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第3話Part12

️ その時だった。ホールの外から、突如女性の悲鳴が聞こえてきた。次いで、ガラスが割れるような凄まじい破壊の音。その喧騒は、すぐにホールに残っていた人々にも伝染していった。

「きゃー!」
「窓ガラスが割れたぞ!
「一体何が起こったの!?」
「怪物よ! 外に怪物が出たわ!」

 声の粒は荒々しくぶつかり合い、会場は騒然としている。その中に、ひとつだけ雰囲気の異なった、妖艶な声が混ざった。

「うふふ、あたしの可愛いスキホーダイちゃん。プリキュアたちを見つけて捕らえなさい。ついでに、集まってくださった沢山のオーディエンスに、感謝を込めて、絶望の気持ちを植え付けてあげてね♪」

 まつりとゆららは、怯え逃げ惑う人々を見つめてから顔を合わせると、頷きあった。

「ゆ、ゆらちゃん、これって……」
「間違いなくカプリシューズの仕業ね」

 エスポワールクレを取りだし、パクトへ変形させた所で、聞きなれた声と共に、慌ただしい足音がやってきた。

「まつり先輩! ゆらら先輩! 無事ですか!?」
「私たちは大丈夫! でも、レザンたちがどこにいるか分からないの!」
「とりあえず、あすな達だけでも変身した方が良さそうですね!」

 やってきたあすなもエスポワールクレを取りだし、パクトの形へと変形させる。それを確認した後、ゆららは二人に向かって口を開いた。

「そうね。二人とも、いくわよ!」