お高い財布の裏に隠された、血の歴史をあなたは知っていますか?
•ストーリー
今や誰もが知る高級ブランドGUCCI。その華やかさに誰もが目を惹かれる...。しかし、家族経営のGUCCIには血みどろの権力争いがあった!!その問題の発端となったのは、なんと部外者である1人の平凡な女性、パトリツィア。グッチ家の息子、マウリツィオが彼女に恋をしてしまったことで、グッチの経営、そしてマウリツィオの人生は大きく狂っていく。
・映画から学ぶ、明日の話のネタ
1. 経営者の苦悩
経営者って、華やかなイメージがありますが、常人では務まらないほど過酷であることが分かります。家族、友人、恋人。私のような凡人であれば、仕事から解放させてくれる癒しの存在ですが、経営者にとってはそれらも自らの経営人生に影響します。作中に出てくるグッチ経営者マウリツィオは、プライベートで出会った恋人パトリツィアに自らの経営プランをグチャグチャにされ、苦悩します。少しでもプライベートで綻びを見せれば、経営は破綻に向かいうるんです。
隙を見せればジ・エンド。常人には務まらないポジションを務めている彼、彼女らは、とんでもない苦難と努力を経験してきているんだと思います。
2.同族経営の難しさと経営組織の在り方
グッチの歴史はもちろん、この映画からは、会社組織のあり方について学ぶことができます。同族経営って気楽で楽しそう♪というイメージが一気に崩れます。
同族だからこそ、エゴとエゴがぶつかり合い、利権争いが発生するんだと学びました。会社経営には、どのような組織体系がいいのか?について考えさせられます。日本でも老舗家具店が、家族で争っていましたよね。
上に媚びてばかりの、同族経営的な官僚的組織では全く企業が成長しません。その問題に気づき、少しばかり強引でもアクションを起こせる人が、企業の成長、ひいては国家の経済の成長を引っ張っていくんだと感じました。現在、グッチには、家の血をひくものが1人もいません。同族の血を持たない、革新的な人たちが、グッチをここまで押し上げたのです。
3.愛と権力、本質はどちらも同じ
愛と聞くと、ロマンチックな感じがしますが、その本質は、権力と同じ「所有欲」「支配欲」なのだと感じました。パトリツィアは、グッチ家の息子、マウリツィオに恋をし、結婚に至りました。その後、マウリツィオがグッチの経営権を握り、パトリツィアが会社の経営にいつも口を出すようになると、マウリツィオは彼女に愛想を尽かしてしまいます。パトリツィアはマウリツィオの愛を取り戻そうと試み、異常な行動を取るようになります。本当に、マウリツィオの愛を取り戻したかったのか、それともそれに付随するグッチ家での、果ては経済界での権力を取り戻したかったのか。どちらが真実か分かりませんが、愛も権力も本質は同じなのだと思います。人を愛そうとしても、方向や熱量がおかしいと、人は凶暴になるんですね。
まとめ
グッチの歴史はもちろん、企業経営のあり方や、経営者の苦悩、そして人間の本質を学ぶことのできる映画です。
映画の中で、グッチ家の親父が
「日本人は上客だ。穏やかで忠誠心がある」
と言うシーンがあります。
私たち日本人は、グッチのアイテムが好きですが、その華麗なアイテムの裏には、とんでもない歴史があったのだと知っている人は少ないのではないでしょうか。穏やか、という言葉の前に、「無知ゆえに」という言葉が入りそうで、もっと勉強しないとな、と勝手に感じてました。
この映画を見れば、あなたのグッチに対する愛も深まるはず!?