さ(関西圧勝)、納豆コーナーの豊富さ(東北圧勝)などに差を感じます。いろんなところに住んでみるのも楽しいです。

関西アピールを激しくしてしまいましたが、東日本の人も厚切トースト好きですよね。浅草のペリカン行きたいなあ。浅草・押上・蔵前エリアは好きなものがたくさん詰まっていて大好きな街です。

さて、厚切に目覚めたのは大阪にいた頃と言いましたが、実はその前から厚切りパンのホットサンドは大好きで、最近はこれが食べたくて仕方ありません。

泣く子も黙る巨大サンドなどと恐ろしいことが書いてありますが、こどもから大人までみんな大好きなホットサンドです。高校が近かった(高校からお店まで歩いて30分くらい。近い!)ので部活の後や課外の後もよく行っていました。高校生の頃は月のお小遣いが2000円でしたので、よく行くと言っても月に1度くらいでしたが...。思い返すとわたしの青春は常に金欠との戦いですね、まあ、これはこれで楽しい思い出です。

ホットサンドメーカーもないし、ガス火もないし、行きたいお店も遠いし、と悶々としていたわたしは、出来る範囲でそれっぽいものを作ってみることにしました。

そう、これがわんぱくサンドへの試みの始まりです。

わんぱくサンドとは何なのか。


こういう感じの、断面がかわいい具沢山のサンドイッチです。

こういう楽しいサンドイッチを持っておでかけして外でピクニックしたい、という一度思い浮かべるとその欲求はふつふつと膨らみ、もうそのことしか考えられなくなったわたしは、初心者マークをつけた古い方のジムニーに乗り込み、バイパスをビュンビュン走らせ、スポーツ用品店へ行きました。

そして、椅子を買ったのです。外でピクニックする妄想でわたしはいい感じのアウトドアチェアに座っていたので、どうしても椅子は必要でした。

これを購入してホクホクと荷台に載せ、またバイパスに乗り、家の近くでパンや適当な野菜を書って帰宅しました。その日は珍しく快晴で、日本海の夕焼けを眺めるには絶好のチャンスでした。

どんどんオレンジ色に近づく窓の外を見ながら、慌ただしくサンドイッチを作りました。目玉焼き失敗するし、具のチョイス考えないで野菜買ったから変な取り合わせになるし散々でしたが、なんだかとても楽しかったです。



目玉焼き用の生卵「グシャア」

わたし「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに砂浜へ行かなければならぬ。放せ。」

わたし「私には時間の他には何も無い。その、たった一つの時間も、これから夕日にくれてやるのだ。」

焦げ付くフライパン「その、時間が欲しいのだ。」

言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、Natsuは作った。Natsuの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて作った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、Natsuは疾風の如く駐車場に突入した。間に合わなかった



そう、間に合いませんでした。(笑うところ)

メロスの気持ちになれることって日常生活においてあんまりないと思うんです。そういう意味でもとてもいい休日の過ごし方じゃありませんか。

やうやう黒くなりゆく山際を見ながら海辺までドライブして、サンドイッチや上着やコーヒーの入ったかごと、買ったばかりの椅子を持っていざ砂浜へ!

もう日没後だというのに、まっすぐにひかれた水平線より上はまだオレンジ色で、ちょっと明るくて、恍惚とする美しさでした。地球、美しいな!!

その後なんやかんやでサンドイッチも食べて、流星群も見て、多幸感に包まれて眠りました。

やはり食パンは幸せの始まりなのだな、と思いました。


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