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『The Lost City of Z』 ロスト・シティZ 失われた黄金都市

何の予備知識もなしにランダムに選んだ(単に、チャーリー・ハナムを観たい気分だった)のだけれど、先日の『白鯨との闘い』とメッセージがシンクロしていて驚いた。

1905年からストーリーは始まる。イギリスの探検家、パーシー・フォーセットがアマゾンの奥地にある古代文明を見つけるために人生をかける話。彼が自身でその古代都市を『Z』と名付けるが、原作ではイギリス英語に沿って「zed」と発音される一方、アメリカ向けのプロモーションカットでは 「zee」とあえて発音されているそうだ(笑)。←ウィキ調べ

家庭を犠牲にしても、どうしても叶えたい夢というものが男性には往々にしてあるのだね。パーシーの長男ジャックは幼い頃は家を空けっ放しの父親が嫌いだったが、青年になって父親の追いかける夢やその後姿を理解し、愛するようになる。(ネタバレ)終盤、パーシーとジャックがアマゾンから生還しなかった理由は謎につつまれたままであることを示唆して終わる。この作品では、妻のニーナ(シエナ・ミラー)の鏡に映った後ろ姿が、アマゾンのジャングルらしき緑に包まれるところで幕を閉じる。

邦訳サブタイトルではパーシーは「ニーナ」と妻のことを名前で呼んでいるけれど、実際原語では「cheeky」と呼んでいる。ちょっと生意気でセクシーな妻を大事にしていることが分かる呼び方だ。致し方ないのだけれど、翻訳されるとそういったニュアンスが消えてしまうところが残念だ。



あまり深く考えずに観る映画を適当に選ぶということは、観ている間にサプライズがあって良い。パーシーの良き相棒コスティン役は髭面だけれど、「トワイライト」のロバート・パティンソンだよね?とか、パーシーの成長した長男はトム・ホランドが演じていることに気づいて思わず声をあげたり。

製作のPlan Bはブラッド・ピットがオーナーのひとりでもある会社だけれど、当初はパーシー役を彼が演じることになっていたそうだ。スケジュールが合わず、その次に候補になっていたベネディクト・カンバーバッチもともに辞退。結局チャーリー・ハナムが抜擢されたが、よく合っていると思う。

直前まで「キング・アーサー」の撮影でムキムキだった彼は、急いで減量して南米探検家のボディになったそうだ。この作品の最初に、「なんだかこのハナム氏の顔まわりや首はやけに細いな・・・」と思ったのは役作りの賜物であったのだ。

この製作チームは『それでも夜は明ける 12 years a slave』と同じだそうだ。

制作費の割に興行的にあまり振るわなかったらしいけれど、私は個人的に高評価。「白鯨との闘い」と同様☆5つ。まず色が綺麗、そしてフィクションではないドキドキ感があって心が揺れる。時代や異文化の再現が、魂の旅に連れて行ってくれる。主役の俳優が好きなことはもちろん条件に入る・・・ムフ。

何となく、の選択が結果的によい選択となると嬉しい。この作品には、色々なメッセージが含まれていたのだけれど、観る人によって何がその時心に響いてくるかが違うだろうなぁと思う。

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