かしこい生き物。
誰かの、意図的な敵意にふれたとき。
それは、相手のためではなく
相手が苦しむのを見るためのもの。
こわいけど、人っていうのは
嫌いな人が苦しむのを見て
うれしいと思う生き物なんだ。
信じたくないけどね。
苦しめるためだけに生まれてきたものは、
すごくすごく尖っていて、痛い。
それがたとえ
わたしに向けられたものではないとしても、
ちょっと触ってみるだけでわかる。
正義のためと大きな斧を振りかざし
歩いてくる人を見て、
わたしはこわいと思った。
誰かにとっての正義は
誰かにとっての殺意になると思った。
だからわたしは
正義の旗も悪魔の旗も立てない。
黙ることは死ぬことだと
武器を持つ人たちは言うけれど、
殴り合わなくてもわかるくらい
かしこい生き物だって、
もう少しだけ、信じたいんだ。
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