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愛しきラジオ救いのラジオ

 この外出自粛の情勢の中でラジオの聴取率が上がっているらしい。かくいう私もテレワークになってから聞くラジオを増やしている。今回はそんなラジオと私の関係について徒然なるままに書いてみようと思う。

① アニラジとの出会い

 ラジオを聴くようになったのは高校に入学して電車通学になってからだった。高校といっても8年ほど前なので既にスマートフォンは普及しており、まだギリギリでガラケーのパケ放題文化が残っており「ギガが足りない」みたいなことは起きなかったので、動画を見たりゲームをしながら通学することも可能であったが、通学時間の読書が好きだったので空いている耳を使うようになったのだ。
 はじめは音楽を聴いていた。オタクにどっぷりの時期だったのでアニソンばかり聞いていた。ただ、バイトもしていない学生の身分では聞ける曲も限られ、次第に飽きてきてしまった。そんな中で出会ったのが、アニラジだった。
 使っていたのは「響ラジオステーション」と「音泉」である。アニラジというともう一つ、文化放送が提供している「超A&G」が存在するが、当時は利用していなかった。今ではよく利用しているが、使わなかった理由は当時の私があくまでも「電車内で聞きたい」と思ってラジオを利用していたからだ。A&Gは通常のラジオ放送と同じく番組表があり、タイムテーブルに沿って放送していたが、前述の2つのサービスは聞きたい番組を選択し聞くポッドキャストのようなスタイルをとっていたため使いやすかったのだ。

 今ではradikoのタイムフリー機能があるため、地上波ラジオも聞きやすくなっているが、当時はまだなかった。(※調べてみるとradikoそのものは存在していたらしいが、便利なタイムフリーは存在しなかったようだ)
 はじめは声優さんが話しているだけで新鮮だし、当時放送されていたアニメのラジオだと直近の放送回の演じていた時の感想や、ほかの人の演技への感想などを放しておりとても面白かった。しかし、刺激は少なかったように思う。そんな中、あるラジオが自分のその後を決定的に変えたのである。

①-2 『アクセル・ワールド 〜加速するラジオ〜』と『浅沼晋太郎・鷲崎健の「思春期が終わりません」』

 高校で私は吹奏楽部に入っていたのだが、パワハラめいた指導に嫌気がさし、鬱屈とし、辞めようと考えていた。その精神状態にぬるりと入り込んできたのが見出しの二つのラジオである。特に『アクセル・ワールド 〜加速するラジオ〜』はヒロイン役の三澤紗千香さんが当時大学生で、友達がおらず、なんか芸能活動をしていることも少し漏れて嫌味を言われたことを滔々と語り、それをもう一人のパーソナリティである鷲崎さんが広げたり危ないところに差し掛かって急激に閉じようとしたり、共感したり、否定したり、テンポよく進んでいった。全体としては闇をまとっているはずなのに、愉快でとても面白かった。三澤さんの放つ闇にリスナーも吸い寄せられ、アヘン窟のような空間が出来上がっていた。そして自分もその中にズブズブと入っていった。このラジオが配信されていたのは「響」であったが、同時期に鷲崎さんはもう一つ響内でラジオを持っていた。
 それがもう一つ見出しにある『浅沼晋太郎・鷲崎健の「思春期が終わりません」』である。(こちらはA&Gに移動して現在も放送されている。)この浅沼晋太郎さんもアニメのアクセルワールドにレギュラー出演されているので、紐づいたように聞き始めた。浅沼さんは甘いマスク甘い声の声優さんであるので、大体半分くらい女性のリスナーがついていた。男女の違いから発生する「思春期」的な悩みや疑問をよく取り扱っており、部活をやめて枯渇し始めた青春の成分をここで摂取していた感じもする。ここで私はラジオを聴く楽しさを覚えることになった。アクセルワールドに関してはテレビアニメのラジオであったためアニメ放送後しばらくして配信が終了してしまったのだが、アニラジを名乗りながらアニメとは直接関係なかった「思春期」はずっと続いていた。こうして私はラジオを聴くようになった。
その後、聞く量が減ったり増えたりしながらラジオと共にある生活になった。

