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伝説のメンター・大久保寛司's RADIO「あり方研究室」VOL.22 「誰もが幸せになる販売のあり方」

大久保寛司さんのRADIO「あり方研究室」!
第22回のテーマは「クレームは人を成長させる」です。


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■VOL.22「誰もが幸せになる販売のあり方〜クレームは人を成長させる 〜」GUESTは、伝説のカリスマ販売員・茂木久美子さん。前編です。

こちらからお聞きいただくことができます。↓


大久保寛司さんは、長年、日本中のいい会社と呼ばれるありとあらゆる企業を訪問し、その本質を洞察し、その経験を活かして、多くの経営者から師と仰がれ、のべ10万人以上の人の行動を変容させてきた「伝説のメンター」と呼ばれる方です。

2020年以降、これからは「風の時代」になると言われています。
所有から共有へ、ひとりひとりの個性・オリジナルが尊重される世界へなど、「ジャッジしない」「本質的なつながり」の時代が到来するようです。

そして、令和の時代、そしてWithコロナの時代は、「あり方」の時代になっていくと思います。

これまでは、目を外に向けて、社会の中でどう上手くやっていくか、どうしたら、この社会に適合し、成功するかといった「HOW TO=やり方/LIFE STYLE」がフォーカスされ、よりよく成長しながら生きていくという視点が主流でした。

これからは、指を自分に向けて、ありのまま、あるがままの自分とつながって、日々、自分はどうありたいかという「BEING=あり方/LIFE STANCE」をセンターにして、自然に豊かに生きていくという観点にシフトしていくのではないでしょうか。


〜この研究室は、私が皆さんと共に学ばせていただく場です〜大久保寛司

「あり方」について、「教えてほしい」という姿勢ではなく、自分なりに考え、学ぼうとする方は、皆さん、この研究室の研究員です。
共に学んでいきましょう!



今回のGUESTは、茂木久美子さんです。

【茂木久美子さんプロフィール】
伝説のカリスマ販売員/ 元山形新幹線「つばさ」 車内販売員

茂木久美子さん

山形新幹線車内販売員時代の2005年、東京ー山形の1往復における1人あたりの平均売上は7~8万円のなか、1往復半で50万円の売り上げを達成。その群を抜く売上が評価され、2006年10月には、最年少でJR東日本管内の車内販売員約1300人の中で3人しかいないチーフインストラクターに抜擢される。 「車内販売のカリスマ」として、テレビや新聞など様々なメディアで取り上げられ、車内販売員、そして後進の指導をする傍ら、講演活動を行ってきた。2012年5月からは、車内販売員を引退、NREを退社し、講演・セミナーを中心に活動を展開する。

■茂木久美子さん


VOL.22のRADIOから、一部内容を抜粋してご紹介します。

VOL.22
「誰もが幸せになる販売のあり方
〜クレームは人を成長させる 〜」

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大久保:皆さま、こんにちは。「あり方研究室」へようこそ。
今日のゲストは、かつて、山形新幹線のいわゆる車内販売員としてものすごい活躍をされて、今は独立されている茂木久美子さんにお越しいただきました。久美子さん、こんにちは!

茂木:こんにちは。

大久保:久美子さんは、新幹線での販売で、いわゆる売上を極端に上げたということで、テレビに出たり、雑誌に出たり、いろいろなところから引っ張りだこになったりされていましたが、今は何をされていますか?

茂木:今はおもに講演会が一番多くて、後は研修もやらせていただいたりしています。ちょっとうまく言えないんですけど、「感性を高める」みたいな感じで、研修をオリジナルにつくっています。
私は、あまり、形にはまった接客ではなくて、もちろんそれはベースで大事ですが、そこから越えて、もっと感性でお客様に接していくようなカタチ。
例えば、その人がお客様のことを「大好き」なら、どういう大好きがあってもいいから、その気持ちをバーン!って伝えるとか、恥ずかしい気持ちをもっと出していいんだよとか、自分の殻を割っても大丈夫だよといった安心な場を作って、「みんなできなくて当然、失敗してもいいんだよ」というあえて失敗するトレーニングみたいな研修をしています。

大久保:なるほどねぇ。
スキーでいえば、最初にまず転ぶ練習をしたほうがいいんですよね。
安全に転ぶ、転び方をマスターしてから滑るほうがいいので、それと同じように最初に失敗させてしまう。でも、大丈夫、むしろ、挑戦したことがすごい!ということで、自分のできなかったことができるようになるんですね。

久美子さんは、高校を出て、すぐ、新幹線の販売の会社に入られたんですよね。東京ー山形間の新幹線に乗って、普通は、当時の販売員の方の売り上げというのは、大体、どのくらいだったんですか?

