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日本ではSTARLINK MINI を移動中に利用できないのはなぜか?
え?これダメなの??
STERLINK MINI の可搬性の高さやポータブルバッテリーでも可能な稼働等の特性から、うっかりやってしまいそうな移動している車内などでの利用。
なぜこれがNGとなるのかを調べてみた。
注:日本とメキシコのお客様は、現地の規制により、陸地でのStarlinkの移動中の使用は禁止されています。
STERLINK MINI を用いたイメージには、テスラの車窓に固定したり、ピックアップトラックやキャンピングカーなどのルーフに固定して利用しているものなどを見かける。これを見るとやってみたくなってしまう人もいるかも知れないが、この記事を執筆時点では日本でこのような利用の仕方には注意が必要となる。
なぜNGなのか??
少し深掘りしてSTERLINK 利用で注意するべき点を探ってみた。
間違っている箇所等はコメントなどでご指摘いただきたい。
日本でこの辺りのルールを司るのは電波法・確認基準は技適
日本の電波法では、無線機器を使用する際、その機器が技術基準に適合していることを示す「技術基準適合証明(技適)」の取得が求められている。 この技適は、機器の使用環境や用途に応じて、適切な基準に適合していることを証明するものである。
少し詳しい方なら、Wi-Fi 対応機器を日本国内で利用する場合にこの認証を受けている機器でなければならないことをご存じの方もいるかも知れない。
具体的には、海外から購入したBluetooth イヤホンや、国内未発売段階だった頃のApple VishionPro などがこの認証に通っていない機器であっため無申請での利用はNGとなる。
大まかには海外から直接入ってきた無線接続機器は技適認証がされていないものがほとんどであると考えられるため一般的には国内利用は電波法違反と言うことになる。
よって、ザックリ言うと、それらの認証をクリアする手続きが行われ、一般的に日本版として発売流通している機器であれば問題ないことになる。
ここで取り上げているSTERLINK やSTERLINK MINI なども、その限りとなるため、Wi-Fi の技適認証はクリアされていることになる。
技適認証にも種類がある
一般的にIT機器に趣があるひとに認知がある技適は、Wi-Fi 利用に関するものがイメージされやすい。しかし、電波はWi-Fi のみではない。よってそれぞれの種類の電波利用に技術基準適合証明が存在する。
STERLINK などの衛星経由のインターネット通信機器にの場合、単に無線LANルータや携帯端末とは異なり、衛星通信等の電波を用いるためそういう点で特殊であり、別の技適認証も必要となる。
次の表は、STERLINK では必要と考えられる技適認証の区分や種類について整理してみた。
衛星通信機器に関連する技適認証の種類と用途をまとめてみた
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STERLINK は移動中の使用に関する技適認証が取得されていない
表のまとめより、STERLINK の利用に関して技適観点のポイントは次の事項。
STERLINK はWi-Fi機能(2.4GHz・5GHz)や固定局(地球局)としての技適は取得済み。
移動中の使用には「携帯移動地球局」や「移動体通信向け技適」が必要だが、未取得のため移動中利用は禁止。
5GHz帯のWi-Fiは、日本では屋内専用のため制限あり。
現時点では、移動中の使用に関する技適認証が取得しされていないため、移動体での使用は法律上認められていないこととなる。
現状では、静止した状態の場所で固定して(一般家屋等の屋根に設置して)利用することが想定され、まずはその利用シーンをクリアした状態となっていると考えられる。
よって、このまとめ時点の日本では、電波法(技適)に基づき、STERLINK を移動中の車両や列車内で使用することは禁止されているという立て付けとなるようだ。
参考文献
https://www.starlink.com/jp/support/article/50e933eb-54f5-1a77-cc85-c6c8325564cf
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/
https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/equ/mra/pdf/28/05.pdf