【編集のススメ】第1の法則「ライバルは結婚式の花嫁の手紙です」
〜人はみなこの世界を編集して生きている〜
「人は、日々、自分の人生やこの世界の認知を編集しながら生きている」 様々な思考法、考え方が世の中にはありますが、私たち的には「編集思考」が、全ての人々のOSとしてセットされているのでないかなと考えています。 しかし、多くの人が、内なる「編集思考」を無意識に使っているため、自らの「編集思考」のスタイルに気づかず、仕事や人生の技としてもあまり使えていなくて、もったいないとも感じています。世の中には編集の達人が数多くいることに驚くと共に、それを意識していない人も多いのです。 クリエイティブやコンテンツだけの方法論としてではなく、子どもから大人まで、多くの人にとって、これからの時代を楽しく生きるための「編集のススメ」講座です。
presented by 【エッセンシャル出版社・価値創造部】
エッセンシャル出版社の公式部活「価値創造部」。
自分を、人生を、世界を、学び遊びながら探求し、
「次代の物差し」という価値を創造していくプロジェクト集団です。
講師:ISOO(イッソー)
世界中を旅しながら、「コトバの神秘」を探求している、編集プロデューサー。上智大学外国語学部出身。エッセンシャル出版社価値創造部員。
まず、多くの人が、誰かに何かを伝える際に、自分の想いや考えを編集しています。今回は、そもそも、「伝える」とは何かというところから始めましょう。
「伝える」と「伝わる」の違いは、わかりますか?
本来、コミュニケーションや表現の目的は、「伝える」ことでしょうか?
それとも、「伝わる」ことでしょうか?
伝えたい。でも、伝えようとすればするほど、伝わらない。
往往にして、そういうことが起こります。
伝えるは主語的発信目線。
伝わるは述語的発信目線。
例えば、読んだ本の面白さを必死に「伝えよう」とすると、それは押し付けになったり、受け取りづらくなったりします。
極端に言えば、何もしなくても、その人が熱中して面白そうに本を読んでいるだけで、周りの人は興味を惹かれ、その本の面白さが自然に「伝わる」ものです。
それが、主語的発信目線と、述語的発信目線の違いです。
まず、これが基本です。
そこで、「ライバルは結婚式の花嫁の手紙」です。
たった一人に向けた、たった1人のためのメッセージ。
例えば、あなたがある結婚式に出席したとします。
花婿は知っているけれど、花嫁は初対面。
そのとき、花嫁の結婚式で読まれる「お父さんやお母さんに向けての感謝の手紙」。
まったく知らない人の、決して文章が上手いわけでもないし、「お父さんと一緒に乗った三輪車の話」や「お母さんに作ってもらったお弁当の話」など、超プライベートで誰も知らないエピソード、そして、伝え方もたどたどしくて流暢でもない話。
たった1人(もしくは2人)の人に向けたメッセージ。
でも、周りはみんな号泣します。その人を知らなくても、エピソードが別に普通でも、話し方が下手でも、「感謝」や「喜び」がはっきりと伝わります。
それが「1人の法則」です。
たった一人に向けて「伝える」と、時に、それは多くの人に「伝わる」ものになるのです。
「もっとも個人的なことこそが、もっとも普遍的なことなのだ」
〜アメリカの心理学者カール・ロジャーズ 〜
音声による詳しい解説はこちらから。