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絶対ではないけれど〈コップ一杯の夢と適量のノンフィクション〉

玉ねぎは世界を救うと思っている、食材界の。とりあえず入れておけばカサ増しになり、それなりに甘みもあり、なにより価格は安定していて万能野菜の一つではないだろうか。

そんな玉ねぎにも花言葉があるようで、環境を問わず適応し育つため、その強さから「不死、不滅」と言われている。
とはいえ切ると涙が出るのは難点で、どうやら万能とは断言できないみたいだ。

どんな花も散りゆくように、命には果てがある。絶対は絶対にないが、それもまた絶対ではない。知らんけど。

寿命と言う名の下り坂でも、花束を持つと気持ちは前に向かえる。花は散り際が美しいと感じる人もいるように、潔く終わりを迎えたい。

だからこそ会いたい人には今のうちに会っておきたい。
何時間でも続くメールより5分だけでも電話したいし、1分でも直接話しておきたい。

別れ際は名残惜しく、まだまだ話していたくなる。潔くないじゃないか、いや「絶対」と断言はしてないし、感じるままに素直でいればいい。

そして一人になり視界がボヤけたのは視力が悪いせいか、涙で滲んでいるのか。はてさて、玉ねぎを切った覚えはないが。

また会いに行こうか。

絶対ではないけれど。

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