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なぜLGBTではなく”SOGI”なのか?その③

ではここで、”LGBT”と”SOGI”について具体的に説明していきます。

が、その前に...

先ずはある程度具体的にセクシャリティを紹介していきます。今回は大変です...

セクシャリティ...?

新たな言葉が...しかし大丈夫です。これまでの総まとめのような言葉です。

セクシャリティ

セクシャリティ(Sexuality)”とは、性や欲望、表現に関わる行動や傾向を表す言葉です。"生物学的な性をセックス(Sex)"、社会的性差を"ジェンダー(Gender)"と定義されます。そしてこの二つの意味も含む言葉が”セクシャリティ(Sexuality)”です。

”セクシャリティ”とは、単に自身の性別だけを表す言葉ではありません。生殖機能や生殖行動、それによる快楽、恋愛、またその対象、自己の性のアイデンティティや自己表現に至るまで、人間の活動において広義である”性別”を表す言葉です。

これから、この言葉が多く出てきます。そして”SOGI”の意味を理解する上での大きなキーワードになります。

LGBTqクァwせdrftgyふじこlp;@:「」

その①でも説明いたしました通り、LGBTとは、性的マイノリティ(少数者)の一部の方々の総称です。

え...一部って、まだあるの?

あります。現在においてLGBTとはもはや略語となっております(元々略語のようなものですが、正式には頭字語またはアクロニム(Acronym)といい、アルファベット系の略語という意味です)

今や、LGBTqクァwせdrftgyふじこlp;@:「」

嘘です(↑もはや死語)

LGBTQQIAAPPO2S”にまでアルファベットが繋がっているといわれています。流石にめんどくさいので、”LGBTQ+”という表記もされています。また、これらに該当しないセクシャリティも存在します。

長いですよね。

こんなに何がくっついているんだ...という話ですが、順に追っていきましょう。

言ったはずです。今回は大変であると...

...ではなく”LGBTQQIAAPPO2S

早速説明していきましょう。

 Qが二つありますが、1つ目の”Q”は”クィア(Queer)”であり、自身のライフスタイルにおいて、男、女だけで分類されることを嫌い、男女以外のアイデンティティを持ったりや、恋愛・性愛対象においても、男女に縛られない生き方をする方です。英語で”奇妙な”という意味があり、以前は侮辱的なニュアンスがあったのですが、当時の当事者たちはむしろ好んで使っていたそうです。男、女以外のアイデンティティを持つ方は、”ジェンダークィア(Genderqueer)”や、”ノンバイナリー(Non-binary)”と呼ばれ、日本では”Xジェンダー”と呼ばれています。

 2つ目の”Q”は”クエスチョニング(Questioning)”であり、自身のアイデンティティをまだ見つけられていない、または疑問に思っている方です。これは、先天的な場合もあれば、生きていく中で後天的にクエスチョニングになることもあります。

 ”I”は”インターセックス(Intersex)”であり、性的マイノリティという括りではないのですが、外性器の形状や機能、ホルモン異常、染色体異常による、身体の性に関しての様々な発達、発育状態のことあるいはそれに該当する方を指します。性同一性障害と混同されたり等、いまだに誤解の多いのが現状です。こちらは別で記述したいと考えております。現在では、”性分化疾患。身体の性のさまざなな発達(Disorders of Sex Dsvelopmants,略してDSDs)”という風に名前が変わってきているのが現状です。

 またもやAが二つありますが、1つ目の”A”は”アライ(Ally)”であり、性的マイノリティの方やその集団に対して、継続的支援や協力を行う方です。アライになる為には、支援や協力を行う当事者間との信頼が大切です。

 2つ目の”A”は”アセクシャル(Asexual)”日本語で”無性愛”と呼ばれています。対象に対して恋愛欲求や性愛欲求、またその両方を感じない方です。

愛を知らない人、等と誤解されがちですが、恋愛という側面からの欲求を感じないだけであり、家族や友人に対して愛を持って接することが出来、また結婚願望がある方もいらっしゃいます。

