シャルドネ(CHARDONNAY)の家具
約20年前に結婚した際に、シャルドネの家具を購入した。就職して間もなかったため、当時の収入的にはけっこうな出費でキツかったが、でも出費に見合う価値があると感じて購入した。
購入前に何度も通ってお店の方に説明を受けた。説明を受けた中で、一番いいな!と思った特徴が”内桐”だった。総桐のタンスはとんでもなく高価で、それこそベンツでも買えるような金額になるらしく、かつ、手入れも結構大変になるということだった。しかし、この内桐だと一つの家具における使用範囲が限定されるため、予算を抑えることができるということだった。
この内桐のなにがよいかというと、防虫剤がいらないということだった。桐には防虫効果があるらしく、防虫剤をいれなくても洋服が虫に喰われることなく保たれるということだった。確かに、自分が実家で住んでいた頃は、タンスの中にたくさんの防虫剤があって、独特のニオイがしてた。決して良いニオイではなかったので、無いほうが良いなと思った。
で、実際に防虫効果があるのか?ということだが、購入して20年近く経つものの一度も防虫剤を使用したことはなく、また洋服も虫に喰われていたことは一度もない。もちろん、地域にもよるのだろうが、少なくとも自分の住んでいる家(結構虫がたくさんいるとこだ。山が近いからだろう。。。)では洋服が虫に喰われたことはない。そう思うと、内桐恐るべし!である。洋服は肌に触れるものなので、防虫剤の成分が洋服に移り、その成分が皮膚に移っていくのが嫌だなと思った。特に、子どもの皮膚に何か症状がでることが嫌だったので、シャルドネの家具にしようと思ったことを覚えている。
また、接着剤に化学薬品をほとんど使用してなかったのもよかった。これは食器棚に特に当てはまるので、洋服ダンス以上に重要かもしれない。ホルムアルデヒドを含むような化学薬品を使用している食器棚に食器を置いておくと、その食器に化学物質が付着し、その食器に入れた食料が体内に入っていくことで、体内に化学物質が取り込まれてしまう可能性があるというものである。洋服の使用の影響は体表であるが、食器(及び食事)の使用の影響は体内であり、特に子どものことを考えると家具の選択は慎重になっていいと思う。
デザインは普遍的なもので特にどうこうはないが、家具は生活の基盤なので、ある意味普通が一番のような気がする。それくらい普通である。造りはとてもしっかりしていて壊れたということも特にない。真っ当な造りだということは素人でも分かる。
そんなシャルドネの家具で生活を送ってきたので、化学薬品を使っている家具をたくさん取り扱っている店舗にいくとすぐに分かる。店舗の自動ドアが開いた瞬間、ウッとくるような化学薬品のニオイに包まれる。数分経つと頭が痛くなってきてしまう。自分は決して潔癖症とか過敏な方ではないが、家具屋さんのあの化学薬品のニオイには参ってしまう。
シャルドネの家具とともに子どもたちも育ってきたが、幸い大きな病気も、皮膚が痒くなるとかなども特になく、普通に暮らせている。普通のデザインの家具ではあるが、その真面目な造りと人に優しい設計思想が、子どもたちの健康な毎日とつながっているような気がする。
そう思うと、はや20年近く経ったが、あの時シャルドネの家具を購入してよかったなと改めて思うのである。
(今日はこの辺で)