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親父の肩たたき

こんなコロナ渦の中、今年のお正月ぶりに実家に帰省をした。

なんだかんだで3ヶ月に1回ぐらいのペースでこれまで帰省をしていた、実家大好きニンゲンの私が、
9ヶ月も帰省をしないというのは、未知のウイルスに犯されているこの世の中の混乱をより感じ取ることができるだろう。

それはそうと私は転職により今の会社を退職し、
有給消化中の身である。

久しぶりにまとまった休みが取れた為、コロナ対策を万全にし、約9ヶ月ぶりに実家に帰った。

そして約1週間実家から特に出掛けることもなく、休暇を過ごし、今は帰路につき、東京行きののぞみの車中である。


題名にある通り、帰省最終日の夜、小学生ぶりに親父の肩たたきをした。

あの頃は大きく見えた親父の背中もどこか哀愁が漂い、今では50歳手前のやつれたおっさんの背中だ。

髪の毛は白髪が増え、これまでの苦労が窺える。

そんなことを想いながら肩たたきをしていると
「押す力強なったなぁ」
嬉しそうに親父は言った。

嬉しそうな親父を見て私も嬉しくなった。

肩たたきが終わると親父は
「小遣いやるから財布とってくれ」
と言った。

そういや小学生の頃、肩たたきをすると必ず小遣いをくれた。だいたいいつも100円。上手くできたときは500円貰ったこともあったかな。

そんな状況を懐かしんでいると親父が
「はいよ」
と言って小遣いを私に手渡した。

手にとったお金を見ると

諭吉が2枚💴

「ありがとう」
そうひとこと言った私はその足でコンビニに向かい、
LINEプリペイドカードを2万円分購入した。

そして、スタンプを腐るほど買い漁った。

そう、何を隠そう私はスタンプを買いすぎて
消費者金融に借金をしている。

押す力が強くなったのは、毎日ランダムで誰かしらにスタンプを連打しているからだったのだったのだった。

おしまい。

ごめんな、親父。
こんな息子で。
いつか絶対返すから。

施されたら施し返す、恩返しだってばさ!



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