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蛸壺

我が社(文科省系の某法人)は新コロ大政翼賛体制の忠実な僕にして、社員はぼぼ全員新コロ真理教の信者である。出社している者は常時口と鼻を雑巾で覆い、頻繁に手をアルコール消毒し、会議室には所狭しとアクリル板が立っている。それが新コロ対策だと心から信じている。私はその中にあっておそらく唯一人常時雑巾を付けていない(階や建屋が違うために会わないだけで他にもいるかも知れないが)。雑巾を付けている人と話をする時も私は雑巾を付けない。もっとも誰一人それに苦情を言う者はいない。内心どう思っているか知らないが。

我が社主催のあるイベントが年間を通じて行われている。ある特定の場所において物理的に隔絶された状態で行われるイベントだが、それに参加するには、新コロ注射2回以上接種が義務付けられており、私は参加できない(最近は事前に隔離していれば参加できるようにはなっているが)。そのある特定の場所を一時的に訪れる場合は直前にインチキ検査受検が義務付けられている。そのインチキ検査に昨年は億単位の金が使われた。今年も同様だろう。原資は税金である(というのは嘘で、財務省のプロパガンダなんだけど)。インチキ検査で陽性になる人たちが時々出る。全員「感染症対策」とやらを日々忠実に実践している人たちである。

我が社には大勢の「研究者」がいる。それぞれの専門分野では素晴らし実績を残している。ゆえに、科学リテラシーの高い人たちだと思っていた。だが、彼ら彼女らは自身の蛸壺の中のことしか知らない人たちだった。蛸壺の外ではテレビ漬けのジジババと何も変わらない。お上に言われるまま、会社に言われるまま、唯々諾々と注射を打ち、インチキ検査を受け、常時雑巾で口鼻を覆って日々を過ごしている。自身の蛸壺さえ守られれば、あとはどうでも良いのだ。数年後、その大事な蛸壺に近づくこともできない体になっているかもしれないのに。


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