茂木:列車や時間によっても違いますが、東京-山形間の新幹線に1往復、6時間乗って、3万円から7万円が平均という感じでした。

大久保:18歳の時に販売員になって、結構、すぐに業績を上げたんですよね?

茂木:最初の頃はそうでもなかったんですが、途中から、売り方が変わりました。半年目ぐらいから、いろいろなものが、変わっていきだしたんですよね。

大久保:いろいろというのは、どんなものですか?

茂木:たくさんありすぎるんですけど、本当に「働く」ということ全部が面白くなりだして、半年ぐらい経ってからは、会社外の人や取引先の方々ともすごい仲良くなって、全部が変わりましたね。

大久保:売り方を変えたんですね。いろいろ工夫をされたんですか?

茂木:工夫しました。後ろ向きで販売をしたり、お釣り銭の早業をしたり、あと、方言を使ったり、ワインを持ってその車内を「ワイン列車」のような空間に変えるワザを見つけたり(笑)。

大久保:「お釣銭の早業」というのはどういうことですか?

茂木:それは、お客様からのクレームから始まるんです。
クレームというか、お客様からのありがたいお言葉ですね。
それまで、いつもですね、「お前は回ってくるのが遅いんだ!」とお客様に言われていたんです。

大久保:確かに、たぶん、私だけじゃなくて、皆さん、「車内販売、いつ来るんだよ」って待っていますよね。

茂木:私は車内販売員側なので、なかなか待っているっていう感覚がわからなかったんです。でも、「私が行かなきゃ、買えないんだよな」とも思ったですし。ただ、最初は、ずっとごまかしていたんです。
「(そう言われても)私一人しか車内販売は、この新幹線に乗ってないのよね」とか思い込もうとしていました。
だから、「すみません、一生懸命回っているんですけど」ぐらいの気持ちを持ってごまかしながら、「すみません、すみません」と言いながら回っていたんです。
ただ、「私はこの言葉をずっとこれからも続けていくのか?」と思ったときに、「もっと早く回れるようになるにはどうしたらいいのかな?」と考えるようになったんです。

大久保:なるほど。別に売上のためにではなく、お客さんが待っているのに行けていないから、もっと早く行けるようにするにはどうしたらいいんだろう?と考えたんですね。

茂木:当時、お客様と私は、会話とかも楽しめる時間が結構あったんですよ。

大久保:そもそも、販売員の人って、そんなにお客さんと会話を楽しむことってないと思うんですが、久美子さんは楽しんでたんですね(笑)。

茂木:はい。楽しんでたんです。それでも、「もっと早く来い、遅い!」って言われるので、早くするための工夫として、会話の時間を少し削らなきゃいけないんだと思ったんです。

たぶん、いろいろなビジネスで、「質問が多いベスト5」ってあるじゃないですか?それでいうと、私たちも、「トイレはどこ?」とか「電話をかけたいんだけど?」とか「乗り場はどうしたらいいの?」っていうのが結構多かったりするんですけど、会話以外のそういう部分を、ちょっとずつカットしていこうと思ったんですね。
それで、とあるお客様に、「トイレどこ?」って言われたときに、「あっち!」って言って、そのままお客様との会話の時間をプツンと切って接客をしてしまったんです(笑)。

大久保:お客様に「あっち!」と言って、スーって行っちゃったんだ(笑)