② radikoのある生活

 時は流れてここ数年は、radikoが発展してきてとても使いやすくなったので、芸人さんのラジオなどを聴くようになった。
 特に好きなのは『空気階段の踊り場』だ。コロナウイルスでテレワークが始まってから発見して聞くようになったので、聞き始めて10か月といったところだろうか?キングオブコントで3位、最近ではバラエティ番組でも活躍しているお笑いコンビだ。借金700万で肥満体型の鈴木もぐらさんと神経質なマザコンのやせ型の水川かたまりさんの出自の違いが生む面白さと同級生コンビなどではないのにもかかわらずなんとも仲の良い感じがするのがとても面白い。ラジオクラウドというアプリで毎週放送のおまけが聞けるうえに第1回からほとんどの回を聴くことができるので、おススメです。特に注目してほしいのは恋愛経験のなかったもぐらさんが、初めて付き合った彼女と結婚し、子供が生まれる過程、一方のかたまりさんが初期で彼女がいることを伏せて、振られて、元サヤになって、公開プロポーズをして、1年足らずで離婚する過程、他人の人生を一身に受けることができる。学生時代に第1回から聞いていたら堪らないだろうなと思う。
 これから来ると思うラジオ、および芸人は『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』だ。テレビで見ることは少ないが、とても面白い漫才をする芸人さんです。『マイナビ Laughter Night』という番組の中で放送されているラジオで、先ほどの空気階段の踊り場はこの枠から抜けて、独立したラジオとなり、入れ替わりで真空ジェシカが担当することになりました。ラジオクラウドでは、単体のラジオとして聴くことができます。radikoや通常の携帯ラジオなどで聞かれる場合には『マイナビ Laughter Night』で探さないと見つかりません。売れない芸人の名前を連呼し、世相は切らないけど社会を斜めに見る感じが癖になる。

③ 今のアニラジ

 再び戻ってアニラジの話をしたい。体系的な話ではなく、あくまでも個人の範疇である。①でも書いた鷲崎さんのファンになった私は基本的に現在はすべてのラジオを聴いている。代表的なのは『鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト』文化放送のネット局超A&Gで月~木の深夜12時から放送されている。月曜日は月間で様々なゲストが登場する。基本はアニラジなので、声優さんか、アニソン歌手の方が担当する。火曜日はprediaというアイドルグループの沢口けいこさん。水曜日は学園祭学園というバンドのボーカルで鷲崎トップオタで弟子ともいえる青木佑磨さんが担当しており、木曜日は週替わりでゲストが登場します。火曜と水曜はある種閉鎖的であるか、テクニカルな単語が飛び交うので、月か木を聴いてもらえるといいだろう。響では『鷲崎健・千葉翔也の今んとこやや好き』が配信されている。20代の男性声優千葉さんとの世代間ギャップや、世代格差があっても一致してしまう感覚とが人の深みにはまっていく感じで面白い。音泉では『鷲崎健・藤田茜のグレパラジオ』が配信されている。おじさんと若い女性という組み合わせでありながら決しておじさんを接待する感じにはならず、鷲崎さんが投げる話題について興味があれば食いつき、なければ切り捨てるという快刀乱麻で軽快な感じがとても面白い。響と音泉は、PCであればリンクを踏むことで聞くことが可能。鷲崎さんはこのほかに3本レギュラーのラジオを持っていますが、いずれもネットラジオなので、少しでもファンが増え、地上波に燦然と輝くのを待ちたい。

④ 人の会話に救われる

 タイトルで「救いのラジオ」と書いてしまった。そんな大それたことではないが、私はラジオに救われた人間の一人だろうと思う。ラジオに、というか鷲崎さんのラジオに救われたのだ。高校の部活動で苦しんでいるとき、その後大学で人と会話ができないとき、ラジオのおかげで人の生きた会話を聞き続けることができた。今はうまくできているかはわからないけど、元気に働いている。冒頭にも書いたが、ラジオの聴取率がこの「おうち時間」によって上がっているらしい。苦しんでいる誰かが、ここに記載したラジオか、それ以外のラジオでもいいから救われるならこんなにうれしいことはないだろう。


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