実写の表紙が好きな話

 本屋や文フリ、コミケ、あとはCDなどなど。表紙に死ぬほど惹かれてついつい予定にない買い物をしてしまうことが多い。全くもって積ん読が大量にあるというのに本当に困る。

 最近惹かれて衝動買いしたのは綾瀬まるさんの「やがて海へと届く」だった。単行本のデザインも好きなんだけど、文庫本がぱっきりと綺麗でたまらなかった。読むのが楽しみな一冊だ。読んでから書けよ、とは言わないで許して。

 相変わらずだけど、実写の写真を使ったデザインが自分は好みで、イラスト系よりもハマる率が高い。小川洋子さんの「完璧な病室」とか、カーテンが醸し出す空気感と下部の白いラインがたまらない。

 同様に、People in the boxのジャケットも大好きだ。あの統一された中でそれぞれの特徴を生み出していくという試みは、憧れすら抱く。

 そういうわけではないのだけど、パスつくの或取舞制作の表紙は全て写真を使用している。別に製作をはじめる時点でこだわりはなかったし、別にイラストでも良かった。記号的なものでも構わなかったんだけど、フォトショを使ってみたい気持ちと、心のどこかで「表紙は写真でやりたい」という思いがあったのだと思う。(あとは、トリアトリエの表紙に強い憧れを抱いたのも大きいと思う)

 ここからは余談だが、自サークル「パスタなら作れます」の新刊「クリーピーパスタ」の表紙は出張中に撮ったもので、利用者も少ない、灯りもほとんどない中で偶然霧が吹き込んだところを撮影した一枚だった。灯りが緑っぽく見えて、それがまた少しズレた世界に迷い込んだ気分になった。まさかそれが次の表紙になるとは思わなかったけれど、そういう風にうまいこと繋がっていくんだと思う。

 執筆面でも、デザイン面でもとても良くできた作品だと思っているので、良かったらぜひ手にとって読んでもらいたい。「@makepasta5」から各作品の序文が読める。退屈はさせないと思っている。

 次回の新刊がいつになるかは正直なところ、まだ未定。大分ハイペースで5年間を駆け抜けてきたので、そういう時もあるだろう。気ままにやるがいいさ。

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