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【出版のミライ⑫】芦田愛菜さん、Nizi PROJECTに学ぶ

【エッセンシャル出版社の考える「出版のミライ」⑫】

最近、芦田愛菜さんの「信じるとは」という趣旨のコメントが話題になりました。また、日韓ガールズグループプロジェクト「Niziプロジェクト」も、大きなヒットを記録しています。”いま”話題のことから”時流”を感じていきたいと思います。

こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。

私が、”本づくり”をしていく上で、日々、どのようなことを考え、どのような目的で本をつくっているか、記事風に残していきたいと思います。

【プロフィール】
大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。

エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/

少し前に話題になった芦田愛菜ちゃんの「信じる」という言葉の意味について考えてみたいと思います。

「『その人のことを信じようと思います』っていう言葉ってけっこう使うと思うんですけど、『それがどういう意味なんだろう』って考えたときに、その人自身を信じているのではなくて、『自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかな』と感じて」

「だからこそ人は『裏切られた』とか、『期待していたのに』とか言うけれど、別にそれは、『その人が裏切った』とかいうわけではなくて、『その人の見えなかった部分が見えただけ』であって、その見えなかった部分が見えたときに『それもその人なんだ』と受け止められる、『揺るがない自分がいる』というのが『信じられることなのかな』って思ったんですけど」

「でも、その揺るがない自分の軸を持つのは凄く難しいじゃないですか。だからこそ人は『信じる』って口に出して、不安な自分がいるからこそ、成功した自分だったりとか、理想の人物像だったりにすがりたいんじゃないかと思いました」

「芦田愛菜「信じる」が中国人も称えるほど深い訳」より
https://toyokeizai.net/articles/-/374895

その人にも、そういう側面もあったんだなと思い、自分自身が揺らがなければいいと愛菜ちゃんは言っていました。

この発言を聞いて思い出したのは、大久保寛司さんの書籍『あり方で生きる』に出てくる「人は多面体である」という言葉です。つまり、自分にとっていい人が、誰に対してもいい人であるということはなく、自分にとって悪い人が、誰にとっても悪い人ではないということです。

例えば、後輩いびりをしている同僚が、自分にも意地悪なことを言うか?というとそうでないということもあります。逆に、ある人は、自分には当たりがキツイけれど、他の人には優しいということもあります。人のどの面を自分は見るか、人はどの面を自分に向けているか、その違いだけで、おそらく全面真っ白という人がいないように、全面真っ黒という人もいないのではないかと思うのです。

多様性を認めようという世の中ですが、「人それぞれ」ということだけでなく、「1人の人の多面的な部分」も受け入れられるようになると、より豊かな社会になるのだろうとも思いました。

『オフ・ザ・フィールドの子育て』の著者:中竹竜二さんも、期待ではなく要望になっていることが多いということを↓コチラ↓の記事で述べています。


もう一つ、現在、大きな話題になっている、人気の日韓ガールズグループプロジェクト「Nizi PROJECT」について、見ていきます。

「Nizi PROJECT」のプロデューサー・J.Y.PARK氏の謙虚さ

◎人気プロデューサーなのに、謙虚さを大切にしている
◎アイドルも「あり方・人柄」の時代になってきている

「コンセプトは必要ないです。僕たちはみんな元々特別だからです。だから、ただ自分らしくありのままでいてください」

「ダンスや歌に劣らず持っていてほしいのは、立派な人柄です。カメラの前でできない言葉や行動は、カメラがない場所でも絶対にしないでください。気をつけようと考えないで、気をつける必要がない、立派な人になってください」

J.Y.PARK氏の言葉より

このプロジェクトでは、ひとりひとりの練習生に対し、「ありのままの自分」でいられるように、「自分自身のあり方」をカメラが回っていない時から考え、実践していくことが求められています。アイドルであるにも関わらず、歌やダンスだけでなく、「自分自身のあり方」こそを大事にするという考えで進められているのです。

技術という目に見えるところ以外を大事にすることで、技術がより美しく豊かに見える、人が輝き、人に喜びを与えられる芸術になるのだそうです。

更に、「スターになる人とは、どんな人なのか?」「心動かされるパフォーマンスとはなんなのか?」というプロとしての視点、努力の方向性を考えるということを大切にしている点も素晴らしいと思いました。

「もし、ここで脱落したとしても、皆さんが特別ではないということではありません。このオーディションはある特定の目的に合う人を探すだけで、皆さんが特別かどうかとは全く関係ありません。みんないつか、この世の中で自分のありのままの姿が特別なんだと、分かる時が来るはずです。一人一人が特別でなかったら、生まれてこなかったはずですから」(J.Y.PARK氏)
この言葉には、オーディションやコンテストなど、評価、合否が出るものについて、評価に振り回されて自分を見失わないようにという意味が込められています。

道はいろいろあって、一つではないのです。このタイミングで不合格だったということは、その人の本質には一切関係なく、ただ、今は合っていなかっただけ、このプロジェクトの目的には合わなかっただけということなのです。

10代の頃、本当にヒドイ人生を送っていたという人が、30代になって、もしくは50代になって生き方がガラっと変わるという人もいます。

高校生の頃まで、何一つ「頑張る」という経験をしてこなかった人が、同い年の石川遼君の頑張りを見て「今までは負け続ける人生だったけど、ここからは変わろう!」と決めて、頑張り始める人もいるのです。(今やトップYoutuberのヒカルさんの例です)

いずれにせよ、全ての人生経験には、意味があるということですね。

以前、ヒカルさんは、「美意識が高い人は尊敬する」ということを言っていました。その理由は、「美は一日にして成らず。日々、変わっているか変わっていないかもわからないようなものに対して、努力を重ねているから」ということでした。

本当にその通りで、ほとんどわからないものに対しても、日々、ほんの少しの差を意識して、数年続けたとしたら、もう、「少しの差」とは言えない程の差ができてくるはずです。

今、ものすごい勢いで変化をしている時代に、パッと見の変化が感じられないような点も意識ができること、言い方を変えれば、スキルやテクニックといったやりかただけではなく、「あり方にも向き合い、意識し、高めていくこうとすること」は、一見、遠回りに見えますが、間違った方向への努力でない限り、目的地に向かう一番の近道なのかもしれません。

(まとめ)

芦田愛菜ちゃん、Niziプロジェクトといった側面から感じられる、
時代の流れとしては、
・信用するには、揺るがない自分を持つことが大事
・人の多様性だけでなく、一人の人も多面的であるということを認める
・何かでプロを目指すときには、正しい方向への努力と共に、「自分という一人の特別な人間としてのあり方」も考えていってこそ輝ける

このようになっていっているのではないか、と思います。

これから、目に見えないもの、パッとわかる成果が見えにくいものこそを大事にする時代になるのかもしれません。

エッセンシャル出版社は、これからの時代、「あり方」を整えてこそ「やり方」がより生きてくるのではないかという仮説のもと、目に見えにくい「あり方」を大事にしていくことを、書籍にしたり、発信したりしています。

今後も、常に時流も俯瞰しながら、「自分らしさ」「多様性と一人一人の多面性」「あり方を整えることの大切さ」について、著者、読者の皆様と一緒に考え、実践していきたいと思います。

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