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どこに行き、誰と会おう(コップ一杯の夢と適量のノンフィクション)
数年前に「絶対呑みに行きましょうね」と言ってた後輩とは未だに行けてないし、親友だと思ってた人とのメールは2年経っても未読のままだ。ある人には3回ほど誘いのメッセージを送ったあたりで遂には既読無視されてしまった。社交辞令だと分かってたしSNSの投稿を見る限り幸せそうな日々を送っているみたいだから、まあいいのか。無表情でイイネを押しておく。
「またいつか」なんて実現するのは難しく、「じゃあいつにしよう」と聞くと難色を示される。だったらこちらから会いたい人に会いに行く。学校は最大の合コンだと誰かが言っていた。いや恋人というよりは歳の近い友達が少ないという意味で出会いがない。社会人になると人と会う機会が減るし、結局は自分から動き出さないと何も変わらない。
約束を作って会うのも好きだし、一期一会の偶然も好きだ。約束してるとその日に向けて頑張れて、計画してる段階で既に楽しい。みんなあの頃と何も変わっていないようで、中身はきちんと大人になっている。年相応の自分になれているだろうか。
一方で別れた後には一抹の寂しさ残る。それは帰宅途中だったり、自宅で黄ばんだ壁を見つめながら食べる食事だったり、ふとした瞬間に訪れる静けさだったりする。別れるのがいやになる(ストーカーではない)。
出会いを求めて外食することもあるが結局1人になる方が多い。居酒屋で隣の席の人と巡り会えば嬉しくなる。お酒の力で絡むよりも喫茶店でお喋りしたいのだが、夜が圧倒的に出会えるのだ。とはいえ私はソフトドリンクだから喫茶店とそんなに変わらないのかもしれない。
遠くへひとり旅するのも好きだ。知っている人が誰もいないから多少は羽目を外すことができ、今まで知らなかった自分に出会える。そしてもう二度と出会うことは無いであろう人達と語り合う。当たり前だが、色んな人がいるなと実感する。
長い人生、一年や二年の遠回りなんて大したことないのかもしれない。遠回りに思える道のりでもあの経験は無駄ではなかったと思える日が来る、などというのはあながち本当みたいだ。
さて、今度はどこに行き、誰と会おう。