茂木:その時にお客様がものすごいキョトンとしてたんです。
「何、この今の説明!?」というお顔で。
これはちょっと申し訳ないなと思って、「ちょっとすみません」と謝りに行ったんですね。
そうしたら、謝りに来た私にたぶんお客様はさらにびっくりして、
「君に訊きたいんだけど、なんで、『あっち!』ってあんなに猛スピードで
冷たい対応で行ってしまったんだい?」と。
それで、私は、「いつもお客様から、『来るのが遅い』と言われるから、お客様との会話の時間をちょっと削ったんです」という風に説明したんです。
そのお客様は本当に優しくて、結局、私の悩みを聞いていただいたんですけど、ちょっと考え込んで、「なるほど、君ね、答えを言っているよ」と言われたんです。
「答えって何ですか?」と言ったら、
「君が今削った時間は何の時間だ?」と聞かれて、
「えっ、だから、お客様との会話の時間です」
「でしょ!君、お客様との時間じゃなければ、誰の時間を他に削らなきゃいけないの?」と指摘されたんです。
そこで、「あー 私だ!」と。
お客様との会話の時間は、お客様の時間であって、削るのであれば、自分の時間でもったいない時間、ロスの時間を探さなきゃいけなかったんだ!と気づいたんです。

その時から、自分の時間、サボってはいないけれど、もったいない時間が落ちているはずだと考え始めました。
その時に、お支払いのときには、一人に7秒から10秒、15秒という時間がかるんですが、お支払いをお待ちしている時間、ボーッと外の景色を眺めている自分がいたことに気づいたんです。
「今日、天気いいな、福島」とか「大宮、今日富士山見えるなあ」とか。
お客様とやりとりしている間、私はお金を出されるまでボーッとしていたけれど、出される前に、お客様のお財布の中身はちょっと見ないですけれど、(手が)お札に伸びるか小銭に伸びるかで、「いくら出されるかなー、まず予想ができるなー」と思ったんですよ。
予想すれば、今度は、たとえば、300円(の商品)に、1000円が出るのであれば、700円を準備することができるなあと思ったんです。
それで、外を眺めていた時間を、予測して準備してちょっと待っておく時間にしようと思って、私たち販売員は、エプロンの中に現金を入れていたので、ポケットの中で、手の感覚で準備して、お客様が1000円を出した瞬間に、お釣り銭をパーッと出せるような状態にしたんですよ。

大久保:つまり、ポケットの中に手を突っ込んで、それだけで、釣り銭を勘定できるようにしたということですか?

茂木:そうなんです。最初は、手の感覚が掴めず、何度も失敗しましたけど。

大久保:そうすると、向こうがお札を出した途端、釣り銭をパッと出せるわけだ。でも、お釣りがすぐに出ると、お客さんもびっくりするんじゃない?

茂木:しますねぇ。
「何でわかるの!?」って、三度見くらいされました(笑)。
そこから、お釣り銭の早業が生まれたんです。


(つづく)

✳︎茂木久美子さんとの対談は、中編に続きます。


✴︎「あり方研究室」は、音声でも配信しています。

■「あり方研究室」VOL.22音声配信


大久保寛司(おおくぼかんじ)
「人と経営研究所」所長

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日本IBMにてCS担当部長として、お客様重視の仕組み作りと意識改革を行う。退職後、「人と経営研究所」を設立し、20年間にわたり、人と経営のあるべき姿を探求し続けている。「経営の本質」「会社の本質」「リーダーの本質」をテーマにした講演・セミナーは、参加する人の意識を大きく変えると評判を呼び、全国からの依頼が多数寄せられ、延べ10万人以上の人々の心を動かしてきた。
特に、大企業・中小企業の幹部対象のリーダーシップ研修、全国各地で定期的に開催されている勉強会では、行動変容を起こす人が続出している。
著書に、『考えてみる』『月曜日の朝からやるきになる働き方』『人と企業の真の価値を高めるヒント』など多数。

大久保寛司著「あり方で生きる」

■書籍「あり方で生きる」には、章ごとに、大久保寛司さんの音声ナビゲーションが付いています。

「はじめに」「おわりに」の部分は、下記から無料で聴けますので、
よろしければ、こちらから、お聴きいただければと思います。

■「あり方で生きる」音声ナビゲーション

✴︎

VOL.22のお話に関連する「あり方で生きる」の中の1項目です。

7「知恵と愛と推進力」

7 知恵と愛と推進力


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