noteなんて辞めろ! 自分の手で土を耕すのだ!
【前回のあらすじ】
「俺たちがビシッとしないのは、自分の手で土を耕したことがないからだ」そんな結論にたどり着いたアラサー3人組は、東京から3時間かけて、北山家が放置している京都の畑にむかうのだった。
~畑へむかう道中~
四ツ谷:気合いがみなぎってるよ。いまなら、何ヘクタールでも開墾できる気がする。大地に立ち向かうって、こんなに気持ち良いことなんだね。
北山:落ち着け。まだ畑にも着いてない。あと数分かかる。
高端:へー、意外にきっちり手入れされてるんだね。これは楽な仕事かもしれない。ちょこっと耕して、さっさと種まいて帰ろうぜ。
北山:……。
四ツ谷:おいおい、あんまり時間を余らせないでくれよ。こちとらやる気しかないんだからさ。
北山:さあ、着いたぜ。思う存分耕せ。
四ツ谷:へ?
高端:なに、ここ? 薮じゃん。
北山:なに立ち尽くしてるんだよ。どんな畑も元々は薮だったんだ。そしていつしか薮に戻るのさ。ほら、スコップだ。がんばれ。
高端:予想以上だな。まあ、一応やってみるか……。
(スコップを振るう高端)
高端:ダメだ。地面が硬すぎてまったく入らない。四ツ谷、ちょっと頑張ってみてくれ。
四ツ谷:あ、なんかミカンなってる。採ってこよ。
北山:おい逃げるな、お前がやると言ったんだ。
四ツ谷:仕方ないなあ。
四ツ谷:よし、耕せた。じゃあ帰ろうか。
高端:30㎝四方の土壌が2㎝くらい掘り下げられたな。
四ツ谷:いや、おれ横浜出身だからさ。畑とかむいてないんだよ。あ、イチゴもなってるじゃん。ほら見ろよ。
四ツ谷:どうだ、美しいだろ? 農業って素晴らしいな。俺たちのイチゴだぜ。
北山:……。
四ツ谷:生命って尊いな。この自然に俺たちが手を入れようなんて、おこがましいと思わんかね、北山くん。
北山:君がいいならなんでもいいよ。なら、さっさとイチゴを採りつくして帰ろう。その代わり、明日から「俺たちは土すら耕せません」という十字架を背負って生きていくんだよ。
高端:手ぶらで帰るよりは100倍良い。
四ツ谷:いい汗かいた。いっぱい採れたな。これで農業のことは分かったから、今度は漁業に挑戦しよう。
高端:これが、農業……?
北山:メダカくらいなら捕まえられるかもな。
おまけ
※土は耕せないけど、ジャムは作れます。
(北山が夜鍋して作って次の日食べた)