 またもやまたもや、Pが二つありますが、1つ目のは”P”は”パンセクシャル(Pansexual)”日本語で”全性愛”と呼ばれています。アセクシャルとは反対に全ての性に対して恋愛欲求や性愛欲求、またその両方を感じる方です。

バイセクシャルの方は、男性、女性のみですが、パンセクシャルの方は、男性、女性、は勿論、中性的な立場にある人や、性を決めていない人、性適合治療を行なっている人などを含めた、全ての人が対象となります。「性」という枠組みを超えて、「人」として対象を見ているのです。

 2つ目のは”P”は、”ポリアモロウス(Polyamorous)”と呼び、関与する全てのパートナーの合意を得て、複数のパートナーと恋愛関係を持つ方や、またそうなりたいと願う方を指します。また、関与する全てのパートナーの合意を得て、複数のパートナーと恋愛関係を持つライフスタイルのことを”ポリアモリー(Polyamory)”と言います。ポリアモリーに関しては、別で記述していきたいと思います。

ちなみに、”ポリセクシャル(Polysexual)”日本語で”複数性愛”と呼ばれる方もいらっしゃいます。つまり、全ての性というわけではないが、ある複数のセクシャリティが恋愛、性愛対象になる方です。パンセクシャルの方より、セクシャリティに関しては幅が狭くなります。ここでは、複数人とパートナーを持つどうかは関係ありません。

〜余談〜

 "Poly"とは他の言葉の頭について複合語を作り、”複数の、多数の”という意味を表します。例えば、容器やフィルム、ポリ袋といったものに使われる合成樹脂”ポリエチレン”もエチレンの重合体、つまりエチレンが多数重なった物質であるので”ポリ+エチレン”と呼ばれています。

”Pan”とはなんだ!あんパンとかメロンパンのパンだ!と思われた方は非常に残念なのですが、フランス語から来たと言われている”パン”は”Pain”です。ギリシア語で”Pan”は”全て”を意味します。これには面白い仮説が存在するのですが、これはまた別で...

答えを言ってしまいますが、次に出てくる”Omni”もラテン語で”全て”を意味します。”オムニバス”という言葉も、乗合バス、としての意味を持っていたのですが、転じて詰め合わせ、総編集、のような意味になったそうです。現在では作品を1つのテーマに従い詰め合せたものを指します。

以上。話を戻します。

 ”O”は”オムニセクシャル(Omnisexual)”日本語で”全性愛”と呼ばれています。パンセクシャルと類似点は多いですが、大きな違いは”相手のセクシャリティを意識しているかどうか”です。つまり、

ー パンセクシャルは、相手のセクシュアリティを意識しないので、全てのセクシュアリティを好きになりうる。ー

ー オムニセクシャルは、相手のセクシュアリティを意識したうえで、全てのセクシュアリティを好きになる。ー

なんとも線引きは難しいところではありますが、パンセクシャルの方は、そもそも性別という分類には意味が無い、人としてどう好きになれるか、と考えている方であり、どこか悟りのようなものを感じます...

 ”2”は”自然数であり、最小の偶数及び素数である。

...

 ではなく、ここでは”2S”です。”トゥースピリット(Two-Spirit)”を略したものです。社会の中で「男とはこうあるべき」「女とはこうあるべき」という性的な役割があるという考え方があり、これを”ジェンダーロール(Gender Role)”といいます。

北アメリカ大陸先住民の間では、自分の体に「女性の魂と男性の魂が同時にある」と感じている人や、一般的に”男らしい男”や”女らしい女”というのとは違った”男らしさ”、”女らしさ”を持つ人は、先住民の社会では”様々なジェンダーロールを生きている人”として尊敬される存在であり、さまざまな社会的役割を担っていました。

このように、ジェンダーロールに縛られず、様々な社会的役割を担う方のことを、ヨーロッパから”トゥースピリット(Two-Spirit)”と言うようになりました。

 世界の第3の性の事情は国や地域によっても様々ですが、それについてもまた別で書きたいと考えています。




これで説明は以上となります。noteの記事としてはそれなりに長くなってしまいましたが、ここまでお付き合い頂きありがとうございます。本当にお疲れ様です。

次回がラスト(になるはず)です。


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