第6話Part17
️ ここは三階の空き教室。窓の外から戦いの様子を眺めていたラージュは、つまらなそうに大きなため息をついた。
「やられるとかだっさ。次はmeに譲ってもらうからね、シャグラン」
窓にもたれかかりながらぶつくさと文句を言っていると、廊下の向こうから軽やかな足音が聞こえてきた。音の主は、少しばかり焦った様子で駆けていたが、ラージュの姿を見つけるや否や、ほっと息を吐いた。
「先輩! 無事でしたか!」
「うん、meはヘーキ。急に怪物出てきてチョーびびったけど。youも無傷で良かったじゃん?」
『テキトーで面白い先輩』を装い、ラージュはやってきた少年、レザンに向かって笑ってみせる。まだ彼女の正体を知らないレザンは、安心したように頷いた。
「はい。先輩もご無事で何よりです」
窓の外では、さっきまでの喧騒が嘘のように、穏やかな風が流れている。
(まつり達の所へ向かうことは出来なかったけれど、あの光……無事に倒してくれたみたいだ。良かった)