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第2話Part18

 光の中から現れた新しいプリキュアを目にし、フルールとラメールは呆気に取られたように目を丸くした。

「キュアルシエル……!」
「あすなが、新しいプリキュア……?」

 二人からの視線を受け、ようやく我に返ったあすなは、変化した自らの全身を見回した。

「え? あすなもプリキュアになっちゃったの?」

 驚きのあまりそれ以上言葉が出てこない三人。しかし、この事態に動揺していたのは彼女たちだけでは無かった。キュアルシエルの誕生を目の当たりしたソンブルは、つっと悔しそうに顔を歪める。

「何だと? このチビがプリキュア? 直前までそんな力、微塵も感じなかったのに……スキホーダイ! やってしまえ!」
【ヤッツケテヤルー!】

 ソンブルの指示を受けて、スキホーダイが再び動き出す。あっという間もなく放たれた攻撃。しかしルシエルは、余裕の表情で振り切った。

「あすなは、小さいけど運動神経には自信があります! そんな遅い動きには負けません! たぁぁっ!」

 ルシエルはスキホーダイに向けて飛び蹴りを食らわせる。彼女の攻撃が、顔のど真ん中に直撃したスキホーダイは、フラフラとよろめいた。

【メガグルグル~!】

 その隙を狙って、ルシエルは浄化攻撃の体勢に入った。今まで一言も発したことの無い言葉が、するすると頭の中に浮かんでくる事に疑問を感じながらも、ルシエルはしっかり前だけを見ていた。

「プリキュア! スターダスト・ポップ!」

 その声と共に、小さな無数の星々が、光り輝きながらスキホーダイ目掛けて落ちてくる。スキホーダイはその全て絡みを防ぐことが出来ず、文字通り星の海に溺れていった。

【オホシサマキラキラ……キレ~イ!】

 先程までとは違い、安らかなな雰囲気で微笑みながら消えていったスキホーダイを見て、ソンブルはわなわなと唇を震わせた。

「なっ……スキホーダイが浄化された? ちっ、改良が必要なようだなっ!」

 投げやりな声が辺りに響いた時にはもう、ソンブルの姿は影も形も無くなっていた。