第2話Part22
「うふふ、任務を外された上に、同等だと思ってたあたしの配下につくことになっちゃったわね、ご愁傷さま。でも、あんたの実力なんて所詮そんなもんよ。思い知りなさい」
突き放すように言い放つモーヴェ。デザストルに対しては従順なソンブルだが、この女幹部とはどうもそりが合わない。
「んだとババァ……!」
「なっ、何ですって!? あたしはまだ26よ!」
心外な評価をくらったモーヴェは、余裕を忘れて思わずムキになる。二人が睨み合う状況に、デザストルは怒りを隠しきれない様子で眉を上げた。
「黙りなさい、二人とも。全くはしたない。もう下がりなさい。私は喧嘩の仲裁をするために君達を呼んだのではありません」
やや声を荒らげ、デザストルは二人を睨みつける。その目に射抜かれたソンブルはびくりと肩を揺らし、反対にモーヴェはうっとりした表情で頷いた。
「す、すみません! 失礼します……」
「やだ、ごめんなさいデザストル様️~」
二人は各々そう言い残すと、その場からワープして消えてしまった。そして、ドアの向こうで待機していたのか、それと入れ違いになるようにシャグランとラージュが入ってくる。
デザストルは、まだ怒りを消化できていない表情で、しかし声だけは穏やかに二人を招き入れた。
「さて、騒がしくして申し訳なかったですね。君達には、言わば裏の存在としてプリキュアへの接触を図って頂きたかったのですが、あれから何か情報は掴めましたか?」
デザストルの問いかけに、一歩踏み出して口を開いたのはシャグランだった。
「ああ、ラージュと調査を続け、大体は見当をつけている。……しかし、我らはプリキュアとやらの容貌を知らぬのだ。14、5の娘と言うことしか分からぬ。そんな状況で探せと言われても、些か無理があるように感じるが……」
ソンブルと共に行動した方が良いのでは無いだろうか? そう付け加えようとしたシャグランだったが、その言葉はデザストルの溜息に遮られてしまった。
「弱音ですか。情けない」
冷ややかな声が辺りに響く。彼がこのような態度を取った時どうなるか、二人には十分すぎる程に分かっていた。