学校。

学校が嫌いだった。
規則的に割り振られたロッカー。
ずっと使い回されてる机と教室。
クラス替えのたびに、
係も班も友好関係もやり直し。

自由の効かないルールの中で
そこからはみ出す個性をぶつけ合ったり。
誰かを仲間外れにすることで結託したり。
相手を傷つけて負かすことに
一生懸命になったり。ほんとにバカみたい。

明日学校に行かなくていいなら
どんなにいいだろうと思ってた。



でも今大人になって、もう一度、
廊下を歩いてみたいと思う。
うんざりするほど観察した朝顔を
もう一度だけじっくり育ててみたいと思う。

今ならきっと、廊下に飾られた図工の絵を見て
それぞれの好きなものや性格を想像する。
その子の名前に込められた願いを考えてみる。
朝顔の葉が、他の植物とどう違うのか発見したら
多分ちょっと嬉しくなるだろう。

あの頃、余裕がなくて
受け止められなかったものが
今とても貴重なものに見えたりする。

人生の中であそこにしかない時間と空間。

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