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【出版のミライ⑮】共創するとは、自分を生きること

【エッセンシャル出版社の考える「出版のミライ」⑮】

エッセンシャル出版社は、理念に「本質を共に探求し」「共に創造していく」ということを掲げています。

今回は「共に創造する」という点について、考えていきたいと思います。

こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。

私が、”本づくり”をしていく上で、日々、どのようなことを考え、どのような目的で本をつくっているか、記事風に残していきたいと思います。

【プロフィール】

大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。
エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/

本は、今の時代に大変「コスパが悪い」と言われる商品です。いろいろな人が、ものすごく長い時間をかけて作るのです。その時点で「共創」と言えば「共創」なのですが、編集者は基本的に1人のことが多いのも特徴です。(漫画を除く)

一人の編集者が、企画立案から著者とのやりとり、各部署、デザイナーとのやりとり、販促案なども基本的には全て一人でやります。

各部署やデザイン事務所・編集プロダクション・校正者・印刷所などと一緒に作っているともいえるのですが、自転車操業が業界の常となっている現在、とにかく、少数で書籍を仕上げるということがメインになっているようです。

私自身は、他の出版社で働いたことがないのでわからないですが、自転車操業から抜けにくい仕組みの出版業界なので、想像に難くありません。

その業界の仕組みから脱却するために、エッセンシャル出版社が取っている方法は、「編集者」が複数いて、著者も含めたチームで書籍を制作するという方法です。

効率という面で見るとたしかに劣るのですが、より良い本づくりということを考えたときに、複数の編集者がいるという方法を採用しています。

たとえば、漫画の編集などは、著者が行き詰ったときなど、複数の編集者と著者がストーリーや見せ方についても検討して練り上げていきます。また、アニメーションを作っているピクサーでは、3チームくらいの制作チームがいて、場面ごとにどのような見せ方がいいか、それぞれの絵コンテを持ち寄って、監督が、その中からベストの場面を、その都度、採用していくという方法をとっています。

この方法は、1つのアニメーションをつくるのに、3本分(3倍以上)の労力をかけているとも言えます。しかし、より良いものをつくるという点で考えてみると、それぞれのチームが切磋琢磨することで、成長を促す、多様な考えや視点を導入しやすいことで、作品の質は高まる、少数に依存しないことで、自由で新しい発想を取り入れやすいなど、良い方法なのではないかと思います。

エッセンシャル出版社が、複数の編集担当者を採用している理由は大きくわけて2つあります。

1つ目は、チームでつくることによって、よりブラッシュアップされた作品になるという視点。

2つ目は、ひとりひとりの凹凸の凸の部分を伸ばしやすいからという視点。

どういう意味かというと、書籍の制作過程には本当にいろいろなことがあります。たとえば、コンテンツの方向性や概要が決まっていたとしても、どのような目次構成や表現としてまとめていくか、タイトルは、キャッチコピーはどうするか、写真やイラストを入れるとしたら、どんな写真やイラストがいいか、用紙はどのようなものを使うか、どんなデザインのトーンでいくか、どんなフォントを使ってページデザインはどうするか、表紙はどのような印象を与えるものがいいかなどなど、制作における思考・選択・決定のプロセスは多岐にわたります。

しかし、これらひとつひとつのこと全てに、100%の判断基準を持っている編集者は少ないのではないでしょうか。「私は「この部分」には絶対にこだわっている」ということは、編集者それぞれによって違います。
タイトルに強いこだわりがある編集者もいますし、用紙やカバーの紙質に強いこだわりを持つ編集者もいます。
つまり、編集者によって、強みや特性は違うのです。
それが悪いわけではないのですが、逆に言うと、1人の編集者が全てを判断しなくてはいけない体制では、その編集者がこだわりのないことについては、「これだ!」という決め手がないままに、時間に追われて、決めざるを得ないこともあるのです。

複数の編集担当制の場合、一緒に担当している編集者同士が、それぞれ別の部分にこだわりを持っているとしたなら、各自が、自分の強味・こだわりポイント=凸部分に特化して、より注力できるということになるのではないかと思います。

共創することの価値とは、単純に「分業しましょう」ということではありません。

「共創」とは、自分らしく、自分を生きるためにもあるのです。
つまり、エッセンシャル出版社にとって、それぞれが自分らしく、自分の強味をより活かして本づくりをするための「共創」なのです。

(まとめ)

共創とは、
1、チームで創ることによって、自由で多様な視点で、より良いものを生み出していくこと

2、それぞれが自分らしさを活かし、自分の凸を伸ばし、自分を生きること

「共創」というと、ついつい、人と共にどう価値創造していくかということの方に視点はとらわれやすいですが、実は、「共創」には、自分の凸=強み・個性を活かし、それぞれの多様な凸を受け入れていくという視点もあると思います。

今後も、エッセンシャル出版社では、これからの時代、ますます必要になってくる「自分らしさを大切にすること」「自分を生きることの喜び」「多様で豊かな社会の実現」を出版を通して実現していくためにも、「共創する」ことの意味を探求していきたいと思います。

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