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引っ越し業者さんの「実業」っぷりを見たら悲しくなったよね【システムエンジニア】

先日、引っ越しが完了しました。
あとはなんか色々住所変更やらなんやら、箱の開梱をすればぼちぼち我が城は完成するってなもんです。

しかしながら今回、衝撃的というかハッとさせられたことがあったのでこれは書かねばならんと思いキーボードをカタカタとしています。
それは引越し業者さんの「実業」っぷりです。

私はよく同業の友人とシステムエンジニアを「虚業」と評します。
もっと言うと、私はシステムエンジニアという仕事を「学歴や能力が無い人間が最大限に稼げる虚ろな職業」というのを10年ぽっちのキャリアで決定づけているフシもあります。
反論は受け付けますが、事実として「なんだかよくわからない物的に存在しないものをパソコンをかたかたして作って売りつける」なんてのは虚業も虚業だと思うってことです。
お客さんが集めたデータを適当になんやかんやしてえいやってすることを「製造」と呼ぶ不自然さですよ。
世界で最もAIにとってかわる仕事がシステムエンジニアです。虚業でしょこれ。

それと違って、今回の引越し業者さんはすごかった。
私はマンションの五階から五階(エレベーターなし)とかいう軽い拷問を、お金を支払うことによって引越し業者さんに強いました。
寒くなってきたこの時期だというのに、業者さんは汗だくでひーひー言いながら私の虚業で稼いだ本やらマンガやらを運んでくれました。
なんの文句も言わずにですよ。すげえや。

お金とかそういうのじゃない、この気持ちはなんなのでしょうか。
私と業者さんはもちろんお互いが納得した金額で契約したので、そりゃあやることはやってもらうわけですが、彼らの仕事っぷりを目の当たりにするとどうにも「なんかシステムエンジニアやってんの格好わりいな」と思ってしまうわけです。
いま眼の前に存在して触れる「物」を「運ぶ」。
これだけシンプルで、虚業に勤しんだ贅肉だらけの私にはできない行為。
なんだかそこに尊さすら感じてしまいました。

これこそ「実業」です。
本来の意味とは違うかもしれませんが、我々システムエンジニアみたいなパソコンをかたかたして偉そうに横文字を連呼するオタクくんとは違うパワフルで「生」に溢れた仕事。
これこそが人のための仕事なんじゃないかと感動してしまったという次第です。

合わせてやってきたエアコンの着脱業者さんも格好良かったです。
「実用」に満ちた車で「実用」に満ちた服を着て「実用」をしてくれました。
これから暖房をつけるたびに業者さんの顔を思い出すでしょう。
冷房をつけるたびに感謝するでしょう。

そんなことをされるとなんだか感化されてしまいます。
私はいま、虚業に満ち溢れた仕事をしていますが、別に楽しくなく生きるためにやっています。
これが人生なのかと考えさせるほど今回は引越し業者さん、エアコン業者さんの仕事っぷりは素晴らしかったです。

これに応える行動は一つしかありません。
私は虚業で鍛えたキーボードさばきで今回関わった業者さんから来た作業後アンケートに「とてもよかったです」という天才的な文章を残すのでした。
彼らがまたどこかで輝いて、誰かに影響を与えますように。
今回はお世話になりました。
ありがとうございます。

今回は以上です。


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