見出し画像

『ロマンス詐欺』なるものに引っかかっり約500万借金した四十路の末路⑨@現在進行形-交番・警察署に駆けこむ・Ⅱ-

 (承前) ついでに少し改題。我ながら、あほだわ。

 意気込んで交番に着いたはいいが、誰もいない。
 確か、ここの交番はだいたい人がいない(笑)
 以前も落とし物を拾ったときは、違う交番に届け出たのをいまさらながらに思いだす。しかし今回ばかりは是が非でもここがいいと思っていたので、少し待ってみることにする。が、突然、どさっと物音がした。
 びっくりして床を見ると、どうやら来館者を感知するセンサーが落ちたらしい。……もう不吉な予兆としか捉えられない。

 とりあえず不吉な予兆を摘まみあげて、机に置くと、電話機が目についた。もし交番に警官が不在の際は、この電話をお使いくださいと書いてある。

 渡りに船とはまさにこのこと。
 とにかく受話器を上げ、しばらく発信音が鳴ると、管轄する警察署に繋がった。

「〇〇警察です。どうなされましたか?」
 とりあえず、名前と住んでいる場所を告げて、「投資詐欺にあった」という旨の話は伝えた。
 すると、
「近くにいる者をそちらに行かせますので、しばらくお待ちいただけますか?」といわれたため、もちろん了承した。

 しばし待つことにしたのだが、正月五日目、徐々に人通りも多くなり、往来を行きかう人も増えてきた。これはもう完全に、自分の気の持ちようの問題だが、道行くひとの視線が突き刺さるようで、背中が痛かった。この交番は道に面しているところは、ほぼガラス張りに近いため、中が丸見えなのだ。
 それゆえ、「新年早々、なにをやらかしたのだろう」という暗黙のメッセージなるものを、待機しているあいだ、ひたすら背面に感じていた。

 遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえてきて、やがて静かに消えていった。待つこと20分、ようやく警察官が到着。ほんとうにこの20分は長かった。

 やってきたのは、20代と思しき婦警さんと、50代と思しき男性警官の合わせて二人。……二人も来てくれたのか。話を聞くと、ここからけっこう離れたところの交番勤務の方だったようだ。

 詳細は、別のところに譲ることになるが、とりあえず時系列にこれまで起こったことを伝えていくことにした。そして詐欺だと気づくまでの過程、その瞬間のこと、自分の考えを話していきながら、ふと思ったことがある。
 それは、何かしらの書面を用意すべきだったということ。

 この手の詐欺は、もはや主観的事実と客観的事実が入り混じりすぎて、脳内がカオス状態となっている。ましてや先ほど、韓国語の本を焚書してきたたまぞう、とにもかくにも被害を申告することしか考えていなかったのは、あとから振り返ると失敗だった。
 そしてもうひとつは、当然だが仮想通貨・暗号資産の歴史は浅いため、必ずしもそれに精通した署員が来るとは限らない、否、来ない可能性のほうが高いのだ。

 ぼくもここに記しながら、整理している状況だが、アップルのアプリストアから手に入れた暗号資産のアプリだけでも、コインチェック、METAMASK、TRUST、そしてMETAMASKから誘導された偽サイトと思しきものがあるが、そもそもどれかどういう役割を果たしているかと問われたら、答えられるかどうかは我が事ながら、かなり危うい。

 そんな状況なので、ぼくも警官もメモを取りながら、やりとりを重ねてきたが、とうとう「これは交番で扱える案件ではない」ということになった。駆けつけた警官は、本署に連絡をとり、「知能犯係」という部署とやりとりをしていたようだ。たまたまこの日は出勤していたらしい。

 どうやら、ぼくの話を、そのまま伝えていくと、電話の向こうの人間は聞き覚えはあるようで、「似た案件は複数あがってはいるようだ」と教えてくれた。そして「土日は基本的に非番で、誰がいるか判らないから、これ以上の相談を希望される場合は、平日にアポイントを取って、本署まで行ってほしい。この日に○○交番に相談したといえば、わかるようにはしておくから」と伝えられた。

 休職中のぼく、仕事ないので、了承した。
 以下、次回。
 明日も生きていますように。

いいなと思ったら応援しよう!